自作キーボード温泉街の歩き方

自作キーボードの世界は温泉に例えられます。自作キーボードの温泉街の楽しい歩き方を紹介します。

自作キーボードキット『7sKB』(旧7sKB(Choc))ビルドガイド

こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

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今回は私の設計した自作キーボードキット『7sKB』(旧7sKB(Choc))の組み立て手順書、ビルドガイドを書きたいと思います。

2019/12/19 ネジ個数の間違いを訂正

2019/12/19 Rev1.1の情報を追加

2020/01/12 無刻印キーキャップの数を訂正

2020/01/28 BMPの環境構築と裏表の注意書きを追加

2020/04/05 Rev4の情報に統一

2020/10/25 Rev5の情報に更新

2021/03/10 Rev6の情報に更新

2023/06/10 Rev7の情報に更新

はじめに

キットをお買い上げ頂いた方、お買い上げありがとうございます。

拙い部分もあると思いますが一所懸命にガイドしますのでよろしくお願いします。

前置き

本キットは他のNakedシリーズとは全く別のコンセプトに基づいて設計されたキーボードです。

難易度はすでに発売しているNakedシリーズより上となっておりますので、より慎重にガイドをちゃんと読んで取り組んでください。

皆様も分からないところがあったら「やってから考える」のではなく、「先に」私まで問い合わせて、疑問を解消させてから取り組んでください。

製品についてのお問い合わせは私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

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※現在のバージョンはスイッチプレート右下のロゴは白塗りではなく、基板の凹凸で表現するように変更しています。

注意事項

本キットは自分でハンダ付けをして、自分で組み立てるキットです。

私が組み立ての代行を引き受けることはありませんのでご了承ください。

キットの中身を確認する

内容物一覧

※本キット内容はセカンドロットのものです。

品目 数量
基板 2
スイッチプレート 2
アッパーミドルプレート 2
ボトムプレート 2
アンダーミドルプレート 2
ダイオード 63+
LED(SK6812MINI-E) 2
スタビライザー(2U) 3
TRRSコネクタ 2
タクトスイッチ 2
スペーサー(4.5mm) 14
ネジ(10mm) 5
ネジ(3.5mm) 23
ゴム足 8
ProMicro 2
コンスルー2.5mm 12p 4

万が一部品が足らない場合、お手数ですが以下の方法でご連絡ください。

キットの部品の不足については遊舎工房のお問い合わせページにてご連絡ください。

基板

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本ガイド内では『基板』と呼びます。

組み立ての大部分は基板への部品のハンダ付けです。

スイッチプレート

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※写真はRev4のものです。左下の六角形の穴はRev5には有りません。

本ガイド内では『スイッチプレート』と呼びます。

スイッチプレートの穴にスイッチをはめ込んで基板に合わせます。

アッパーミドルプレート

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本ガイド内では『アッパーミドルプレート』と呼びます。

スイッチプレートと基板の間に入れるプレートです。

ボトムプレート

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本ガイド内では『ボトムプレート』と呼びます。

このプレートがキーボードの底面になります。

アンダーミドルプレート

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本ガイド内では『アンダーミドルプレート』と呼びます。

ボトムプレートと基板の間に入れるプレートです。

3mmのアクリル製で割れやすいので注意してください。

ダイオード

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本ガイド内では『ダイオード』と呼びます。

キーの同時押しをサポートするために必要なパーツです。

63個+α個入っていますので確認してください。

LED(オプション)

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本ガイド内では『LED』と呼びます。

レイヤー状態を表示できるのですが、Rev5の白いミドルレイヤではほとんど見えません。

スタビライザー(2U)

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本ガイド内では『スタビライザー』と呼びます。

スペースキーやシフトキーなどの長いキーをまっすぐ押せるように安定させる効果があります。

3セット分入っていますので確認してください。

TRRSコネクタ

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本ガイド内では『TRRSコネクタ』と呼びます。

7sKBの左右を接続するケーブルのために必要です。

2個入っていますので確認してください。

タクトスイッチ

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本ガイド内では『タクトスイッチ』と呼びます。

7sKBの頭脳部分、ProMicroのファームウェアを書き込む際に必要です。

2個入っていますので確認してください。

スペーサー

本ガイド内では『スペーサー』と呼びます。

プレート各種をネジ止めするのに必要です。

スペーサーは4.5mmが14個入っていますので確認してください。

ネジ

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スペーサーとともにプレート各種をネジ止めするのに必要です。

