こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

今回は私の設計した自作キーボードキット『ToSeventy』の組み立て手順書、ビルドガイドを書きたいと思います。
- はじめに
- ToSeventyシリーズについて
- Acid Caps LowProfileとは
- 購入先
- キットの中身を確認する
- キット外で必要なもの
- 必要工具
- 組み立て
- 基板端の捨て板を折り取る
- スイッチプレートを重ねる
- キースイッチを取り付ける
- ファームウェアを書き込む
- テストする
- スタビライザーを取り付ける
- スイッチプレートにスペーサーをネジ止めする(ケースレス)
- ボトムプレートの手前側をネジ止めする(ケースレス)
- ボトムプレートの奥側にチルトバーを置いてネジ止めする(ケースレス)
- ゴム足を貼る(ケースレス)
- キーキャップを取り付ける(ケースレス)
- フレームケースにスイッチプレートを置く(フレームケース)
- ボトムケースを組み立てる(フレームケース)
- ボトムケースをフレームケースに嵌めてネジ止めする(フレームケース)
- ボトムケースにゴム足を貼り付ける(フレームケース)
- キーキャップを取り付ける
- 完成!
- 使用上の注意
- 動かない時に
- ランキング参加中
- おわりに
はじめに
本キットをお買い上げ頂いた方、お買い上げありがとうございます。
拙い部分もあると思いますが一所懸命にガイドしますのでよろしくお願いします。
ToSeventyシリーズについて




皆さんは65%レイアウトって知っていますか?
数字列があって、カーソルキーがあって、エンターキーの右側に数キー分キーが追加されたレイアウトです。
このレイアウトはファンクションキーやカーソルキーの部分を削ぎ落とした60%に最低限の独立したカーソルキーを追加できるとして人気のあるレイアウトです。
私は60%よりも65%レイアウトが好きでよく使っていたのです
が、色々な人の声を聞いていくに従って、自分の理想とする65%レイアウトを夢想することが多くなりました。
「エンターキーの右にキーを配置して欲しくない」「カーソルキーを他のキーにくっつけて欲しくない」、確かにそうだと思いました。
そうして理想の65%レイアウトを突き詰めていった結果、出来たのがToSeventyです。
しかし、ToSeventyはキーキャップが特に問題でした。
日本語配列のキーキャップが無いのです。
GoFortyなどの40%サイズでは数字行がないので誤魔化せていた部分が、ToSeventyでは誤魔化せなくなるのです。
というわけで、ToSeventyの設計に入る前にキーキャップの設計に入る必要がありました。

その甲斐あってToSeventyの三種ともに満足の行く完成度でリリースすることが出来ました。
ToSeventyUSは市販のキーキャップでも十分に格好良く埋められるように設計しましたし、ToSeventyJPは私が理想とする日本語配列65%ですし、ToSeventyOrthoは真ん中にテンキーを入れても私が十分に使用可能なレイアウトにしました。

ケースデザインも私らしくシンプルに、しかし凝った造形を実現することが出来ました。
GoFortyだとキー数が少なくて不安という方は、是非ToSeventyをお試しください。
製品についてのお問い合わせは私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
Acid Caps LowProfileとは
60%以上のサイズのキーボードを設計するうえで、重要なのはキーキャップとスタビライザーです。
特に日本語対応のロープロファイルスイッチ対応の市販のキーキャップは、このAcid Caps LowProfileが出る前には存在していませんでした。
この状況では60%以上のキーボードをリリースすることが出来ないと思ったので、金型から新しく作りました。
詳しくはこちらの記事を読んでいただけますと嬉しいです。
salicylic-acid3.hatenablog.com
購入先
キットの中身を確認する
以下は本キットの内容です。
内容物一覧
| 品目 | 数量 |
| 基板 | 1 |
| スタビライザー |
Ortho:0 JP:2u×3 US:2u×3、6.25u×1 |
| スイッチプレート | 1 |
| ボトムプレート | 1 |
| チルトバー | 1 |
| M3スペーサー | 5 |
| M3ネジ(4mm) | 8 |
| M3ネジ(12mm) | 2 |
| ゴム足 | 6 |
万が一部品が不足している場合、お手数ですが以下の方法でご連絡ください。
購入先が私のBoothショップの場合:Boothのメッセージをいただけましたらすぐに発送対応いたします。
基板



本ガイド内では『基板』と呼びます。
全ての部品がすでに実装されています。
ファームウェアは書き込まれておらず、ご自分で書き込んでいただく形式になっています。
スタビライザー


本ガイド内では『スタビライザー』と呼びます。
JPには2u*1用の短いスタビライザーが3つ、USは2u用が3つ、6.25u用の長いスタビライザーが1つ入っています。
Orthoには入っていません。
スイッチプレート



