こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

週報では言及していますが、これまでWindows一筋だった私が、ついにMacBook Proを購入しました。
本記事ではその決断に至るまでの道のりを、時系列に沿ってご紹介します。
- iPod nanoのiTunesに覚えた反感
- 会社のiPhone禁止の雰囲気
- 上京した私とスタバ×Mac
- 自作PC派だったしスペック厨だった
- 環境の変化とSurface Pro
- WindowsPCを1年ごとに買い替えた3年間
- いよいよ我慢の限界に
- Arm版Windowsってまだまだ使えない?
- ai03さんの勧めとMagic Trackpadの好印象
- MacBook Proのファーストインプレッション
- 不慣れなショートカットキー
- 他のMacBook Proの不満点
- 尊師スタイルは思ったより良好な使用感
- MacBook Proと歩む自キカツ
- ランキング参加中
- おわりに
iPod nanoのiTunesに覚えた反感
私のことを「アンチApple」だと思っている人がいるかもしれません。
実際私は、初めて買ったApple製品であるiPod nanoにはあまり良い印象を持てませんでした。
私は当時から音楽鑑賞が好きで、中古で買ったCDをPCに取り込んでヘッドホンで聴き、外ではMP3プレイヤーで聴くのが楽しみでした。
iPod nanoもその延長線上で試してみたのですが、ここで大きな違和感に直面します。
iPod nanoをPCに接続すると自動でiTunesのインストールを勧める画面が出てくるのです。
PCではWinampというメディアプレイヤーを愛用していたのですが、毎回接続するたびに出てくるのでものは試しとiTunesをインストールしてしまったのです。
インストールされたiTunesは、私が苦労して整理したWAVEファイルとMP3ファイルを勝手に取り込んで独自形式に変換し、元のディレクトリ構成も無視して再構成してしまいました。
一瞬でiTunesが嫌になってアンインストールし、泣きながら音楽視聴環境を再整理しました。
そんなこともあり、iPod nanoのハードウェア自体は気に入っていたのですが、PCにつなぐのが嫌になってしまいました。
そんなわけで私のApple製品のファーストインプレッションは、おせっかいで面倒くさいデバイスという印象が強く残りました。
会社のiPhone禁止の雰囲気
iPod nanoに嫌気が差したあと、世の中にスマートフォンが流行り始めました。
私はAndroidを使用していましたが、別にAndroidが好きだったわけではありません。
最初期のAndroidはとにかく不安定で、root化など非正規な手順*1でカスタマイズしないとまともに動かなかったほどです。
iPod nanoでちょっとApple製品に苦手意識のあった私以上に、当時の私の職場はiPhoneに対するアレルギー(not業務命令、yes同調圧力)が強く、喫煙所でスマートフォンを触っていると「それはiPhoneか」と普段あまり喋らない人から聞かれるくらいでした。
「Xperiaですよ」とブランドロゴを見せると「なんだスマホか」*2と開放されるのですが、まあそんな感じの雰囲気が漂っていたのです。*3
そんな感じなのでiPhoneにちょっと憧れもありましたが、高価だしAndroidより用途が広がるわけでもないしで、持っている人を見ると触らせてもらったりはしていましたが特段欲しがったり忌避したりはしていませんでした。
上京した私とスタバ×Mac
上でもチラッと書きましたが、当時の私は結構なヘビースモーカーでした。
当時は路上禁煙が罰金化され始めた頃なので、各地の喫煙所や喫茶店、ファミレスがスモーカーの深呼吸の場でした。
こう書いたうえで「スタバ」と聞くとピンと来る人もいると思いますが、当時のスタバは喫煙席を廃止またはテラス席以外禁煙となっていたのです。*4
就職時に上京したてで田舎者丸出しの私は喫煙所を求めてスタバに入ってみたのですが、灰皿ないし注文方法わからないし、コーヒーくれって言ってもよく読めないメニュー出されるし。
やっと注文を終えて振り返るとMacBookを開いて英語なにかを読んでいるような人がズラリ。
正直すごくギョッとしましたし、タバコ吸えないし、エスプレッソ苦くて飲めないし、そもそも座れないし、到底いい感情は持てませんでした。
というわけで、MacBookはスタバで英語の記事を読むいけ好かねえ奴が使っているというイメージが、スタバとセットでついてしまいました。
あ、この記事を書いている今は禁煙して9年目になってます。

自作PC派だったしスペック厨だった
私は自作派かつスペック至上主義だったので、macOSは本当に選択肢に登りませんでした。
MacBookを使っている人に良さを聞いても、結局BootCampかなにかでWindows使っているようですし、本当に理解できなかったです。
Macのデザインがいいと言われても、ノートPCなら私はViao Zのメカメカしい方が好きでしたし、私はタワーPCでゲームやっているのでNot for Meな製品なんだなぁと思っていました。