3.5mmのネジが23個、10mmのネジが5個以上入っていますので確認してください。

ゴム足

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シートについたゴム足が8個入っていますので確認してください。

ProMicro

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本ガイド内では『ProMicro』と呼びます。

銀色の袋に入ったマイコンボードです。

コンスルーピン

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本ガイド内では『コンスルー』と呼びます。

金色の魚の骨のような部品です。

キット外で必要なもの

一覧

品目 数量
キースイッチ 63
キーキャップ 63
MicroUSBケーブル 1
3.5mmステレオミニケーブル もしくは TRRSケーブル 1
LEDテープ(WS2812B)(オプション) 2

キースイッチ 

本ガイド内では『キースイッチ』と呼びます。

7sKBはKailh Chocスイッチに対応しています。

63個必要です。

Switchesshop.yushakobo.jp

キーキャップ

本ガイド内では『キーキャップ』と呼びます。

7sKBはKailh Choc用のキーキャップのみを使用できます。

無刻印を使用する場合、以下のキーキャップを用意してください。

1u  52個

1.5u 8個

2u  3個

刻印キーキャップを利用する場合もスペースバーに該当する部分に無刻印を利用するとよりかっこいいと思います。(主観)

1u  1個

1.5u 2個

2u  1個

shop.yushakobo.jp

USBケーブル

本ガイド内では『USBケーブル』と呼びます。

7sKBとPCとをつなぐために必要です。 

マグネット 充電ケーブル SUNTAIHO 3in1 Mini-USBケーブル【1.2Mx1本セット】QC3.0急速充電とデータ伝送 磁石 磁気 防塵 着脱式 OS用ライト マイクロUSB Type-C コネクタ タイプ-c Micro USB Cable LEDインジケーター付き - SYCX001 (1.2mケーブル&3個マグネット)

マグネット 充電ケーブル SUNTAIHO 3in1 Mini-USBケーブル【1.2Mx1本セット】QC3.0急速充電とデータ伝送 磁石 磁気 防塵 着脱式 OS用ライト マイクロUSB Type-C コネクタ タイプ-c Micro USB Cable LEDインジケーター付き - SYCX001 (1.2mケーブル&3個マグネット)

3.5mmステレオミニケーブル

本ガイド内では『ステレオミニケーブル』と呼びます。

3.5mmステレオミニケーブルのオス⇔オスを用意してください。

エレコム ステレオミニプラグ オーディオケーブル 極細スリムコネクタ 金メッキ ホワイト 0.5m DH-MMIP05WH

エレコム ステレオミニプラグ オーディオケーブル 極細スリムコネクタ 金メッキ ホワイト 0.5m DH-MMIP05WH

注意

この3.5mmステレオミニケーブルは7sKBとPCをUSBケーブル接続中に抜き差ししては行けません。

最悪マイコンが壊れてしまいます。

TRRSケーブル(オプション)

本ガイド内では『TRRSケーブル』と呼びます。

BMPとLPMEとを接続する際に使用します。

BMPとLPMEを使用する場合、必ずTRRSケーブルを利用することとし、前述の3.5mmステレオミニケーブルは使用しないでください。

iNTE-Sound Accessories 【30から80cm】4極 両端L字 金メッキ 3.5mm AUXオーディオケーブル コイル状 オスオス スプリングケーブル iNTE-SA1118

iNTE-Sound Accessories 【30から80cm】4極 両端L字 金メッキ 3.5mm AUXオーディオケーブル コイル状 オスオス スプリングケーブル iNTE-SA1118

注意

このTRRSケーブルは7sKBとPCをUSBケーブル接続中に抜き差ししては行けません。

最悪マイコンが壊れてしまいます。

LEDテープ(WS2812B)(オプション)

