自作キーボード温泉街の歩き方

自作キーボードの世界は温泉に例えられます。自作キーボードの温泉街の楽しい歩き方を紹介します。

自作キーボードキット『ErgoArrowsPro』ビルドガイド

こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

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今回は私の設計した自作キーボードキット『ErgoArrowsPro』の組み立て手順書、ビルドガイドを書きたいと思います。

エントリーセットは本ビルドガイドの手順は不要です。

はじめに

キットをお買い上げ頂いた方、お買い上げありがとうございます。

拙い部分もあると思いますが一所懸命にガイドしますのでよろしくお願いします。

前置き

本キットは私にとってアルミ削り出しケースの搭載を前提にした初の頒布キットです。

ErgoArrowsProの様々なこだわりや機能については紹介記事を参照してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

色々と分かりづらい点もあるかも知れませんが、皆様も分からないところがあったら「やってから考える」のではなく、「先に」私まで問い合わせて、疑問を解消させてから取り組んでください。

製品についてのお問い合わせは私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

注意事項

ErgoArrowsProは2種類の頒布形態を取っています。

エントリーセットは全てのハンダ付けとファームウェアの書き込みを私の方で行って発送いたしますので、ハンダ付けが不安な方はエントリーセットをぜひご利用ください。

もしエントリーセットの在庫がなく購入できない状態になっているようでしたら私のDiscordサーバでご要望を戴けましたら在庫追加できるように努力いたします。

また、キット購入されたものを私が途中から組み立てたり修理したりすることはできませんのでご了承ください。

もし基板を損傷したり部品を紛失した場合は修理部品の提供は可能ですので、お気軽に連絡をください。

キットの中身を確認する

以下はErgoArrowsProの組み立てキットの内容になっています。

内容物一覧

品目 数量
アルミケース 2
基板 1
Poronスポンジフォーム 2
カバープレート 2
ボトムプレート 2
M2ネジ(3mm) 10+
M3ネジ(5mm) 4+
ゴム足(大) 8
ゴム足(小) 4
TRRSジャック 2
TRS(3極)ケーブル 1

万が一部品が足らない場合、お手数ですが以下の方法でご連絡ください。

購入先が遊舎工房様の場合:遊舎工房のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

購入先が私のBoothショップの場合:Boothのメッセージ、TwitterのDM、本記事のコメント欄(公開されません)にメールアドレスをいただけましたらすぐに発送対応いたします。

ケース

本ガイド内では『ケース』と呼びます。

左右一つずつ入っていることを確認してください。

また、傷や塗装については商品ページの注意事項をよく確認し、免責の対象であるか否か確認してください。

基板

本ガイド内では『基板』と呼びます。

ほとんどの部品が実装され、左右の基板が連結してあります。

組み立て工程の半分は基板への部品のハンダ付けです。

Poronスポンジフォーム

本ガイド内では『フォーム』と呼びます。

キーボード内部に使用し、内部の反響音低減に役立ちます。

左右で形状が異なりますのでご注意ください。

ボトムプレート

本ガイド内では『ボトムプレート』と呼びます。

このプレートがキーボードの底面になります。

カバープレート

本ガイド内では『カバープレート』と呼びます。

このプレートがProMicroをカバーし、キーボードをチルトさせます。

ネジ

プレート各種をネジ止めするのに必要です。

ケースが黒の場合は黒のネジが、ケースが白の場合は銀のネジが付属します。

M3ネジ(5mm)が4個以上、M2ネジ(3mm)が10個以上入っていますので確認してください。

ゴム足

シートについたゴム足(大)が8個、ゴム足(小)が4個入っていますので確認してください。

TRRSジャック

本ガイド内では『TRRSジャック』と呼びます。

ErgoArrowsProの左右を接続するケーブルのために必要です。

2個入っていますので確認してください。

TRS(3極)ケーブル

※写真は黒ですが、ケースと同色のケーブルが付属します。

本ガイド内では『TRSケーブル』と呼びます。

ErgoArrowsProの左右を接続するケーブルです。

オプション部品

ErgoArrowsPro専用パームレスト

品目 数量
パームレスト 2
M3ネジ(10mm) 4+
ゴム足(大) 8

※天然素材なので木目や色味などは選択できません。

ErgoArrowsPro専用カバーケース

品目 数量
カバーケース 2
M2皿ネジ(5mm) 6+
ゴム足(大) 4

左側:カバーケースの無線版、右側:カバーケースの有線版

キット外で必要なもの

一覧

品目 数量
有線接続:Pro Micro or 互換ボード
完全無線:BLE Micro Pro
部分無線:BLE Micro Pro + LPME-IO
2
コンスルー or ピンヘッダ
マイコンボードに同梱されていない場合
4
キースイッチ 68
キーキャップ 68
ロープロファイルキースイッチ 8
ロープロファイルキーキャップ 8
USBケーブル 1