本ガイド内では『スイッチプレート』と呼びます。
スイッチを嵌めて使用します。
ボトムプレート

本ガイド内では『ボトムプレート』と呼びます。
キーボードの底になるプレートです。
チルトバー

本ガイド内では『チルトバー』と呼びます。
キーボードをチルトさせるためのバーです。
スペーサー

本ガイド内では『スペーサー』と呼びます。
スイッチプレートとボトムプレートの間に配置し、ネジ止めするのに必要です。
ネジ

本ガイド内では『ネジ』と呼びます。
プレートとプレートを締結するために使用します。
M3ネジ(4mm)が8個とM3ネジ(12mm)が2個入っていますので確認してください。
ゴム足

本ガイド内では『ゴム足』と呼びます。
もしゴム足の粘着力が低くなって剥がれた場合はAmazonで同じものを購入することができます。
同梱しているものは6mm×2mmのものです。
フレームケースオプションの内容物一覧

| 品目 | 数量 |
| フレームケース | 1 |
| ボトムケース | 一式 |
| M3ネジ(10mm) | 5 |
| ゴム足 | 6 |
万が一部品が不足している場合、お手数ですが以下の方法でご連絡ください。
購入先が私のBoothショップの場合:Boothのメッセージをいただけましたらすぐに発送対応いたします。
フレームケース

本ガイド内では『フレームケース』と呼びます。
アルミブロックから削り出して製造しています。
ボトムケース

本ガイド内では『ボトムケース』と呼びます。
私の家の3Dプリントを使って製造されています。
ToSeventyは私の持っている3Dプリントでは一回では印刷しきれないので分割しています。
また、今回製造したフレームケースは標準のアクリルプレートが使用できないため、こちらのボトムケースを使用してください。
ネジ

本ガイド内では『ネジ』と呼びます。
ゴム足

ケースレスキットに付属するゴム足と同じものです。
キット外で必要なもの
一覧
| 品目 | 数量 |
| キースイッチ | 79 or 73 or 67 |
| キーキャップ | 79 or 73 or 67 |
| USBケーブル | 1 |
キースイッチ
本ガイド内では『キースイッチ』と呼びます。
ToSeventyシリーズはKailh社のChoc v2スイッチに対応しており、Orthoには79個、JPには73個、USには67個必要です。
打鍵音を気にせずタイピングできる場合はWhite Rainスイッチを、打鍵音が気になる場合はDeep Sea Silent Islet Switchを選択することをオススメします。
私はこの2つのキースイッチがとても気に入っています。
Kailh Choc v2 White Rain Switchkeeb-on.com
Kailh Choc v2 Deep Sea Silent Islet Switchkeeb-on.com
上記のKailh Choc v2 Deep Sea Silent Islet Switch以外のChoc v2サイレントスイッチは推奨していませんが、一部のキーでピンを切り落とすことで使用可能になります。
キーキャップ
本ガイド内では『キーキャップ』と呼びます。
WzTwentyはCherryMX用のキーキャップをつけることはできますが、打鍵時にスイッチプレートまたはスイッチに衝突してしまう場合があります。
少なくともAcid CapsおよびGMKはスイッチに衝突してしまうように見えます。
衝突しても使えないことは有りませんが、打鍵感は悪くなってしまいます。
私の一番のオススメは私自身が設計したAcid Caps LowProfileです。
ToSeventy Ortho以外を使用している方は、余っているコンベックスキーを使って十分埋めることができます。
salicylic-acid3.hatenablog.com
次点でオススメなのはXVX Low Profileキーキャップです。
刻印は一致しませんが安いですし、ロープロファイルスイッチ採用と相まってキーボード全体を薄く仕上げることができます。
※XVXキーキャップはロープロファイルのものとそうでないものがありますので、間違えないようにご注意ください。
※YMDKのキーキャップはDeap Sea Silent Switch以外では干渉してスムーズに動かないので注意してください。
USBケーブル
本ガイド内では『USBケーブル』と呼びます。
WzTwentyとPCとをつなぐために必要です。
USB Type-Cコネクタがついているものを選択してください。
必要工具
本キットの組み立てにハンダごては不要で、ドライバーさえあればOKです。
スイッチの取り外し用の工具があればモアベターです。
組み立て
いよいよ組み立てです。
まとまった時間は用意できましたか?
ゆっくりやっていきましょう。
基板端の捨て板を折り取る
基板の上下に付いている捨て板*2を折り取ります。

折りづらい場合はラジオペンチなどを使用してください。
割と力を込める必要があります。
スイッチプレートを重ねる
スイッチ穴がプレートフォームの穴に合うように重ねます。

