自作キーボード温泉街へようこそ。
こんにちは。温泉プレゼンターのサリチル酸です。
今回は私が愛用しているCorne Cherryについてお話ししたいと思います。
ビルドログは他の人に任せるとして(写真撮ってない)、使った感想と移行コストについてをメインに書こうと思います。
Corneとは
@foostan様が制作された人気キーボードキットです。
githubでの名称はCorne(コルネ)からcr、keyboard(キーボード)からkbdでcrkbdです。
キーボードの形状がパンのコルネ(コロネ)に似ていることから命名された、と勝手に解釈していますが、違っていたらご指摘ください。
現状販売されているCorneは、その派生の一つである「Corne Cherry」です。
過去にはCorne Classicが販売されていましたが、現在はラインナップに有りません。
CherryとClassicの違いは以下の通りです。
・プレートがCherryはPCB、Classicはアクリル
・ダイオードがCherryは表面実装のみ、Classicはスルーホールが標準で表面実装も可
・選べるスイッチがCherryはmx互換のみ、Classicはmx互換に加えkailhロープロファイルも選択可
・ソケット化(組み立てた後にスイッチを交換できること)にCherryは標準対応、Classicは非対応(出来ないことはないです。どこかで解説します)
ざっとこんな感じです。
Classicに比べてCherryの方が薄く、頑丈に出来ています。
アクリルプレート、ロープロファイルスイッチにこだわりがなければ後発のCherryの方が使いやすいと思います。
Classicはアクリルの柔らかさからCherryと打ち心地に差があるようです。
私はClassicをイベントで触ったことがありますが、スイッチの大きな差の前にプレートの差は実感できませんでした。。
いくらしたのか
技術書典というイベントでマットブラック+ウルトラレッドの12,000円のセットを買いました。
今boothで販売されているキットと内容物が少し違い、マイコンやダイオードなどが入って、後はキースイッチとキーキャップ、ケーブル類を揃えればいいというキット内容でした。
※boothで販売しているキットにはダイオードなどの部品が必要です。
遊舎工房でCorne Cherry部品セットが売っているのでそれを買うと手っ取り早いです。
スイッチはGateronの静音赤軸と静音茶軸をチョイスしました。
CtrlやShiftなどの修飾キーと親指のキーは静音茶軸とすることで感触でわかるようにしました。
キーキャップはAmazonで気軽に買える物2,000円の赤いキーキャップと、1,610円の無刻印のキーキャップをチョイスしました。
ケーブル類はCorneは3極のTRSケーブルに対応しているのでセリアで100円のAUXリール式を購入しました。
USBケーブルもセリアでリール式を購入しました。
後はオプションだったLED70個とスプリングピンヘッダを4個購入しています。
品目 | 品名 | 単価 | 数量 | 値段 |
キット | Corne Cherryキット | 12,000 | 1 | 12,000 |
スイッチ |
Gateron Silent Red (10個) |
700 | 4 | 2,800 |
スイッチ |
Gateron Silent Brown (10個) |
700 | 1 | 700 |
キーキャップ | 刻印 | 2,000 | 1 | 2,000 |
キーキャップ | 無刻印 | 2,000 | 1 | 2,000 |
LED |
SK6812MINI (10個) |
378 | 7 | 2,646 |
ケーブル | TRSケーブル | 100 | 1 | 100 |
ケーブル | USBケーブル | 100 | 1 | 100 |
その他 | スプリングピンヘッダ | 220 | 4 | 880 |
合計 | 23,226 |
家人には見せられない数字になってしまった。。
なお、現在はイベントで購入したartisanキーキャップ(透明な拳とハンドスピナー)2つを追加し、4,000円が追加されています。
組立難易度
組立難易度はそれほど高いわけではないと思います。
難しいと言われる表面実装ダイオードも慣れればそんなに難しくなかったです。
ただしLEDを付けるとなると話は別で、その部分だけ難易度は鬼です。
特に基盤表面に取り付けるアンダーグロウLEDはキツいです。
私は20個以上LEDチップを壊しましたし、挫折しかけました。
でも全点灯したときの感動と満足感はひとしおなので、付ける人は心を強く持って臨んでください。
余裕大事なのでアニメでも見て癒されてください。
後以下の記事にめちゃくちゃ助けられました。
後はキースイッチをスイッチプレートにはめ込む際に力が結構必要でした。
これはマットブラック固有の問題みたいで、バイオレットと同寸なのにブラックのみで発生しているようです。