環境の変化とSurface Pro
そんな私も結婚する事になり、ゲームをする機会がどんどん減っていたのでSurface Pro*5を買うことにしました。
自作PCで不具合や相性や保証問題に飽き飽きしたので、長いものに巻かれとけの精神です、歳を取りましたね。
その後自作キーボードを始め、キーボードを取り外せるSurface Proの良さにどっぷりハマりました。
しかし、Surface Proはグラフィック性能がそこまで高くなく、自作キーボードがケースづくりにシフトしていくと3D CADには不向きでした。
夜なべすること幾日かでようやく完成しました。 #crkbd の会社用と家用です。
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2018年10月24日
家用のはLEDを着けてみましたが、LEDを20個以上壊しました。。@foostanさん色々ありがとうございました。 pic.twitter.com/WZH9ZJPnOC
WindowsPCを1年ごとに買い替えた3年間
PCを更新しようとポストSurface Proマシンを色々試してきました。
購入したのはデスクトップPC(ZBOX magnus one)やミニPC(Minisforum UM773 Lite)、やっぱりタブレットPC(Minisforum V3)です。
買い替えはしましたが、結果的にいずれの機種も活かせているので、この試行錯誤も無駄ではなかったと感じています。
無駄にはなっていない、という程度ですが。。。
設定はまだだけど、PCを設置してみた
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2023年5月24日
ちっさ! pic.twitter.com/7mVt5nwPW7
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いよいよ我慢の限界に
1年毎に買い替えたPCは、いずれもWindowsの不具合によって初期化の必要に迫られ、1年という短いスパンで買い替えることになってしまっていました。*6
Windowsの不具合と記載している理由は、Windowsを初期化したら治ったからです。
むしろ初期化で治らないほうがまだマシでした。
初期化したら治るって、対策方法が定期的に初期化する運用にするって感じにするしかないじゃないですか。
自作PCならまだしもメーカーPCでこれなんで、もういい加減嫌になりました。
じゃあまた長いものに巻かれるかとSurface Proを買おうかと迷い始めました。

Arm版Windowsってまだまだ使えない?
今のSurface ProってArm版のみなので、普段使っているソフトウェアとの互換性が気になりました。
私が普段使うはFusion、KiCad、PowerPoint、Excel、Illustrator、DaVinci Resolve、その他細かいソフトウェアが色々です。
そのほとんどはArm版Windowsで動くようですが、互換性を考えながら運用するの嫌なんですよね。
この件でWindowsを利用する理由の半分くらいは、細かいことを考えなくても全てのソフトが動くと思えることだと気づきました。
かといって別のメーカーのゲーミングノートPC*7なんてもっと嫌でした。
もうWindowsにこだわる必要はないのでは…?と思い始めました。
ai03さんの勧めとMagic Trackpadの好印象
そんなとき、キーボードデザイナーのai03さんに以前から「Mac使ってみたら?」と勧められていたことを思い出しました。
そしてポインティングデバイス研究のために買ったMagic Trackpadが想像以上に良かったことを考え、あれが標準でついているMacBookもいいなと思うようになりました。
読書タブレットとして買ったiPad Airは非常に気に入っていますし、MacBookならSidecarという機能でiPad Airをサブディスプレイとしても使えるというのが最後のひと押しでした。
正直まだいいイメージでもなかったのですが、もう安定していれば何でもいいや…という気分だったので、一度チャレンジしてみようと決意しました。
ai03さんはかなりMacBook Proのマシマシ構成(約50万)でやっているようですが、私はMacBook Proのそれなりの構成(約30万)にしました。
それにしても高い…。
MacBook Proのファーストインプレッション
MacBook Proが到着して実際に手にしたときの第一印象は「重い!」の一言です。
これまで使っていたSurface ProやMinisforum V3は(キーボードがないとはいえ)1kgを切っていましたが、MacBook Proは1.6kgほど。
数字以上にズシッとくる重さでした。
私は「キーボードは自作キーボード派」なので、内蔵キーボードは全く使う気がありません。
どれだけ打鍵感が良くてもデットウェイトにしか感じませんので、キーボードが原因の重量感ならちょっと嫌だな、と考えていました。
手に持って360°くまなく眺めてみてもデザインは可もなく不可もなくという感じです。
しかし、裏側の丸いゴム足はあんまり格好良くないと思います。
そしてなんとなくMacBookのイメージは銀色だったので銀色にしましたが、私のデスク環境では銀色は邪魔でした。
スペース削減のためにスタンドを作って立てて使用しているのですが、銀色という色がライトスタンドの光を反射して明るく感じすぎてしまいます。

