こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

今回は私の設計した自作キーボードキット『BeThirtyケースレス』の組み立て手順書、ビルドガイドを書きたいと思います。
- はじめに
- 前置き
- GoFortyコンセプトとは
- キットの中身を確認する
- (オプション)3Dプリントケース
- キット外で必要なもの
- 必要工具
- 組み立て
- 使用上の注意
- 動かない時に
- ランキング参加中
- おわりに
はじめに
本キットをお買い上げ頂いた方、お買い上げありがとうございます。
拙い部分もあると思いますが一所懸命にガイドしますのでよろしくお願いします。
前置き
本キットGoFortyシリーズの横幅を3キー分(約57mm)縮めた30%サイズとして再設計したキーボードキットです。
数字キーが無いGoFortyシリーズから左右端のモディファイアキー*1を更に削った玄人向けのキーボードです。
30%サイズのキーボードは一見してキーボードに見えないほどコンパクトで可愛く見えます。
アルミ削り出しケースも好調なので、ついに最初期から用意していたデフォルト構成のケースレスを販売することができるようになりました。(なおR36Beケースレスは未定な模様…)
最初に頒布していた3Dプリントケースはデータ公開していますし、3Dプリント用ケースに必要なネジ類は付属しているので、ぜひこのケースレスセットと組み合わせて利用していただけると嬉しいです。
製品についてのお問い合わせは私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com

GoFortyコンセプトとは
BeThirtyはGoFortyコンセプトの派生プロジェクトです。
GoFortyコンセプトは私の「40%キーボードを楽しもう」というGoFortyコンセプトに基づいて設計されました。
salicylic-acid3.hatenablog.com
キットの中身を確認する
以下は本キットの内容です。
内容物一覧
| 品目 | 数量 |
| 基板 | 1式 |
| スイッチプレート | 1 |
| プレートフォーム | 1 |
| ボトムプレート | 1 |
| チルトバー | 1 |
| フォームシール | 8+ |
| M3ネジ(3mm) | 6+ |
| M3ネジ(12mm) | 2 |
| M3スペーサー | 4 |
| M2ネジ(9mm) | 4+ |
| M2ナット | 4+ |
| ゴム足 | 4 |
万が一部品が不足している場合、お手数ですが以下の方法でご連絡ください。
購入先が私のBoothショップの場合:Boothのメッセージをいただけましたらすぐに発送対応いたします。
購入先が私のKeeb-On!ショップの場合:Keeb-On!サイトのお問い合わせフォームよりお問い合わせをいただけましたらすぐに発送対応いたします。
基板

本ガイド内では『基板』と呼びます。
全ての部品がすでに実装され、ファームウェアが書き込まれています。
ファームウェアはVial対応のものが書き込まれています。
スイッチプレート

本ガイド内では『スイッチプレート』と呼びます。
スイッチを嵌めて使用します。
プレートフォーム

スイッチプレートと基板の間に挟むスポンジフォームです。
本ガイド内では『プレートフォーム』と呼びます。
薄いながらもスイッチプレートと基板を密着させ、打鍵感を向上させます。
ボトムプレート

本ガイド内では『ボトムプレート』と呼びます。
このプレートがキーボードの底面になります。
チルトバー

本ガイド内では『チルトバー』と呼びます。
この8mmのバーがキーボードを打鍵しやすい角度に傾斜させてくれます。
フォームシール

本ガイド内では『フォームシール』と呼びます。
3Dプリントケース用、またはPCB裏面に貼り付けて使用します。
合計8個以上入っています。
M3ネジ


本ガイド内では『M3ネジ』と呼びます。
プレート各種をネジ止めするのに必要です。
M3ネジ(4mm)が6個以上、M3ネジ(12mm)が2個入っていますので確認してください。
M3スペーサー

本ガイド内では『スペーサー』と呼びます。
スイッチプレートとボトムプレートの間に配置し、ネジ止めするのに必要です。
M2ネジ(9mm)

