自作キーボード温泉街の歩き方

自作キーボードの世界は温泉に例えられます。自作キーボードの温泉街の楽しい歩き方を紹介します。

大理石っぽいボトムが特徴なテンキーレスキーボード「Crush 80」を紹介するよ!

こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

今回は株式会社KIBU様より依頼を受け、「Crush 80」を紹介する記事を書きます。

前回のRainy75はものすごい人気になりましたから、今回も楽しみですね。

はじめに

今回も依頼いただいた株式会社KIBU様からは内容の指定は有りませんでした*1ので、ちょっと気になった内容もそのまま書きたいと思います。

ざっくりまとめるCrush 80の感想

  • Rainy75と同様、打鍵感、打鍵音は箱出しで既に素晴らしい
  • 見た目もシンプルにまとまっており、大理石のようにも見えるボトムの装飾も超キレイ
  • 個人的にはRainy75よりもデザインがシンプルで飽きのこない感じで好み
  • キーキャップと合わせたケース展開で色々好みに合わせられて良い
  • キーキャップの出来は良好
  • 磁力でもなく、機械的な仕組みでドライバーレスでケースを開閉できる仕組みは、まあうん、良いといえば良いが、要るのか?
  • でもボトム裏にドングルを仕込む仕組みは、うん、まあ、要るのかなあ?
  • 無線接続はやっぱり便利
  • やっぱり最下段のキーがやや高めなのでパームレストが欲しい
  • 日本語配列用のプレートが別売りで存在するというが、これは日本語配列ではないし、UK(ISO)ともちょっと違う。
  • 地味だけどバッグ付属は嬉しい、が、なぜ持ち手がないのか

やっぱり書いていて結構ドキドキしています。

まずは開封の儀からざっくり見ていく

Rainy75と違い、化粧箱を廃してキャリングバックのみのスタイル。

化粧箱は化粧箱でワクワクして良いんですが、化粧箱って箱としての役割よりも傷つかないほうが大事に思えちゃうし、かといって本当に使いだしたら廃棄される運命なんで、こちらのほうが嬉しいですね。

個人的に凝った化粧箱は捨てづらいし、仕舞っておく言い訳になっちゃうので…。

ただこのバッグ、持ち手が無いんですよね。

どうやって使う想定なんでしょう。

というわけで開けるとRainy75でも見たクイックスタートガイドと付属品を入れるポケット。

バッグ内のフラップの端面もバイピングされており、細かい縫製もしっかりしています。

フラップをめくると、スイッチプレートらしきものと重そうな包みが登場。

スイッチプレートが入っていたので、あれ?これ組み立てキットだったっけ?とちょっと不安になりました。

包みをほどいて本体を取り出してみました。

なんかフォームっぽいものとキーボード本体が登場。

ちゃんと組み立てられてる!と少し安心。

しかし、このスイッチプレートとフォームってなんだろう。

レビュー者向けサービスですかね?

それはそれとして本体。

好きな配色である黒いケースと黒地に赤印字のキーキャップを選択させていただきました。

シンプルに格好いいですね。

右側には心電図の折れ線のようなロゴが彫り込まれて半透明パーツが付いていて格好いいです。

裏返すとこんな感じ。

なんか透明フィルムっぽいものが付いているので躊躇なく剥がします。

こういうの剥がすの好きなんですよね。

見てください、ウェイトはなんとなく大理石っぽくて格好いいですよね。

なんか色々調べたのですが、公式的には「埋め込まれた輝くプラーク(Glittering embedded plaque variants in the backweight)」らしいんですが、プラークって言われると歯ブラシのCMを思い出してなんとなく汚いイメージ持っちゃうの私だけですか?

というわけでブログタイトルには公式で言及していない「大理石っぽい~~」とさせていただきました。

 

さて、実際に弄る前に付属品も確認しましょう。

小袋に色々印刷してくれているの非常にわかりやすくていいですね。

こういう工夫がクオリティって感じなんですよね。

カードと説明書。

説明書はもちろん日本語。

ハードル低くて良いですね。

機能も豊富なようです。

予備のスイッチ。

これはKailh Cocoa Switchと言うらしいです。

でもどっちかって言うとコーヒーと言うか、カフェラテっぽい気がします。

動画で見てみる

今回は紹介動画も作ってみました。

合成音声ですが、ナレーションも入れてみましたのでぜひ見てみてください。

youtu.be

打鍵感と打鍵音

Rainy75と同じく箱出しで既に素晴らしい打鍵感と打鍵音です。

とはいえ、この2つの観点は個人の感性に大きく依存しているので、私が良いと言っても読者が良いと思うとは限りません。

なので動画で見てもらおうと思います。

youtu.be

この動画の後半が打鍵テストになっています。

柔らかい打鍵感で音も感触も均一に感じます。

PBTキーキャップの触り心地も上々です。

打鍵音は少し高めの音で心地いいくらいの響きですね。

私はもう少し低めの打鍵音が好きですが、嫌な感じは全くしません。

見た目の感想

前のRainy75は角が少し丸っこく、高級感よりも可愛さ寄りなのかなという感想でした。

正直私は可愛さよりも角張った格好良さに惹かれるので、丸っこいシルエットやカーソルキー上にあった雲のロゴは好きじゃなかったです。

Crush 80は心電図のようなロゴとなっており、LEDの光を透過するようになっています。

シンプルかつ光るので、これは結構私の好みでした。

 