本ガイド内では『LEDテープ』と呼びます。

基板の裏からより光らせるために使用します。

※LEDテープを利用してもあまり光りません。。そのうちアクリルボトムプレートを用意するので、その時に実装してもいいと思います。

※ブリッジプレート用のボトムプレートを取り付ける場合、取り付けることはできません。

yushakobo.jp

無線対応する場合に追加で必要なもの

7sProにはオプションパーツを搭載することでBluetoothによる無線接続が可能です。

無線対応には大きく分けて4種のパーツが必要です。

BLE Micro Pro or LPME-IO

本ガイド内では『BMP』または『LPME』と呼びます。

ProMicroの無線対応版、のようなものです。

LPMEはBMPとTRRSケーブルで接続し、部分無線を実現する場合に使用します。

左右間も含め完全無線を行う場合

BMPを2つ購入してください。

yushakobo.jp

booth.pm

左右間はTRRSケーブルによる部分無線を行う場合

BMPとLPMEを1つずつ購入してください。

yushakobo.jp

booth.pm

nogikes.booth.pm

コンスル

BMPとLPMEはコンスルーが同梱されておりませんので、付属のコンスルーを使用するか別途4本用意してください。 

※12ピンのピンヘッダで代用することもできますが、ハンダ付けが必要です。

コンスルーshop.yushakobo.jp

ピンヘッダー・ピンソケットshop.yushakobo.jp

背の低いコンスルー 12ピンwww.switch-science.com

電池部品セット一覧(オプション)

BMPを2つ使用した完全無線化には電池部品セットを2つ、BMPとLPMEを使用した部分無線には電池部品セットを1つ購入してください。

品目 数量
ショットキーダイオード 2
コンデンサ 1
スライドスイッチ 1
コイン電池ケース 2
3mm高2pinコンスル 1

ショットキーダイオード

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本ガイド内では『SBダイオード』と呼びます。

ボタン電池の上下指し間違えを防ぎます。

キースイッチ用のダイオードとは違いますので保管する場合は別にして保管してください。

コンデンサ

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本ガイド内では『コンデンサ』と呼びます。

ボタン電池の電圧を安定させ、寿命を伸ばします。

スライドスイッチ

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本ガイド内では『スライドスイッチ』と呼びます。

電池のオンオフを行うスイッチです。

コイン電池(CR1632)ケース

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本ガイド内では『電池ケース』と呼びます。

コイン電池(CR1632)を収めるケースです。

3mm高2pinコンスル

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電池基板が実装されているボトムプレートと基板を接続するコンスルーです。

曲がりやすいので、気をつけてお取り扱いください。

必要工具

工具それぞれの説明はこちらの記事に書かれていますので参照してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

組み立て

いよいよ組み立てです。

まとまった時間は用意できましたか?

本キットには取り付け順序があります。

工程によって、取り付けられなくなるパーツがありますので、十分注意してください。

ProMicroの袋を開ける

ハサミを探したくなかったら下の写真のように斜めに思いっきり行きましょう。

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ProMicro付属のピンヘッダを捨てる

ProMicroを袋から出したらすぐに捨てます。

もったいないと思っても使い道を3秒で思い浮かばなかったら潔く捨てましょう。

だいたい使いません。

下の写真のような、銀色の魚の骨のようなやつです。

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Pro Microの書き込み

※Remapのファームウェア書き込み機能はChromeブラウザ専用です。

以下のRemapのページをクリックして、ファームウェア書き込みページを開きます。

remap-keys.app

FLASHをクリックします。

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通常のProMicroは「caterina」を、Elite-Cは「dfu」を選択してからFLASHをクリックします。

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下図のように小ウインドウに「Arduino Micro」等が表示されることを確認します。

表示されない場合、ケーブルや接続するポートを変更して試してみます。

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リセットスイッチ、またはリセット用の端子(RSTとGND、以下の画像の部分)をピンセットで触れます。

一瞬USB機器が抜けたような音がして、先程の小ウインドウのArduino Microのポート番号が変化したことを確認し、「接続」をクリック。

(本ビルドガイドの図例の場合、COM17がCOM18に変化)

ポート番号が変化しない場合、リセットを素早く2回実施する等も試してみてください。

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ファームウェアの書き込みが完了したら下図のようにメッセージの最後に「successfully」が表示されます。

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Remapを使用できない場合、Pro Microの書き込みは以下の記事を参照してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