本ガイド内では『M2ネジ』と呼びます。
M3ネジと比較して細いネジです。
3Dプリントケースの両側からネジ止めする際に使用します。
M2ナット

本ガイド内では『ナット』と呼びます。
3Dプリントケースのボトムケースに埋め込みネジ止めするために使用します。
ゴム足

本ガイド内では『ゴム足』と呼びます。
もしゴム足の粘着力が低くなって剥がれた場合はAmazonで同じものを購入することができます。
同梱しているものは6mm×2mmのものです。
(オプション)3Dプリントケース
こちらに公開しています。
こちらのサイトからダウンロードしてJLCPCBの3Dプリントサービスを利用して製造することもできます。
salicylic-acid3.hatenablog.com
キット外で必要なもの
一覧
| 品目 | 数量 |
| キースイッチ | 39 |
| キーキャップ | 39 |
| USBケーブル | 1 |
キースイッチ
本ガイド内では『キースイッチ』と呼びます。
O39BeはKailh社のChoc v2スイッチに対応しています。
O39Beは39個必要です。
打鍵音を気にせずタイピングできる場合はWhite Rainスイッチを、打鍵音が気になる場合はDeep Sea Silent Islet Switchを選択することをオススメします。
私はこの2つのキースイッチがとても気に入っています。
Kailh Choc v2 White Rain Switchkeeb-on.com
Kailh Choc v2 Deep Sea Silent Islet Switchkeeb-on.com
上記のKailh Choc v2 Deep Sea Silent Islet Switch以外のChoc v2サイレントスイッチは推奨していませんが、一部のキーでピンを切り落とすことで使用可能になります。
キーキャップ
本ガイド内では『キーキャップ』と呼びます。
O39BeはCherryMX用のキーキャップをつけることはできますが、打鍵時にスイッチプレートまたはスイッチに衝突してしまう場合があります。
少なくともAcid CapsおよびGMKはスイッチに衝突してしまうように見えます。
衝突しても使えないことは有りませんが、打鍵感は悪くなってしまいます。
私のオススメはXVX Low Profileキーキャップです。
刻印は一致しませんが安いですし、ロープロファイルスイッチ採用と相まってキーボード全体を薄く仕上げることができます。
※XVXキーキャップはロープロファイルのものとそうでないものがありますので、間違えないようにご注意ください。
※YMDKのキーキャップはDeap Sea Silent Switch以外では干渉してスムーズに動かないので注意してください。
USBケーブル
本ガイド内では『USBケーブル』と呼びます。
O39Be及びR36BeとPCとをつなぐために必要です。
USB Type-Cコネクタがついているものを選択してください。
必要工具
本キットの組み立てにハンダごては不要なので、ドライバーだけ用意してください。
ベッセル(VESSEL) クッショングリップドライバー 〈細軸タイプ〉 +0×75 610
基板端を塗れるマジックペンも有ったほうが見た目が良くなります。
ゼブラ 油性ペン ハイマッキー 黒 3本 P-MO-150-MC-BK3 Japan
組み立て
いよいよ組み立てです。
まとまった時間は用意できましたか?
ゆっくりやっていきましょう。
(オプション)基板のヤスリがけ
特にケースレスで使い続ける場合、製造過程でついた基板端がギザギザしている部分をヤスリで削り落とすと使用感が良くなります。
※3Dプリントケースを使用する場合は見えないのでやらなくても気になりません。


(オプション)スイッチプレート及び基板の断面をサインペンで塗る
スイッチプレートと基板の側面は白っぽくなっていると思います。
特にケースレスで使い続ける場合、その断面をぐるっと一周サインペンの太い方で黒く塗っておきましょう。
この一手間が出来上がりの質感を上げますので是非やってください。


(画像はJ67Gのもの)

プレートフォームを基板に敷く
プレートフォームを基板に敷きます。
スイッチ穴と基板のスイッチの取り付け部品の位置が合っていることを確認してください。

スイッチプレートを重ねる
スイッチ穴がプレートフォームの穴に合うように重ねます。
O39Beの場合、裏返しても取り付けられるので注意が必要です。
裏側には表面の模様がなく、プレートの左右端にBeThirtyアルミケース取付時に貼り付けるフォームシールの形が印刷されています。

キースイッチを取り付ける
スイッチを取り付けます。

スイッチプレートの製造誤差により、穴がタイトになっている場合がありますが、奥までキッチリ差し込み、スイッチプレートに密着させます。

このとき、スイッチの端子が曲がっていないことと、差し込むスイッチの端子と基板のソケット端子の位置と合っていることを確認してください。
スイッチの端子が曲がっていたりする場合は指でまっすぐに治してください。
まっすぐに治せなかったスイッチは使用しないでください。
注意:3ピンあるスイッチの場合
Choc v2スイッチには3ピンのものが存在します。
Choc v2のRed、Brown、Blue、Silentなどです。
この3本目のピンは特に電気的な役割を持っておらず固定用の物となっているため、取り付けに際して干渉する場合は切り取ってから取り付けてください。



テストする
スイッチが取り付けられたらPCにつなぎ、反応するかテストして下さい。
テストにはVialのテストモードを使用してください。
※BeThirtyはVialファームウェアが標準導入されているため、Remapでは使用できません。
salicylic-acid3.hatenablog.com

(オプション)基板にフォームシールを貼り付ける
強く打鍵する方は底打ち時の音を低減することができるので、本工程をやってみてもいいと思います。
基板裏の中央部付近にフォームシールを貼り付けます。

(オプション)3Dプリントケースを使用する場合
以下のビルドガイドを参照してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
スイッチプレートにスペーサーをネジ止めする
スイッチプレートにスペーサーを4mmのネジでネジ止めします。

ボトムプレート、チルトバーの保護フィルムを剥がす
ボトムケースとチルトバーの保護フィルムを忘れずに剥がします。


ボトムプレート、チルトバーをネジ止めする
ボトムプレートの切り欠きを基板のUSBコネクタに合わせ、ボトムプレートの手前側(下写真下側)を4mmのネジでネジ止めします。

ボトムプレートの奥側に、チルトバーとボトムプレートを一緒に12mmのネジでネジ止めします。

ゴム足を貼り付ける
ボトムプレートに彫り込まれた円形の部分にゴム足を6個貼り付けます。

Tips:ゴム足がグリップしない場合
もし、ゴム足が剥がれるのがストレスだったり、グリップ力が足りないとお思いの方は以下のような滑り止めをネジからプレート前面部分にかけて貼り付けることで、より強力にグリップさせることが出来ます。

またこの滑り止めは色々なケースにも有効なので、グリップしないとお悩みの方はぜひご利用ください。
キーキャップを取り付ける
自分の求めるキーマップに応じた配置でキーキャップを取り付けます。

完成!
お疲れ様でした!
達成感とともに、ゆっくりと自作キーボード温泉に浸かってください。




使用上の注意
- USBケーブルの抜き差し時にUSBコネクタを剥がさないように、力加減に十分注意して下さい。
動かない時に
以下のサイトがトラブルシューティングについて網羅していますので参考にしてください。
ランキング参加中
面白かったり、期待していただけましたらポチッとお願いします!
おわりに
ビルドガイドはいかがでしたでしょうか。
分かりやすかったでしょうか。
なるべく組み立てやすい様に設計したつもりですが、なにかわからないことが有れば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
本記事はClickBoard Ortho Proto3 + バウンスベースで書きました。