Rainy75のレビューでも触れましたが、私は使用時に見えなくなるボトムデザインに凝るよりも見えるところに凝ってほしいと思っています。

Crush 80は大理石っぽいウェイトを採用しているので「うーん」と思ったのですが、ウェイトをはめ込むフレームっぽいところがシルバーになっており、サイドビューに変化が生まれています。

これは見えるところと言えなくも有りません。

更にドングルを裏面中央のバッジ裏から取り出すので、大理石っぽいところも見える機会は多いと思います。

 

両脇にデスク面を光らせるLEDが装着されているのもいいですね。

こういう工夫はLofree Flowでも採用されていましたが、シンプルながらも格好いいと思います。

 

シンプルながらも細部に見どころがあり、私の好みの見た目であるというのが私の感想です。

ただまあ、実機をパッと見てすぐに分かるのですが、やっぱキーボード前面は高めですね。

そもそも全体的にキーボードが分厚いように思えます。

やっぱりパームレストは有ったほうが良いのでしょうね。

横幅は360mmくらいがちょうど良いようです。

私の手元のパームレストだと高さもピッタリで少し驚きました。

このパームレストは手触りもいいのでオススメです。

キーマップ変更

さて実際にキーボードを使う前にキーマップ変更ツールであるVIAでカスタマイズしようと思います。

Crush80はVIAというキーリマップツールを使います。

VIAの使い方については手前味噌ですが、私の記事を参照していただければと思います。

salicylic-acid3.hatenablog.com

VIAを使用するためにはJSONファイルを読み込ませる必要があります。

JSONファイルはこちらのページ中頃の「Download: Crush 80 Reboot Pro JSON Config」にありますので、各自入手して使用してください。

www.wobkey.com

少しISOエンターキーの表示が化けていますが、まあ普通に変更できますね。

 

