こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。
GoFortyコンセプトを継承した分割キーボードの予約販売を開始するので、その解説をしたいと思います。
GoFortyコンセプトとは
GoFortySplitはGoFortyコンセプトの派生プロジェクトです。
GoFortyコンセプトは私の「40%キーボードを楽しもう」というGoFortyコンセプトに基づいて設計されました。
salicylic-acid3.hatenablog.com
GoFortySplitについて
GoFortySplitはGoFortyキーボードの分割版という位置付けのキーボードです。
40%キーボードの普及を目指したGoFortyキーボードの特徴である、「ハンダ付け無し」「ファームウェア書き込み済み」「アルミケースの選択肢」を継承しています。
GoFortySplitには分割キーボードの入門用としての位置づけも加えたため、より廉価に体験できるように配慮して設計しました。
GoFortyと同様に体験の後、実際に使えそうならケース付きにアップグレードできるようにしたいと思います。(販売開始時には価格を重視し、ケースはセットのみにしています)
配列のこだわり
GoFortySplitはGoFortyと同様にオーソリニア*1のO54GoSとロウスタッガード*2のR49GoSの2種を用意しました。
O54GoSの配列
GoFortyのO51Goを分割したような配列です。
13列だったO51Goを分割するに当たって、内側に1キー追加して54キーとしています。
54キーで40%なのか?と問われると微妙かもしれませんが、心の目で見れば40%なのです。*3
(数字列無いじゃん!という方はこちらの記事を参照してください)
この1列を追加したことにより、記号キーをデフォルトレイヤーにより多く配置できるようになり、利便性が向上しています。
既に40%キーボードに慣れ親しんでいる人はマクロキーとしてお使いください。
また、通常のキーボードと違って小指のキー数が少なくて馴染まないという方は、一列内側にオフセットしてキーマップを設定することで、普通のキーボードと同様に使えるようになります。
(左側はだいぶ無理矢理になりましたが、言いたいことは伝わるはず…)
R49GoSの配列
こちらもGoFortyのR47Goを分割にしたような配列です。
7列の分割レイアウトとするために中央部に2キー分追加されています。
普通のキーボードと同じ用に左右非対称の配列であるために2キー分の追加となりましたが、この2キーも便利に使えます。
Tキーの右側に追加した1キーは結構押しやすい場所にあるので、エスケープキーやタブキーなどを配置してもいいですね。
親指部分に追加したキーは、ホームポジションに両手を置いた際に左右で同じ位置関係に来るように調整しています。
こうすることにより、親指を無理なく活用することができます。
ケースのこだわり
GoFortySplitはケースレス構成に加えて2種のケースを設定しています。
この2種は明確に想定使用場所が異なり、ユーザの目的に沿った使い方をサポートできるようにしています。
Aluケース
GoFortyケースのテイストを最大限活かしたアルミ削り出しケースです。
GoFortyケースと同様に真鍮サイドバーを採用しており、高品位な質感に加えて視覚的な面白さを加えています。
左右間通信をUSB-Cにすることで左右のケースを全く同じものにし、コストを低減*4しました。
これもGoFortyケースと同様に、ポリカーボネート削り出しパームレストカバーも用意しました。
このポリカーボネート削り出しパームレストカバーを使用していないキーボード上部に重ねることで、非使用時に埃の侵入を防ぐことができます。
ケース裏にはGoFortyケースと同様にシンセティックレザー(合皮)を貼り付けて使用することで面で滑り止めを行うことができます。
Stackケース
3Dプリントを用いたケースバリエーションです。
ケースデザインはBeThirtyのケースを踏襲し、かなりシンプルめにまとめています。
アッパーケースとボトムケースでスイッチプレートを挟み込むガスケットマウント方式を採用し、良好な打鍵感を実現しています。
しかしその最大の特徴は、名前にもある通り左右のキーボードをスタック(重ねて)して持ち運ぶようにできる点にあります。
分割キーボードはキーボードが左右に分かれている時点で荷物が二つに(ケーブルを入れれば三つに)なってしまう課題があります。
持ち運ぶ際に傷を付けたくないとケースを用いれば更に二つ追加されます。