私もかなり力を込める必要がありました。
終わった時には親指の皮が固くなって、後日ペリっと剥がれたくらいです。
と記事を書いていたら対策品の配布があるみたいです。
Corne Cherryのマットブラックをご購入の方、プレート穴が若干小さい影響でスイッチをはめる際にかなり力を要するようになっている場合があるので、穴のサイズを調整したプレートをお送りさせて頂きます。お手数ですがTwitterもしくはDiscordでDMをして頂くか、メールを送って頂けると幸いです #crkbd
— コルネはパン (@foostan) November 26, 2018
まだ組み立てていない方、これからスイッチを組み替える方は是非連絡を。
使いやすさ
最初の三日間はぎこちない感じでしたが、それ以降はだいぶ打ちやすくなりました。
私は同時に職場のキーボードもCorne Cherryに揃えましたし、以前親指シフト配列にチャレンジしたことがあるので慣れるのは早かったと思います。
休み時間などにタイピングソフトをやりまくって、とにかく正しいホームポジションで使う感覚を覚えました。
タイピングソフトの成績は通常のキーボードの点数に遠く及びませんでしたが、疲労度は段違いでしたし、日を追うごとに点数の差は縮まっていきました。
キーマップさえ煮詰まれば、ちゃんと練習すれば一週間程度で慣れると思います。
一ヶ月たった今はCorneの方が速く打てます。
レイヤーを多用した配列は最初こそ慣れませんでしたが、テンキーレイヤは本当に使いやすいです。
また、カーソルキーをI,J,K,Lに置いているのですが、これが本当に使いやすい。
というか普通のキーボードはカーソルキーが遠すぎると感じるくらいです。
文字を打つタイピングだけでなく、パソコンと向き合うこと自体が楽になります。
数字キー列が無いことについては、個人的には全く困らないです。
手を浮かせて伸ばすよりレイヤーを動かしたほうが楽ですし、合理的かと思います。
独自に工夫した点
日本語配列への配慮
日本語配列に慣れきっていたので記号は数字のシフトで入力するのではなく、lowerレイヤーに配置しました。
しかし打てない記号もあるので未だ要改善の状態です。
キーボードを日本語で認識させるとQMKのキーマップと異なる記号が出力されるので探し出すのは苦労しました。
その以下のブログが公開されましたので、今はそれらをコピペさせてもらえればすんなり出来ると思います。
何かの参考になるかもしれませんので、私が使っているキーマップを公開します。
USBの右出し
USBを右出しにしました。
ProMicroは左右両方に付いているのですが、どの作例もUSBは左側から出しています。
しかし私が使うSurface Proは右側にUSB端子が付いているので、どうしても右側にしたかったのです。
単純にそのまま右側に繋ぐとキーマップが反転しました。
そこでキーマップを反転させて記載しました。
スマートではないのですが、これでかなり快適になりました。
とか書いていたら速攻で指摘ありました。
keymapのconfig.hで#define MASTER_LEFTとなってるのを#define MASTER_RIGHTにすれば右手出しできますね
— MC 英 (@hdbx) November 27, 2018
この温泉街、人情味に溢れすぎて泣きそうです。
というわけでコンフィグで右出しに変更できるみたいです。
「keymap.c」と同じディレクトリにある「config.h」の以下の部分のコメントアウトを付け替えてください。
キーボード移行時の細かい話
次は問題というほどではないのですが、使い始めるまで分からなかった点を書きます。
BとT問題
右手がBとTを探してOLEDのアクリル板を叩いたりしてしまうことが多々ありました。
焦ると今でもやってしまうことがあります。
電話しながら文字を入力しづらい
仕事では電話しながらの文字入力に迫られるときがあるのですが、分割型だと凄く忙しないことになりますし、シフトを押しながらの右側のキーの入力などは不可能です。
それはまぁ何とかなるので問題ないのですが、困ったのは電話しながら数字を入力したい時です。
数字キー列がなく、レイヤーに押し込んでいることに加えて左右の手を必要とする配置にしてしまいました。
※マップ参照
これは本当に困り、ヘッドセットの導入を検討しましたが、結局テンキーを間に置くことにしました。
ホームポジションの誤解
Corneは一つのキーだけ1.5u(小さい正方形のキーが1uで、その1.5倍の長さのキー)を使用できます。
私はこのキーがホームポジションだと思ってエンター、スペースとレイヤーキーをここに配置していましたが、何故か打ちづらい。
親指キーを押すとホームポジションを見失うのです。
そこでホームポジションに置いた時の手の形をよく見ると、親指のホームポジションは隣のキーでした。
デフォルトではここがレイヤーキーとなっていますので、やはり@foostan様もそう想定していたと思います。さすが!