欲を言えばVIAのレイアウト機能を使えばいいのに、と思いました。

ちょっとごちゃごちゃして見えますしね。

無線接続機能

このCrush 80はRainy75と同じく3モードでPCに接続できるという大きな特徴があります。

USB有線、Bluetooth、2.4GHz無線の3つのモードです。

この3つのモードをキーで操作(Fnキーを押しながらTabキーを押す)することで切り替えることが出来ます。

これは私にとって無線機能は、かなり欲しい機能の一つです。

私は趣味と仕事を含めて4つくらいのPCを使用します。

他のPCを使用するときはキーボードのUSBケーブルを差し替えながら切り替えていきますが、抜き差しって結構面倒くさいんですよね。

なので無線機能を用いたPCの切り替えができると非常に便利です。

2.4GHz無線ドングルの隠し場所

真ん中のロゴ銘板っぽいものは、実は磁石でくっついており、指で外せます。

中にはドングルが入っていました。

磁石でくっついていたドングルにもロゴっぽいものが刻印されています。

ここにロゴがなくてのっぺりしていると途端に高級感なくなりますし、他のデバイスのドングルと混ざっちゃうので不便なんですよね。

ただ、このスペースからのドングルの取り出しに関しては非常に取り出しづらいので、頻繁に持ち歩くならドングルは別に保管して持ち歩いたほうが良いですね。

銘板も上の方に凹みが有って爪が引っ掛けられるようになっていますが、これも外しやすいとは言えません。

いつかボトムに銘板を落として傷をつける未来しか見えません。

まあ隠していたほうがオシャレという感じなんでしょう。

ドングルも取り出しにくいですし、たぶんここにドングルを入れて持ち運ぶことは滅多にない想定なんでしょうね。

個人的にはこのキーボードで2番目にBadなポイントです。

Bluetoothは3つまで接続可能

Goodポイントです。

最高ですね。

有線、Bluetooth×3、2.4GHz無線と5つのPC間をキー操作だけで切り替えることが出来ます。

接続先は1キーから4キーまでの間の点灯と色で知ることが出来ます。

4キーが白く光ったら有線モード、1~3キーならBluetoothモードの接続先1~3、4キーが緑色に光ったら2.4GHz無線モードと分かります。

残念ながら複数のPCに同時に同じキーコードを送るという使い方は出来ませんが、それでも十分に使い勝手がいいと思います。

有線モード、Bluetoothモード、2.4GHz無線モード

キーマップはすべて共通

これも不満点ではないのですが、3つのモード全てでキーマップは共通です。

意外だったのは、USB有線モードと2.4GHz無線モードの2つはPIDが違うのにキーマップが共用というところです。

何回もキーマップを変えなくてもいいというメリットがある反面、接続先ごとにキーマップを使い分けることは出来ません。

物理スイッチにアクセスし辛い

このキーボードの3番目のBadポイントです。

Rainy75と同様に無線用バッテリーの使用可否は物理スイッチで切り替えます。

そのスイッチの場所はCapsLockキーのキーキャップを外した下です。

Rainy75のときも書きましたが、私は電源オンオフはしっかりしたい派なのでちょっと使いづらい気がします。

20秒間操作しないと電源オフ(スリープ)となり、なにかキーを押さなければそのままなのでいいのですが、バッグなどに入れて持ち運ぶときはちょっと困ります。

だからBluetooth機器は使用時以外は電源オフにしたいんですよね。

バッテリー残容量が分かりづらい

まあこれはどっちでも良いですが、少し不便な点です。

このキーボードには液晶画面などは付いていません。

バッテリー残容量をどうやって知るのかというと、特定のキーを押すことで1キーから0キーまでのバックライトが点灯し、その点灯する数で残容量を知ることとなります。

左は充電中、右は7まで点灯しているため70%程度の残量表示だと思われる

それ自体は大した問題点ではないように思いますが、バッテリー容量を知るために能動的に確認しにいかなくてはいけないのは、正直ちょっと面倒くさく感じます。

なぜなら充電式のバッテリーの欠点として、充電が切れたら充電しないと使えません。

残容量を気にしてこまめに充電すれば良いのですが、それって有線と変わらなくないですか?と思ってしまうんですよね。

これは完全に好みだとは思いますが、外部バッテリー式(乾電池とかコイン電池とか)であれば交換したらすぐ使えますし、バッテリーの劣化とは無縁でいられます。

以上により、私は外部バッテリー式のほうが好きなんですよね。

まあ、Crush 80はRainy75と同じく450時間/900時間の使用ができるみたいなので、ほとんどの人には問題ないような気もします。

ラッチによるケース簡単分解機能

このCrush 80は戸棚に有るような物理的なラッチでトップケースとボトムケースを締結しています。

よって少し力を入れるだけでバチンと分解することができます。

この機能により、ユーザはより簡単に工具なしにカスタマイズすることができます、というのが売り文句です。

うーん、私はまあ、どうなんでしょうね、と思いました。

出先で分解しようと思うか?ゲーマーとかなら有ったりするのか?とか、色々考えちゃいました。

できないよりはできたほうが良いのかな?

私はこれがすごく欲しいという状況があまり思いつきませんでした。

でも機構としては面白いと思います。

やっぱここはケーブルではなくてポゴピン接続のほうが組みやすいよな、と妙に納得しました。

ボトムケースのバッテリーとUSBコネクタ部とポゴピンで接続する

基板のポゴピン部。マグネットでボトムケースのコネクタとくっつく。

日本語配列?UK(ISO)配列では?

最大のBadポイントです。

このレビューを引き受けるに当たり、最初はどうしようかなって迷ったのですが、特徴の一つに日本語配列対応とあったのでことでやろうと思ったんですよね。

ですが届いたプレートを見ると「日本語配列じゃなくない?」という感じになりました。

「おお、日本語配列!キーキャップ作るんですか?」→「え?キーキャップ作らない?マジすか、Acid Capsをアピールするしか無いじゃん!」→「え?プレート見ると日本語配列?UK(ISO)配列では??」ってなってションボリしました。

分かりますかね?

よく見ると左シフトが分割されていないので、UK(ISO)配列でも無いんですよ。

うーん。

正直「話が違う!」となりました。

このプレートを組み込む気にすらなりません。

まあ日本語キーボードを日常で使う人以外には分からないんだろうなあという諦念があります。

左が日本語配列、右がUK(ISO)配列

総評

色々書きましたが、日本語配列対応を謳わなければ良いキーボードです。

見た目も打鍵感も良いし、コスパも無線機能もいい。

Rainy75よりも少し大きいですが、正統進化していると思いました。

自作キーボード初心者から経験者まで、ぜひオススメしたいキーボードです。

ですが、日本語配列対応を謳うのだけはダメです

購入先

近日中にMakuakeで応援購入が開始されるようです。

応援購入が開始されましたらリンクをここに貼りたいと思います。

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おわりに

今回は日本語配列対応っていうから引き受けたので正直残念でしたが、まあ日本語配列対応なんてそんな扱いっすよね、分かってます。

作りは良いですし、打鍵感もいいです。

かなり安いですし、オススメの英語配列カスタムキーボードとして人に勧められるものだと思います。

 

本記事に対して問い合わせ等あれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

この記事はO51Go with GoFortyケースで書きました。

*1:時期の指定だけでした