Pro Micro

本ガイド内では『Pro Micro』と呼びます。

キーボードの頭脳となるマイコンです。

有線接続のみでいい場合はこちらを購入してください。

色々種類は有りますが、遊舎工房実店舗か遊舎工房通販サイトの物を使用してくだされば確実です。

Pro Micro(単体)shop.yushakobo.jp

Pro Micro (コンスルー付き)shop.yushakobo.jp

Pro Micro (コンスルーはんだ付け済み)shop.yushakobo.jp

コンスルーハンダ付け済みを選択する場合は2.5mm実装面上を選択してください。

Elite-Cshop.yushakobo.jp

無線接続に対応したい場合は後述のBLE Micro Proを購入してください。

キースイッチ 

本ガイド内では『キースイッチ』と呼びます。

ErgoArrowsProはCherryMX互換スイッチに対応しています。

68個必要です。

Switchesshop.yushakobo.jp

キーキャップ

本ガイド内では『キーキャップ』と呼びます。

ErgoArrowsProはCherryMX用のキーキャップを使用できます。

普通の104キーのキーセットではすべてのキーを綺麗に埋めることができません。

これらの記事も参考にしてください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

salicylic-acid3.hatenablog.com

ロープロファイルキースイッチ 

ErgoArrowsProはCherryMX互換スイッチの他に、Kailh Choc v1スイッチをカーソルキーに使用します。

※ErgoArrowsProはKailh Choc v1スイッチ以外には対応していません。

8個必要です。

Kailhロープロファイルスイッチshop.yushakobo.jp

ロープロファイルキーキャップ

ErgoArrowsProはCherryMX互換スイッチの他に、Kailh Choc v1スイッチをカーソルキーに使用します。

8個必要です。

shop.yushakobo.jp

USBケーブル

本ガイド内では『USBケーブル』と呼びます。

ErgoArrowsProとPCとをつなぐために必要です。

無線対応する場合に追加で必要なもの

ErgoArrowsProにはオプションパーツを搭載することでBluetoothによる無線接続が可能です。

無線対応には大きく分けて4種のパーツが必要です。

BLE Micro Pro or LPME-IO

本ガイド内では『BMP』または『LPME』と呼びます。

ProMicroの無線対応版、のようなものです。

LPMEはBMPとTRRSケーブルで接続し、部分無線を実現する場合に使用します。

※『BMP』および『LPME』はピンヘッダなどが付属しないので、コンスルーかピンヘッダを購入する必要があります。

左右間も含め完全無線を行う場合

BMPを2つ購入してください。

BLE Micro Pro Type-C版shop.yushakobo.jp

booth.pm

コンスルーまたはピンヘッダは12ピンのものを4本購入してください。

ピンヘッダー・ピンソケットshop.yushakobo.jp

コンスルーshop.yushakobo.jp

背の低いコンスルー 12ピンwww.switch-science.com

左右間はTRRSケーブルによる部分無線を行う場合

BMPとLPMEを1つずつ購入してください。

BLE Micro Pro Type-C版shop.yushakobo.jp

booth.pm

LPME-IO2ashop.yushakobo.jp

nogikes.booth.pm

コンスルー及びピンヘッダは12ピンのものを4本購入してください。

ピンヘッダー・ピンソケットshop.yushakobo.jp

コンスルーshop.yushakobo.jp

背の低いコンスルー 12ピンwww.switch-science.com

電池部品セット一覧(オプション)

BMPを2つ使用した完全無線化には電池部品セットを2つ、BMPとLPMEを使用した部分無線には電池部品セットを1つ購入してください。

品目 数量
ショットキーダイオード 2
コンデンサ 1
スライドスイッチ 1
コイン電池ケース 2
2mm高2pinコンスル 1

電池部品セットは遊舎工房様での取扱はございません。

以下のBoothショップからご購入ください。

salicylic-acid3.booth.pm

※ErgoArrowsProの電池部品セットはケースとの同時購入時のみお選びください。

salicylic-acid3.booth.pm

※電池部品セットの個別購入時はErgoArrowsの電池部品セットをお選びください。
 ErgoArrowsProとErgoArrowsの電池部品セットは同じ内容です。