1.5uのキー揃えにくすぎ
私が買った無刻印キーキャップフルセットに入ったいた1.5uキーは1個だけでした。
今は以下のマーケットにて作れます、がやはりそれなりに高価です。
私は打てないことはないので職場用の物は1uのキーを使っていますし、家のものは左右で違う大きさのものをはめています。
打ち間違えし辛い!というのは苦しい言い訳です。
1.5uを揃えることお小遣いには厳しいのです。。
キーキャップDSA買っちゃった
当時私はあまりプロファイル(キーキャップの形状)に詳しくなかったので、職場用の物はLEDも付けないし、値段と見た目の兼ね合いから以下のキーキャップを買いました。
事前にキーキャップのことを調べていた私は、何かSAという物がいいらしいと調べていました。
せや!DSAもSAのDやし同じやろ!理論から始まる些細な悲劇。
DSAは各列のキーキャップの形がすべて同じプロファイルです。
見た目は異質でかっこいいのですが、上の列が少し低く打ちづらく感じましたので奥側のゴム足を大きいものに変更しました。
おしゃれなキーキャップだからいいのです、と今は納得しています。
もう文字がかすれてきてしまいましたけど。。
ホームポジションから動かなさすぎ
ホームポジションから手首を本当に動かさなくなりました。
完全に引きこもり状態です。
その結果、押しづらいキーが出てきました。弊害というか嬉しい悲鳴というか微妙ですが。
q、p、t、y、-は稀に反応しないことがあります。
これはスイッチが壊れているわけではなく、反応点の2.2mmまで叩けていないのです。
小指のキーは指が短くて、人差し指のキーは斜め上に届かなくて、です。
あまり使わない;を記号レイヤーの彼方に追放し、ーを小指のホームに割り当てました。
届いていないキーはそこだけスピード軸に変更することを考えましたが、前述のスイッチはめ込みが硬すぎて、二の足を踏んでいるウチに慣れてしまいました。
普通のキーボードへの違和感
普通のキーボードが少し打ちづらくなりましたが、一文節書いたくらいですぐに普通に書けるようになります。
Corneに慣れた副作用としてホームポジションが凄い綺麗になり、それに伴って打ちづらくなります。
※書いていて違和感があるのですが「ちゃんとした姿勢」「ちゃんとした運指」なのに打ちづらいって本当に意味不明ですね。
特に左手で押すZキーとBキーがきついです。
OLEDにパスワード映っちゃう問題
OLEDはロゴが出たり、現在のレイヤーの情報が出たり凄くかっこいいのですが、機能的に必要なことはありません。
むしろログインした時のパスワードが映って「これセキュリティ的にアウトだよなあ」と思います。
打っているうちにすぐに表示は書き換わりますが、少しだけ不安になります。
また、退社するときにPCに繋ぎっぱなしで帰ると画面の焼き付きが不安です。
まあOLEDはオプションなので、不要なら付けなくてもいいのですけどね。
最新のファームウェアだと60秒で自動消灯するようになりました。
読ませていただきました。
— comaid (@com_aid) November 27, 2018
最新のqmkでは、oledはタイマーで消灯するようになってますよ。
まとめ
形がふつうのキーボードと大きく異なる以上、運用する上で違和感なく即使えるツールではないと再確認しました。
使いこなすためには多少の努力は必要でしたが、それは今までキーボードに合わせるばかりで、自分の動きたいように動けなかった指たちの準備体操だと思います。
それを通り過ぎた後、劇的に肩こりが軽減され、手首の痛みはなくなり、周りの目線が尊敬の眼差しに変わっていることに気づきました。
※決してやばいやつを見る視線ではない。
何よりも自分で何でも出来るという感触の方に感動を覚えます。
自分のことを知り、努力し、実現する。
普通の入力機器にない夢が有りました。
最後に
本記事があなたのキーボード選びの参考になりますように。
次回はKWSK DX Vol1 Colosseumのビルドガイドを書きたいと思います。
salicylic-acid3.hatenablog.com
本記事に対して問い合わせ等あれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
この記事はCorneで書きました。