自作キーボード温泉街の歩き方

自作キーボードの世界は温泉に例えられます。自作キーボードの温泉街の楽しい歩き方を紹介します。

スマートなハンダごてPinecilのレビューをするよ!

こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

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今回は私の新装備であるハンダごて「Pinecil」の自慢をしたいと思います。

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初心者ほどハンダごてに拘ったほうがいい理由

この記事はハンダごての記事です。

最近はハンダごてを使わない自作キーボードも増えてきましたが、組み立てにハンダごてが必要なキットも多く存在します。

「ハンダ付けには自信がない」という方も多く見かけますが、初心者ほどハンダごてに拘ったほうが組み立てが楽にできます。

ハンダごてが安い粗悪品だと「温度調節ができなかったり」「温度調節しても実際の温度が違ったり」します。

温度が高すぎても低すぎてもうまくハンダは付いてくれません。

ハンダ付けに温度はとても重要なので、初心者の方ほどちゃんとしたハンダごてを購入されることをオススメしています。

写真で見るPinecil

語る点は色々ありますが、まずは軽く写真を見てください。

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凄くコンパクトな上、ケーブルが着脱可能なハンダごてなのです。

(紛らわしいですが、ワイヤレスじゃないです)

でも、特徴はそれだけではなく、RISC-Vが動くマイコンを搭載したことで様々な動作を設定できる「スマートな」ハンダごてなのです。

Pinecilの特徴まとめ

数多くの特徴があるので箇条書きにまとめます。

  • 細くコンパクトなボディ
  • USB-Cケーブル(orACアダプタ)による電源ケーブルの着脱が可能
  • USB接続でもPD対応により瞬時に加熱が可能
  • OLED画面に温度や設定が分かりやすく表示
  • 手に持つ動作でスリープ解除等の細かい設定が可能
  • TS100と互換性のあるこて先
  • 回路図もファームウェアオープンソースな設計

それぞれ順に説明していきます。

細くコンパクトなボディ

私が今まで愛用していたHAKKO FX600と比較すると、ものすごく細く小さく感じます。

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握るポイントがやや遠くなったように見えますが、実際はちょっとだけ近くなっているので、細かい作業も問題なく行えます。

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FX600より細くコンパクトなボディですが、FX600用のコテ台はそのまま使用できました。

奥まで入りすぎず、抜くときも引っかからずいい感じに使用できます。

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USB-Cケーブル(orACアダプタ)による電源ケーブルの着脱が可能

これ、凄く助かります。

今までFX600を収納していた場所に電源コードを押し込むのが面倒ですし、たまにコンセントプラグが落ちてきてイライラしてました。

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PinecilはUSB-Cコネクタを取り外せるので収納がめちゃくちゃ簡単にシンプルになりました。

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USB接続でもPD対応により瞬時に加熱が可能

USB-CのPD対応で、60Wまで対応しているので短時間でハンダ付けできる温度まで加熱できます。

私は65Wまで供給できる電源アダプタを用意しましたが、実際やってみると(設定温度の問題か個体差かは分かりませんが)45Wまでしか使用できないようです。

それでも320℃まで約10秒で加熱できます。

OLED画面に温度や設定が分かりやすく表示

現在の温度と消費電力が手元に表示されます。

温度校正はされていないのでどのくらい信用できるかはわかりませんが、素早く温度が上がっていく様をみるとちょっと楽しくなりますね。

アップデータで日本語版のファームウェアを入れることでOLEDの表示を日本語化することができます。

github.com

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凄く紛らわしいけど、2022年4月6日のWindows向けの最新版はこれです

結構簡単な操作でアップデートできるので、最初にアップデートしておくことをオススメします。

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-ボタンを押しながらUSBを挿して「日本語」を選ぶだけ

手に持つ動作でスリープ解除等の細かい設定が可能

自動スリープ機能と自動電源オフ機能が搭載されており、コテ台などに置いたまま設定時間が経過するとスリープモードに移行し、更に時間が経過すると電源がオフになります。

スリープ中にコテを手に持つと自動でスリープが解除され、すぐに加熱が再開されます。

このような機能を使うことで電源オフを忘れてしまってコテ先が酸化してしてしまうことを防げます。

TS100と互換性のあるコテ先

コテ先はTS100というハンダごてのコテ先が使用できます。

FX600にもあった円筒形を切り取ったような形状(T18-C2)のコテ先も用意されています。

ちなみに私はこちらの4本セットを購入しました。

pine64.com

こちらのFineセットにはT18-C2に似たコテ先が含まれています。

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回路図もファームウェアオープンソースな設計

以下のWikiに回路図や基板の設計情報などが全て公開されています。

wiki.pine64.org

ファームウェアはこちらです。

github.com

残念な点

コテ先にガタがある(らしい)

コテ先を固定するのは1本のネジなのですが、どうしてもガタが発生してしまうようです。

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このネジ一本で固定する

私のハンダごては個体差なのかわかりませんが、ガタは発生していません。

このガタは結構気になる人は気になると思います。

60W対応だが45Wまでしか対応していない?

これは私の購入したものの個体差かもしれませんが、45Wしか出ていないようです。

もう少し色々やってみて、最終的に購入元に問い合わせてみたいとは思っています。

まあ45Wのままでも十分使いやすいですし、60Wはオーバースペックのような気もするんですけどね。

最終的に購入したもの

pine64.com

pine64.com

pine64.com

ついでに色々買ってしまいましたが、本体だけで良かったかなと思っています。

コテ先もTS100の互換のもので十分ですし、コテ台も専用のものではなくAmazonでも売っている汎用品のようです。

USB-CのPD接続で60Wまで対応していると書いてあったので65Wの充電器を購入しましたが、実際は45Wまでしか使えなかったので、もう少し安いものでいいと思います。

ケーブルももう少し細くて使いやすいもののほうが良かったかなと思っています。

どのくらい温度センサーが正しい数値を示しているのか図るために買ってみました。

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温度測定の結果(両方とも320℃設定)
左がFX600、右がPinecil
FX600は校正せずに3年半も使っているので誤差が出たと思われる

基準となる物がないのであくまで感覚ですが、そんなに誤差があるわけではないように思えます。

おわりに

My new gear...をしてしまったので勢いで書きました。

FX600への不満から購入しましたが、使った総額を見るとFX600のコスパの良さが異常のような気もします。

初心者の方からオススメのハンダごてを聞かれたら、ちょっと迷いますがやはりFX600を勧めると思います。

(比較したら)安いですし、簡単ですし、頑丈そうですし。

この記事が購入検討の一助になってくれれば幸いです。

本記事に対して問い合わせ等あれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

この記事はNaked64SF v3 Proto3で書きました。