ショットキーダイオード

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本ガイド内では『SBダイオード』と呼びます。

ボタン電池の上下指し間違えを防ぎます。

キースイッチ用のダイオードとは違いますので保管する場合は別にして保管してください。

コンデンサ

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本ガイド内では『コンデンサ』と呼びます。

ボタン電池の電圧を安定させ、寿命を伸ばします。

スライドスイッチ

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本ガイド内では『スライドスイッチ』と呼びます。

電池のオンオフを行うスイッチです。

コイン電池(CR1632)ケース

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本ガイド内では『電池ケース』と呼びます。

コイン電池(CR1632)を収めるケースです。

2mm高2pinコンスル

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電池基板が実装されているボトムプレートと

基板を接続するコンスルーです。

曲がりやすいので、気をつけてお取り扱いください。

※2mmのコンスルーなので、遊舎工房様で販売する通常のコンスルー(2.5mm)を切っても適合しません。

パームレスト単4電池基板セット一覧(オプション)

パームレストを使用する場合、パームレスト裏側に単4電池を仕込むことが出来ます。

装着するには電池部品セットとセットで必要です。

ボタン電池との併用は不可です。

品目 数量
単4電池基板 1
単4電池ケース 2
L字コネクタ(ボトムプレート側) 1
I字コネクタ(電池基板側) 1
接続ケーブル 1

パームレスト単4電池基板セットは遊舎工房様での取扱はございません。

以下のBoothショップからご購入ください。

salicylic-acid3.booth.pm

装着するには電池部品セットとセットで必要です。

取り付けには両面テープが別途必要です。

必要工具

工具それぞれの説明はこちらの記事に書かれていますので参照してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

組み立て

いよいよ組み立てです。

まとまった時間は用意できましたか?

ゆっくりやっていきましょう。

Pro Microの書き込み

※Remapのファームウェア書き込み機能はChromeブラウザ専用です。

以下のRemapのページをクリックして、ファームウェア書き込みページを開きます。

remap-keys.app

※ErgoArrowsProとErgoArrowsのファームウェアは共通です。

DefaultのFLASHをクリックします。

通常のProMicroは「caterina」を、Elite-Cは「dfu」を選択してからFLASHをクリックします。

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下図のように小ウインドウに「Arduino Micro」等が表示されることを確認します。

表示されない場合、ケーブルや接続するポートを変更して試してみます。

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リセット用の端子(以下図)をピンセットで触れます。

一瞬USB機器が抜けたような音がして、先程の小ウインドウのArduino Microのポート番号が変化したことを確認し、「接続」をクリック。

(本ビルドガイドの図例の場合、COM17がCOM18に変化)

ポート番号が変化しない場合、リセットを素早く2回実施する等も試してみてください。

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ファームウェアの書き込みが完了したら下図のようにメッセージの最後に「successfully」が表示されます。

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Remapを使用できない場合、Pro Microの書き込みは以下の記事を参照してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

Pro Microに書き込んだらRemapからキーマップが書き換え可能になります。

salicylic-acid3.hatenablog.com

BMPの書き込み

以下のページを利用してファームウェアの書き込みを実施してください。

https://sekigon-gonnoc.github.io/BLE-Micro-Pro-WebConfigurator/

BMPを購入したばかりの方は上から順にアップデートを実施し、「キーボードごとの設定を書き込む」で「ergoarrows」を選択してください。

※ErgoArrowsProとErgoArrowsのファームウェアは共通です。

左手用の場合「Is Left」を、右手用の場合「Is Slave」を、LPMEを使用する場合「Use with LPME-IO」を選択してください。

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分からない場合、以下のドキュメントページを参照してください。