Pro Microに書き込んだらRemapからキーマップが書き換え可能になります。

salicylic-acid3.hatenablog.com

BMPの書き込み

以下のページを利用してファームウェアの書き込みを実施してください。

https://sekigon-gonnoc.github.io/BLE-Micro-Pro-WebConfigurator/

BMPを購入したばかりの方は上から順にアップデートを実施し、「キーボードごとの設定を書き込む」で「7sKB」を選択してください。

左手用の場合「Is Left」を、右手用の場合「Is Slave」を、LPMEを使用する場合「Use with LPME-IO」を選択してください。

f:id:Salicylic_acid3:20200719012728p:plain

分からない場合、以下のドキュメントページを参照してください。

github.com

LPMEの書き込み

必要ありません。

上記のようにBMPの書き込み時に「Use with LPME-IO」を選択してください。

f:id:Salicylic_acid3:20200719012025p:plain

(LPME v2の場合)該当ピンのハンダブリッジをブリッジする

緑基板のLPME v2の場合、下図の赤四角のハンダブリッジ部をブリッジします。

この時フラックス等を付けてしまうと上手くブリッジできなくなるので注意してください。

f:id:Salicylic_acid3:20210203001000p:plain

BMPが上手く接続できない場合

まずはこちらのFAQを確認し、自分の状態と見比べてください。

sekigon-gonnoc.github.io

ボトムプレートの上部分を切り離す

左右のボトムプレートの上部分を切り離します。

※上部分は最後にマイコンのカバー兼チルト用の足として使用するので捨てないでください!

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バリをヤスリがけする

ニッパーで切り取った部分をヤスリがけします。

100均のヤスリでも十分ですが、いいヤスリは作業性を著しく上げますので、この際に買ってもいいかもしれません。

NO.1 Direct ダイヤモンド ヤスリ セット 10個入り サンドペーパー6枚付き (140MM)

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プレートの断面をサインペンで塗る

基板、スイッチプレート、ボトムプレートの断面は白っぽくなっていると思います。

その断面をぐるっと一周サインペンで黒く塗ります。

この一手間が出来上がりの質感を上げますので是非やってください。

(オプション)LED(YS-SK6812MINI-E)の取り付け

※rev5のホワイトアクリルバージョンはほとんど光が漏れないのでスキップして構いません。

LEDは一番最初に実装するのが簡単なので最初に実装しましょう。

このYS-SK6812MINI-EというチップLEDの4つの足は一つだけ斜めに切り欠きがあり、それがGNDです。

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切り欠きをGNDに合わせてLED発光部分が裏面に来るように穴に嵌め込みます。
穴は結構ぴったりめに作ってありますので嵌めづらいかもしれませんが、足がパッドにちゃんと付くように嵌めます。

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LEDの足をはんだ付けします。

従来のLED(SK6812MINI)に比べて熱に耐性がありますが、270℃~320℃で一本ずつゆっくりはんだ付けします。

※下の動画と裏表が逆になっています。キーボードの裏側が光ります。あくまではんだ付けの参考に留めてください。

(オプション)LEDテープを取り付ける

左手側は1個分を切り離しておきます。

(左手側に5個、右手側に6個LEDのチップが来るようにします)

LEDテープの剥離紙を剥がして端の印字が一致する(+5v、Din、GND)ように貼り付けます。

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金色の部分とパッド部分をハンダでブリッジします。

多めに盛ってあげるとうまくいきやすいです。

(オプション)LEDのテスト

LEDを取り付ける場合、この段階なら直しやすいので先にLEDのテストをします。

ProMicroにコンスルーをハンダ付けするを先に実施してください。

ファームウェアの書き込みでタクトスイッチを押す部分が有りますが、RSTとGND(下写真の赤丸部分)をピンセットで一瞬触れることで代替できます。

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BMPの場合、この段階でのLEDテストは難しいので、Pro Microでテストしてください。

 またBMPの場合、裏表を間違えると一発で使用不可能になるのでくれぐれも注意してください。

LEDを導通するハンダは衝撃や捻りに弱いので、後の行程で不要な力が掛からないように注意してください。

ダイオードを並べる

ダイオードは向きがあります。

肉眼では見づらいかもしれませんが、表面に印刷があります。

線が書いてある方を基板の裏の矢印の先に合わせてつけます。

ダイオードの線が見辛いときはライトで照らすか虫眼鏡で確認してください。

逆向きに取り付けるとそのキーは反応しません。

利き手の逆の手でピンセットを扱うので、右利きの方は左側に並べるとやりやすいです。

予備はんだを行う

ダイオードを取り付けるところにあらかじめはんだを盛っておきます。(予備はんだといいます)