この課題に対して、左右のキーボードを一つにスタックしてゴムバンドで留めることで持ち運び時に脆弱なキーキャップ側を守りつつ、スムースにカバンに入れることができるようにしました。*5
キーキャップ面を合わせてスタックするためにはロの字のスペーサーが必要でした。
しかし、スペーサーはスペーサーなので、キーボード使用時には邪魔になります。
そこでキーボードとして使用する際には分割してチルト足にするアイデアが浮かびました。
使用時はマグネットで取り外してキーボード後部に装着することでチルトに使用することができます。
#GoFortySplit のStackケース収納動画
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2024年10月31日
YouTubeに上げる前に、無編集で上げておきます。
強力な磁石を使用しているので、かなりしっかりくっつきます。 pic.twitter.com/ky1dfDDR9y
また、カバンに入れるという想定をしているので、よくある円形のゴム足の滑り止めは採用しませんでした。
チルト角度が変更されても設置するように配置すると、どうしても剥がれやすくなってしまうからです。
そこでGoFortyEzケースで採用した滑り止めPoronシートを採用しました。
このPoronシートを採用することでチルト足を使わない状態でも十分に滑り止めを発揮することができました。
また、3Dプリント製のケースということで、ケースデータをプレゼントすることにしました。
好きな色のフィラメントを使って出力したり、塗装したりしてお楽しみください。
ケースレス構成
最後にケースレス構成についてです。
ケースレス構成でもGoFortyキーボードの構造を踏襲し、スペーサーとスイッチプレート間にハネナイトワッシャを配置していますし、打鍵感や使い勝手へのこだわりが詰まっています。
後でケース付きにアップグレードできるようにもしたいと思いますので、使いこなせるか不安な方はまずはこちらでお試しください。
今後の展開
他にも色々なオプションを検討していますが、売上が期待に届かない場合は廃案になってしまうかも知れません。
気になる方はぜひこの機会にどうぞ。
Stackケースの価格変更について
実はGoFortySplitは1週間くらい前から販売開始していたのですが、Stackケースのみ販売ができていませんでした。
その理由は今回新しく見つけた安い3Dプリンタ工場の品質チェックのためだったのですが、表面の状態が要求に満たなかったため、販売自体どうするかmoimate社と協議していました。
もうStackケースの販売をやめようかという議論にもなったのですが、少しの値上げを許容することでJLC社のJLC Black Resinを採用して販売することになりました。
でもそのまま値上げすると申し訳ないので、ケースデータをセットで提供することにしました。
こうすることで、ユーザ自身で欲しい色のケースを出力したり、予備を発注して塗装にチャレンジしたりすることができるようになりました。
どうぞ検討のほどよろしくお願いします。
販売ページ
40%分割キーボード GoFortySplitkeeb-on.com
受注販売期間は11月6日までとしています。
受注販売期間後に発注し、全て発送した後にも一般販売を予定していますが、一般販売価格は予約販売価格とは同じではないかも知れません。。。*7
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おわりに
7sProMaxと同様に、気に入ったがためにだいぶ紆余曲折をしてしまいましたが、何とか形にすることができて満足しています。
皆様にもご愛用していただければ嬉しいです。
本記事に対して問い合わせや要望があれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
この記事はO54GoS + GoFortySplit Stackケースで書きました。
*1:碁盤目状に並んだ配列のこと
*2:通常のキーボードのように行ごとに横にズレた配列のこと
*3:ここにも書きましたが%の定義は微妙なので、あくまで私の主張によって40%ということにしておいてください。
*4:設計しないとこの辺は分かりづらいんですが、左右で違うケースとかメチャクチャコスト高なんです。
*5:ざっくりバックに入れてしまうとキーキャップが傷ついてしまいますし、ソケットに対応していればスイッチごと抜けてしまって使用する際に使えなくなることが懸念されたためです。
*6:JLC Black Resinとはちょっと色味が違いますが、造形品質は高いです
*7:予約販売価格より下がることはないです