github.com

LPMEの書き込み

必要ありません。

上記のようにBMPの書き込み時に「Use with LPME-IO」を選択してください。

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(LPME v2の場合)該当ピンをハンダブリッジする

緑基板のLPME v2の場合、下図の赤四角のハンダブリッジ部にハンダを盛り、ブリッジします。

この時フラックス等を付けてしまうと上手くブリッジできなくなるので注意してください。

ハンダブリッジをしたあとはカプトンテープやマスキングテープなどのテープで保護をしてください。

BMPが上手く接続できない場合

まずはこちらのFAQを確認し、自分の状態と見比べてください。

sekigon-gonnoc.github.io

基板の上下のタブ(余白部分)を切り離す

基板の上下のタブを折ります。

ちょっと硬いかも知れませんが、ゆっくり力を込めて折り取ります。

タブ付近には配線を通していませんので安心して折り取ってください。

折り取ったらバリが残っていると思うので、ヤスリで軽く削ってあげるといいと思います。

※特に削らなくても問題ありません。

左:削る前、右:削った後

プレートの断面をサインペンで塗る

基板、ボトムプレート、カバープレート、ProMicro及びBLE Micro Proの側面は白っぽくなっていると思います。

その断面をぐるっと一周※1サインペンで黒く※2塗っておきましょう。

※1 基板及びProMicro、BLE Micro Proは外から少しだけ見える部分だけちょこっと塗ればOKです。

※2 白の場合、塗るのは基板だけで良いです。

サインペンの太い方でざっと塗り、細かいところを細い方で塗ります。

この一手間が出来上がりの質感を上げますので是非やってください。

ゼブラ 油性ペン ハイマッキー 黒 3本 P-MO-150-MC-BK3

TRRSジャックをハンダ付けする

表面からTRRSジャックの足にハンダを付けていきます。

足にハンダこてを当ててからハンダを送ります。

もっこりするほど送らなくてもいいです。 

ピンヘッダについて

コンスルーという針金のバネの力で導通する部品が有り、これを使用することでハンダ付け箇所を減らし、ProMicroの故障時の交換等を容易にすることができます。

ピンヘッダー・ピンソケットshop.yushakobo.jp

コンスルーshop.yushakobo.jp

背の低いコンスルー 12ピンwww.switch-science.com

コンスルーを使う場合、基板とピンヘッダのハンダ付けは不要になります。

あわせてKeyMicro、BLE Micro Pro、LPME-IOなどのコンスルー対応マイコンボードを使用する場合、マイコンボードとピンヘッダのハンダ付けも不要になります。

本手順は通常のピンヘッダを使用した場合で記載しますが、コンスルーを使用する場合は上記のことを踏まえて組み立てを行ってください。

コンスルーを使用すると、USBケーブルの抜き差しによって基板より浮いてしまって一部のキーが反応しなくなると言ったトラブルが起きやすいので注意が必要です。

ProMicro用のピンヘッダをハンダ付けする

ProMicro用のピンヘッダをハンダ付けします。

コンスルーを使用する場合は基板とコンスルーのハンダ付けは不要です。

ピンヘッダの短い方を基板の裏側から2本差し込み、ProMicroを通して傾いていないかチェックします。

※左右端のBMPと書かれたピンは使用しません。

マスキングテープなどで仮止めし、裏返して表側からピンヘッダを2つハンダ付けします。

全てのピンヘッダの飛び出た部分をニッパーでカットします。

ピンヘッダはかなり硬いので一本ずつ確実にカットします。

カットした後、基板の表面からピンヘッダをハンダ付けします。

ProMicroのハンダ付け

コンスルー及びBMP、LPME-IOを使用する場合、BMPコンスルーのハンダ付けは不要です。
 コンスルーを使用する場合でもProMicro(Elite-Cなども含む)はハンダ付けが必要です。

基板の裏のピンヘッダにProMicroを差し込み、余分なピンヘッダをニッパーでカットしてからハンダ付けします。

BLE Micro Pro用のピンヘッダをハンダ付けする

BLE Micro ProはProMicro用のピンヘッダと取り付け位置が異なります

上記写真の通り、バッテリーピンにかかるように上側を1ピン分オフセットして取り付けます。

他の取付方法はProMicroと同じです。

LPME-IO用のピンヘッダをハンダ付けする

LPME-IOは右手側のみに実装します。

左手側にLPME-IOは実装しないので、注意してください!