キースイッチを取り付ける
基板のスイッチ穴の向きに気をつけながらスイッチを取り付けます。
スイッチプレートの製造誤差により、穴がタイトになっている場合がありますが、奥までキッチリ差し込み、スイッチプレートに密着させます。

このとき、スイッチの端子が曲がっていないことと、差し込むスイッチの端子と基板のソケット端子の位置と合っていることを確認してください。
スイッチの端子が曲がっていたりする場合は指でまっすぐに直してください。

まっすぐに直せなかったスイッチは使用しないでください。
注意:3ピンあるスイッチの場合
Choc v2スイッチには3ピンのものが存在します。
Choc v2のRed、Brown、Blue、Silentなどです。
この3本目のピンは特に電気的な役割を持っておらず固定用の物となっているため、取り付けに際して干渉する場合は切り取ってから取り付けてください。


ファームウェアを書き込む
まずはキーボードの状態が正常か確認し、ファームウェアを書き込みましょう。
USBケーブルでPCに接続し、リムーバブルメディアとして認識するか確認してください。
Remapのページからファームウェア(拡張子がuf2のファイル)をダウンロードし、リムーバブルメディアにペーストしてファームウェアを書き込んでください。
macOSやWindowsを使い分け、違うキーマップを適用したい場合はmulti-OSを、そうでないならdefaultを使用してください。
ファームウェアを書き込んだら、RemapにChromeブラウザで接続し、認識することを確認します。
ファームウェアの書き込みのために、基板のUSBコネクタを使用してPCに接続してください。
「RPI-RP2」というストレージとして認識されるので、以下のファイルをダウンロードしてドラッグ・アンド・ドロップで書き込みをしてください。
書き込みが完了するとストレージは自動的に切断され、キーボードとして認識され直します。
Vial対応ファームウェア
Vial対応ファームウェア(Default及びMulti OS)も作りました。
TapDanceやCombo機能を使用したい方はVialを使用してみてください。
| キーボード名 | デフォルト | マルチOS |
| ToSeventy Ortho | DL | DL |
| ToSeventy JP | DL | DL |
| ToSeventy US | DL | DL |
テストする
スイッチが取り付けられたら再度PCにつなぎ、反応するかテストして下さい。
入力テストにはRemapのテストモードなどが便利です。
salicylic-acid3.hatenablog.com
※2026年5月23日追記
現在テストマトリクスモードが使用できないようです。
手間ですが、テキストエディタ等でチェックしてください。
スタビライザーを取り付ける
※Orthoにはスタビライザーの取り付けは不要です。


上の写真の容量でスタビライザーを取り付けます。
正常に取り付けられるとパチンという音がします。

スイッチプレートにスペーサーをネジ止めする(ケースレス)


スイッチプレートの裏側にスペーサーを置き、スイッチプレートの表側から4mmのネジでネジ止めします。
ボトムプレートの手前側をネジ止めする(ケースレス)

ボトムプレートの手前側を4mmネジでネジ止めします。
ボトムプレートの奥側にチルトバーを置いてネジ止めする(ケースレス)


ボトムプレートの奥側を12mmネジでネジ止めします。
ゴム足を貼る(ケースレス)

ボトムプレートとチルトバーの四隅と中央部分にゴム足を貼り付けます。
キーキャップを取り付ける(ケースレス)



フレームケースにスイッチプレートを置く(フレームケース)

FrameケースのUSBコネクタ用切り欠きに、基板のUSBコネクタを合わせて置きます。
ボトムケースを組み立てる(フレームケース)


ボトムケースのロゴが合うように左右を組み合わせ、ロゴプレートを押し込みます。
しなるのが気になる方はつなぎ目をテープ等で補強してください。
ボトムケースをフレームケースに嵌めてネジ止めする(フレームケース)
ボトムケースのUSBコネクタ用の切り欠きに、基板のUSBコネクタを合わせて嵌めます。

繋ぎ目部分の強度確保のため、タイトに作ってあります。
奥まで押し込んでください。
ボトムケースの四隅のネジ穴にネジを挿入し、10mmネジでネジ止めします。


ボトムケースにゴム足を貼り付ける(フレームケース)
ボトムケースの裏の凹みにゴム足を貼り付けます。

キーキャップを取り付ける



完成!
お疲れ様でした!
達成感とともに、ゆっくりと自作キーボード温泉に浸かってください。

使用上の注意
- USBケーブルの抜き差し時にUSBコネクタを剥がさないように、力加減に十分注意して下さい。
動かない時に
以下のサイトがトラブルシューティングについて網羅していますので参考にしてください。
ランキング参加中
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おわりに
ビルドガイドはいかがでしたでしょうか。
分かりやすかったでしょうか。
なるべく組み立てやすい様に設計したつもりですが、なにかわからないことが有れば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
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本記事はClickBoard Ortho Proto3 + テントベースで書きました。