でも黒色の指紋がベタベタに付く感じも嫌だったので、まあいいか、と今は無理やり納得しています。
でもちょっと調べると指紋問題は解決しつつあるようなので、次買うなら黒にしようかと思っています。
不慣れなショートカットキー
ショートカットキーが微妙に違うのは最初の3日くらいは困りましたが、キーボード側にOS自動判別機能をつけてMagic Trackpadを左手デバイス*8として使うようになったらかなりマシになりました。
このあたりはもう少し詳しく別の記事にまとめたいと思いますが、何よりも一番良かったのは、私に新しいOSに順応する柔軟さと気力が残っていると確認できたことです。
最近少し年齢による衰えを感じ始めていたところなので、まだまだ私だってやれるやん!という手応えは凄く嬉しかったのです。


他のMacBook Proの不満点
主な不満点は重さとショートカットキー、ゴム足の粘りのなさ、アプリの日本語表記の少なさ、Touch IDです。
重さとショートカットキーについては上で記述したので割愛します。
MacBook Proのゴム足は摩擦が強くなく、割と小さな力でズレてしまいます。
新幹線などの狭い机で使う場合はもう少し踏ん張って欲しいところです。
また、MacBookを使いこなそうと色々な人から聞いたオススメアプリを入れてみましたが、基本英語のUIなのでちょっと使いづらいです。
大体は初期設定さえしてしまえば慣れるのでいいのですが、英語記事をスタバで読んでいた人といい、MacBook使っている人は基本英語が堪能なんだなあと今更感心しています。
Touch IDはかなり便利、というより、頻繁に認証を求められすぎるので必要になっているような気がします。
今の環境ではちょっと手を伸ばしてTouch IDを使用するしかなく、Magic Keyboardを購入してTouch ID部を摘出するか迷っているレベルです。
尊師スタイルは思ったより良好な使用感
キーボードが付属するノートPCって自作キーボードを使うときに邪魔だなと思っていましたが、いやいやどうして尊師スタイル*9って便利ですね。

MacBook Proのキーボード部は、皮肉ではなく安定した台として優秀です。
タブレットPCだとキックスタンドがスペースを取る上に不安定ですし、手前側のスペースがなくなって手首が非常に窮屈になりました。

MacBookの場合はKarabiner-Elementsを使うことでUSBキーボードの接続時に内蔵キーボードの入力をキャンセルすることができ、そのまま内蔵キーボードの上に外付けキーボードを置けるので便利です。
GoForty系は裏に革が貼ってありますので、なおさらMacBookを傷つけずに尊師スタイルに移行することができました。
かなり好印象だったので、尊師スタイル用のグッズも今後作っていきたいと思います。

MacBook Proと歩む自キカツ
というわけで、今後の自キカツにはMacBookを使用していきます。
よって今まで目を逸らしていたmacOS向けの記事や商品展開、ファームウェア開発をスコープに入れていきます。
もちろんWindowsマシンも手元にあるので、今後はできるだけ両方のOSで便利に使えるように配慮して作っていきたいと思います。
特にOS自動判定はかなり便利だったので、RP2040を採用するキーボードはこの機能を有効にしたファームウェアを公開していきたいと思います。
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おわりに
今後、macOS向けの自作キーボードの記事やMacBookを買って1ヶ月の感想記事等も色々書きたいと思います。
最終的にやっぱりmacOSが無理だなって思ったらそういう記事を書こうと思うので、そうならないように祈っておいていただけると嬉しいです。
本記事に対して問い合わせや要望があれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
この記事はToSeventyOrtho Proto1で書きました。
*1:root化すると保証対象外になります。
しかしroot化してプリインストールアプリを消したりしないと容量不足で不安定になってしまっていました。
*2:当時はiPhoneかスマホかという感じです。
iPhoneはスマホではなかった?と思われるかもしれませんが、当時はiPhoneかそれ以外かって感じでiPhoneが強かったのです。
*3:深く理由は書きませんが、Appleがどうこうという話ではありませんでした。
*4:今はほぼ全店舗禁煙のようです。
*5:今で言うSurface Pro5です。
当時のMicrosoftはイキったのかナンバリングを外してみたものの、次のモデルからナンバリングが復活してて笑いました。
*6:ZBOX magnus oneは不意のブラックアウトと強制再起動に、Minisforum V3は外部ディスプレイ出力が不安定から一切不可になったことが原因です。
Minisforum UM773 Liteは小さいゆえか甲高いファンの音の大きさに嫌になっただけなので、一番丈夫な子です。
*7:本業の開発マシンとして一台貸与されて持っていますが、起動時は別部屋に隔離するレベルでファンの騒音が酷いし、自らの発する熱でディスプレイパネルが剥離して脱落するとかいう残念仕様で、自前で買う気なんて皆無になりました。
*8:ウインドウ切り替えなどにジェスチャー入力が便利でした。
*9:内蔵キーボードの上に外付けキーボードを置くスタイルのこと。