ハンダこての温度は320℃に設定してください。

量は下の写真くらいで大丈夫です。

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※写真はNaked48LEDのものです。

ハンダの量が多すぎたり、ハンダが尖ってしまったら(ツノがたったといいます)吸い取り線で一回吸い取ってからもう一度盛ります。

吸い取り線は新しい銅色の部分を吸い取りたい部分に当て、上からハンダこてを当てて吸い取ります。

吸い取り線の吸い取って銀色になった部分はもう使えませんので、ニッパーで切り取ってしまいます。

また、何度やっても尖ってしまう場合、長く温めすぎてフラックスが飛んでしまった可能性があります。

一度つけるパッドにフラックスを一塗りしてからやってみてください。

ダイオードの片足をつける

もう一度向きが合っているかを確認します。

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逆作用ピンセットでダイオードをつまみ、予備はんだの上に置きながら予備はんだをハンダこてで溶かす事ではんだ付けします。

ハンダこてを放してから一秒置いてピンセットを放します。

これを全部のダイオードに行います。

ダイオードのはんだ付けを確認する

横から見て、ダイオードが浮いていないか確認します。f:id:Salicylic_acid3:20190315030833j:image

一見はんだが付いていても浮いていると、割とすぐに剥がれてしまいます。

浮いている場合、フラックスを塗ってから浮いている側のはんだを暖め直し、ピンセットで位置を調整してください。

ダイオードのもう片足をつける

すべて片足だけ付け終わったら、今度は反対側です。

ハンダこてで一秒暖めてからはんだを送ります。

これを全部のキーに行います。

アンダーミドルプレートをあわせて浮きを確認する

アンダーミドルプレートはピッタリ隙間なく合いますので、少しでも浮いていたら確認します。

タクトスイッチとTRRSコネクタをマスキングテープで仮止めする

裏面にタクトスイッチとTRRSコネクタを基板に差し込み、マスキングテープで押さえます。

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※浮きやすいので、ちゃんと押さえられているかもう一度確認してください。

タクトスイッチの足をニッパーで切る

タクトスイッチの足は少しだけ長いので、予めニッパーで切っておきます。

そんなにギリギリで切らなくてもいいです。

タクトスイッチとTRRSコネクタをハンダ付けする

表面からそれぞれの足にハンダを付けていきます。

足にハンダこてを当ててからハンダを送ります。

もっこりするほど送らなくてもいいです。

スタビライザーを組み立てる

スタビライザーを組み立てます。

下の写真の向きに取り付けます。

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ワイヤーを通します。

バラバラになりやすいので、下の写真のように置いておきます。

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スタビライザーを取り付ける

置いておいたスタビライザーの上からスイッチプレートを置いて押し込みます。

プレートの表裏に注意してください。

スイッチをハンダ付けしてしまうと手戻りが非常に難しくなりますので、一度スイッチを嵌めて動作テストをしたほうが良いです。

スイッチプレートにスイッチをはめてはんだ付けをする

※この工程を進めると前の工程に戻りづらくなります。前の工程に漏れが無いかもう一度確認してください。

スイッチプレートにスイッチをはめアッパーミドルプレートを挟んで基板にスイッチをはんだ付けしていきます。

ProMicroを取り付ける部分にハンダが乗らないようにマスキングテープでカバーしておくと確実です。

ProMicroにコンスルーをハンダ付けする

BMP及びLPMEはハンダ付け不要です。次の項目を参照してください。

ProMicroをMicroUSB端子が上(スイッチの反対側)を向くように取り付けます。

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MicroUSBの端子側にコンスルーを差し込みます。

ただし、コンスルーには向きがあります。

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写真の赤丸の金色の部分が片方の面から両方見える様に、また金色の部分がProMicro側に寄っている様に取り付けます。

分かりづらかったら以下のドキュメントも合わせて確認してください。

※ProMicroの裏表は本ビルドガイドの通りに実装してください。

github.com

コンスルーとPro Microとのハンダ付けはPro MicroのUSB端子が付いている方をハンダ付けします。 

320℃に設定してコンスルーを1秒程度温めてからハンダを送ります。

24のピン全てをハンダ付けします。

BMPを使用する場合)基板にコンスルーを差し込む

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上の写真のように「Bat+」にかかるように差し込みます。

