こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。
少し間が空いてしまいました。
今回は前回のJLCPCBへの基板発注した結果のPCBをレビューしたいと思います。
※本記事内で発注した基板はJLCPCBの提供を受けています。
はじめに
本記事ではJLCPCBへ発注した基板の状態を確認しますが、品質を保証するものではありません。
基板に不具合等がある場合は個別にJLCPCBへお問い合わせください。
JLCPCBとは?
※新規ユーザは上のリンクからクーポンを入手できるようです。
JLCPCBは中国にある基板製造会社です。
自作キーボードの設計者も利用している方が多いと思います。
私はGL516デザインガイドでも解説している通り、このJLCPCBとElecrowをメインに基板を発注しています。
私がJLCPCBを愛用する理由は「早い」「安い」「発注方法が簡単」ということに尽きます。
特に発注方法については非常に簡単になっており、基板のみの製造やストックされている部品を実装するSMT Assemblyでは英語でのやり取りは全く必要ないほど洗練されています。
その代わり、基板の穴の量が著しく多い基板や、スイッチプレートのような長穴が多く存在する基板を発注する場合、追加料金を請求されることも多いので注意が必要です。
届くまでの日数
2022/4/28 12:40 発注(支払い完了)
2022/4/28 14:43 製造開始
2022/5/03 09:54 発送(DHLを利用)
2022/5/07 10:14 到着
合計11日目に到着という結果でした。
早いと感じるか遅いと感じるかは人それぞれですが、ダイオードの実装やGWを挟んだことを考えるとめちゃくちゃ早かったと思います。
他の工場に発注すると発送までに10日くらいかかったり、PCBAも発注すると20日~40日位は余裕でかかります。
※記事化が遅いというツッコミはその通りです。すみません。。。
基板を写真で確認する
最初に言い訳
JLCPCBを私が好んで使用する理由の1つに、黒色の基板があります。
私はJLCPCBと並んでElecrowにもよく発注しますが、JLCPCBのブラックはElecrowのブラックとマットブラックの中間くらいの半ツヤ仕上げとなっており、質感が高いように感じて非常に好きなんですよね。
というわけで、今回も記事用サンプル用にもかかわらず、全て黒で発注してしまいました。
比較用には良くないですね、すみません。。。
KeyFuda04 Rev0.1
大きな傷もレジストのムラもなく、非常に綺麗な状態で届きました。
シルクプリントもくっきりスレなく印刷されています。
製造番号も裏面の目立たなさそうなところを選んで入れてくれたようです。
ProMicroのピンの用途を示す部分は少し潰れてしまっていますが、これは細かすぎるので私のミスですね。
ErgoArrowsPro Rev0.1
ErgoArrowsProも同様に非常に綺麗な状態で届きました。
KeyFudaよりも基板サイズが大きいので、多少の擦り傷がありましたが、基板は本来は外装に使うものではないのでショートしない程度の擦り傷は許容範囲内だと思います。
どうしても気になる人は前回の記事でも解説しているPaper between PCBs付加すると擦り傷を抑えられるかも知れません。
やはり細かすぎるシルクプリントは潰れてしまう傾向があります。
これはCol0とかRow0での記載にこだわるよりも、C0、R0のようにより短い文字列で表示するべきだったと反省しています。
ErgoArrowsPro用の外装プレート
基板は外装に使うべきでない、とツッコミが飛んでくるかも知れませんが、自作キーボードにおいては安価で強度があって模様や外形を自由にできる基板(FR-4)という素材は大変魅力的です。
というわけで例に漏れず私も外装に使用するプレートを出してみました。
アルミケースの底板として使用するプレートです。
製造番号はどうしても入ってしまうため、外装部品に使用する際には前回の記事で解説しているRemove Order Number付加すると良いと思います。
電池が当たるパッド部分も非常にキレイでした。
KeyFuda05 Rev0.1(PCBA)
気になっている人も多いと思いますPCBA(工場で部品実装)した基板です。
ハンダペーストを正確に塗布するためのステンシル固定用の穴が基板に2つ追加されています。(下写真参照)
この穴を回避するには捨て板(基板の上下などにくっつけるステンシル固定用の穴を開けるための板)を追加する必要があり、基板サイズの増加からコストが少しだけ上がります。
機能に問題はない部分に穴を空けてくれるため、面倒なら任せるほうが簡単です。
また、下の写真は5枚発注した中で一番表面に難があったサンプルです。
PCBAはハンダペーストを塗布して部品を配置した後に、プレートや炉で熱を加えてハンダペーストを溶かして部品をハンダ付けをしていきます。
それゆえ熱を加えた跡が残ることがありますが、今回は5枚中1枚だけ跡が残ったものがありました。
他の4枚は非常に綺麗な状態だったので、歩留まり自体は問題ないかと思います。
試作ならあまり表面の状態は気にしませんし、ハンダ付けの手間をグッと減らせることに違いはないので、かなりいい選択肢なのは間違いないかと思います。
塗布されたハンダペーストの量も十分で、ちょっとやそっとじゃ剥がれそうもなく、非常にいいかと思います。
※たまにハンダペーストの量が少なく、すぐに剥がれそうな状態のものを見かけたりしますが、今回JLCPCBに発注した分にはありませんでした。
基板の不良について
今回は特に動作に支障があったり、ショートしそうな大きなキズはありませんでした。
JLCPCBは傷や基板の不良については代替品の製造・発送ではなく、クーポンでの補填となることが多いので、どうしても数が必要な場合は多めに発注しておくことを強くおすすめします。
おまけ:基板を実際に使っている図
実際にこんな感じで実際に使ってますが、もちろん不良は無いです。
おわりに
試作サイクルを隙間なく回すためにプロジェクト数を増やすのではなく、リードタイムが短いPCBサービスを利用するほうがいいよ、と過去の自分に教えたいところですね。
ダラダラと弄って寝かせるよりパパッと発注して組み立てたほうが結果的に早くて満足のいくものができると思います。(自戒も込めて)
本記事に対して問い合わせ等あれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
この記事はNaked64SFv3 Proto3とErgoArrowsPro Proto1で書きました。