(LPMEを使用する場合)基板にコンスルーを差し込む

 通常のProMicroと同じくBat+、Bat-を避けてコンスルーを差し込みます。

ProMicro、BLE Micro Pro、LPMEを基板へ差し込む

アンダーミドルプレートを置いてからUSB端子が外側に向くようにProMicro、またはBLE Micro Proを取り付けます。

ProMicroの場合、一番上のBat+、Bat-を避けて差し込んでください。

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LPMEは下図のように取り付けます。

左右をステレオミニケーブルもしくはTRRSケーブルで接続する

必ず左右間を接続してからUSBを差し込んでください。

※USBを差し込んでから左右を接続しようとするとショートが発生し、故障の原因となりますので絶対にしないでください。

テストする

PCに繋ぎ、RemapまたはVIAのテストモードでキーの反応をテストします。

salicylic-acid3.hatenablog.com

スイッチプレートにスペーサーをネジ止めする

裏返し、スイッチプレートの下の六角形の穴に4.5mmのスペーサーを入れ、表側から3.5mmのネジでネジ止めします。

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電池基板を実装しない方は次のボトムプレートにスペーサーをネジ止めするへ行ってください。

(オプション)電池部品セット組み立て

ボトムプレートに電池部品セットを取り付ける

ボトムプレートの模様が無い側にSBダイオードコンデンサを取り付けます。

SBダイオードコンデンサは他のダイオードと同じように予備ハンダをしてはんだ付けします。

※SBダイオードは通常のダイオードとは異なりますので、混ぜたり流用したりしないようにしてください。

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Cと書かれた部分にコンデンサをはんだ付けします。

電池ケースとマスキングテープで抑えて裏からはんだ付けします。

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スライドスイッチもマスキングテープで抑えて、裏からはんだ付けします。

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裏返して、スライドスイッチの脚をギリギリで切ってはんだ付けします。

2Pinコンスルーを基板に取り付ける

BMPを用いた無線を利用する場合、電池部品セットの2pinコンスルーを実装してください。

ピンを曲げないようにゆっくり差し込んでください。

ボトムプレートに対応する穴にあわせ、ピンをゆっくり確実に差し込んでください。

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ボトムプレートに対応する穴にあわせ、ピンをゆっくり確実に差し込んでください。

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ボトムプレートにスペーサーをネジ止めする

ボトムプレートに4.5mmのスペーサーを底面側(模様がある方)に取り付けます。

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ボトムプレートを取り付ける

ボトムプレートを合わせ、下のネジ穴に3.5mmのネジでネジ止めします。

ボトムプレート側のネジが閉まらない場合はスイッチプレート側のネジを少し緩めるとネジ止めしやすいです。

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キーボード上部のネジ穴にスイッチプレート側から10mmのネジを入れ、4.5mmスペーサーでネジ止めします。

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ボトムプレートから切り離したマイコンのカバー兼チルト用のプレートを3.5mmのネジでネジ止めします。

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(オプション)電池を挿入する

BMPを使用する場合、CR1632コイン電池を+を底面側にして挿入してください。

※コイン電池は1個でも動きますが、寿命を重視する場合は2個入れてください。

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ゴム足を貼り付ける

ボトムプレートの好きな位置にゴム足を貼り付けます。

私のおすすめは下の写真の位置です。

タツキがある場合は微調整します。

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キーキャップを取り付ける

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キーマップをカスタマイズする

以下の記事を参考にオリジナルのキーマップを探求してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

salicylic-acid3.hatenablog.com

完成!

お疲れ様でした!

達成感とともに、ゆっくりと自作キーボード温泉に浸かってください。 

※以下の写真はRev4のものです。Rev5にインジケータはありません。

また、出来上がったキーボードの写真を私に見せていただけると大変嬉しいので、是非私のDiscordにいらっしゃって写真だけでも貼っていってください!

動かない時に

以下のサイトがトラブルシューティングについて網羅していますので参考にしてください。

scrapbox.io

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おわりに

ビルドガイドはいかがでしたでしょうか。

分かりやすかったでしょうか。

なるべく組み立てやすい様に設計したつもりですが、なにかわからないことが有れば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

本記事はNKNL_JPで書きました。