基本的にBMPと同じ様にピンヘッダを配置してください。

コンスルーを使用する場合は2.5mmのものを利用してください。
 また、LPME-IOはハンダ付けは不要です。

LPME-IOは以下の向きで取り付けを行ってください。

※LPME-IOのバージョンによってシルクなどの差異が出る可能性があります。

テストする

ProMicroが取り付けられたらスイッチが反応するかPCに繋いでテストして下さい。

テストにはRemapのテストモードなどが便利です。

salicylic-acid3.hatenablog.com

(オプション)電池部品セット組み立て

ボトムプレートに電池部品セットを取り付ける

SBダイオードコンデンサ基板表側(キースイッチ・フォーム・ソケット側)に取り付けます。

SBダイオードコンデンサは予備ハンダをしてハンダ付けします。

※予備ハンダとはダイオードを取り付けるところにあらかじめハンダを盛っておくことです。

ハンダこての温度は320℃に設定してください。

量は下の写真くらいで大丈夫です。

リバーシブルなのでやや分かりづらいですが、左側が左手側、右側が右手側です。

ハンダの量が多すぎたり、ハンダが尖ってしまったら(ツノがたったといいます)吸い取り線で一回吸い取ってからもう一度盛ります。

吸い取り線は新しい銅色の部分を吸い取りたい部分に当て、上からハンダこてを当てて吸い取ります。

吸い取り線の吸い取って銀色になった部分はもう使えませんので、ニッパーで切り取ってしまいます。

また、何度やっても尖ってしまう場合、長く温めすぎてフラックスが飛んでしまった可能性があります。

一度つけるパッドにフラックスを一塗りしてからやってみてください。

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ダイオードの線と基板の線の向きを合わせてハンダ付けします。

逆作用ピンセットでダイオードをつまみ、予備ハンダの上に置きながら予備ハンダをハンダこてで溶かす事でハンダ付けします。

次のコンデンサも同じ要領でハンダ付けします。

コンデンサには向きは有りません。

左側の写真が左手側、右側の写真が右手側です。
C1と書かれた部分にコンデンサをハンダ付けします。

スライドスイッチは裏側(机・ゴム足・電池ケース側)から部品を差し込みマスキングテープで押さえて表側からスライドスイッチの足を切ってからハンダ付けします。

この写真は右手側です

裏返してスライドスイッチの足を切った写真

電池ケースは裏側(机・ゴム足・スライドスイッチ側)から部品を差し込みマスキングテープで押さえて表側からハンダ付けします。

この写真は左手側です

パームレスト用電池基板との接続用のコネクタ(L字型)は、電池ケースやスライドスイッチと同じ面に取り付けます。

スライドスイッチと同じようにコネクタの足を切ってはんだ付けしてください。

この写真は右手側です

左手側のパームレスト用電池基板との接続用コネクタ(L字型)とスイッチソケットが干渉して誤入力となってしまうケースがあるため、マスキングテープなどで養生しておいてください。

左手側の接続用コネクタの端子部分を養生する
パームレスト用電池基板をはんだ付けする

ボタン電池との併用は不可です。

初期生産版のパームレスト用電池基板はリバーシブル設計ですが、製造ミスにより裏側にシルクが無いです。

左用がシルクがある方、右用がシルクが無い方です。

まず電池基板にコネクタ(I字型)を取り付けます。

コネクタの取り付けには向きがありますので注意してください。

基板上の凹みとコネクタの切り欠きをあわせてください。

電池部品のスライドスイッチと同じように、マスキングテープで押さえてコネクタの足を切り、ハンダ付けをしてください。

コネクタが取り付け終わったら単4電池ケースも同様にハンダ付けします。

ボタン電池との併用は不可です。

2Pinコンスルーを基板に取り付ける

電池部品セットの2pinコンスルーはピンを曲げないようにゆっくり差し込んでください。

ケースに基板とフォーム、プレートを取り付ける

ケースに基板、フォーム、ボトムプレートの順に重ね、ボトムプレートをネジ止めします。

コンスルーを使用していない場合、ハンダ付け後にフォームの下の写真の部分は入れづらいため、ハサミでフォームをカットすると作業を行いやすいです。

上が加工前、下が加工後

※電池部品セットを取り付けている場合、コンスルーのピンを曲げないように、慎重にボトムプレートを取り付けてください。

カバープレート(またはカバーケース)を取り付ける

カバープレートをM2(3mm)ネジでネジ止めします。

カバーケースの場合、カバーケースに付属のM2皿ネジ(5mm)を使用してください。

※カバーケースを使用する場合、ProMicro(BMP等も含む)の上部の空間をPoronスポンジなどで埋めてあげると、その部分の打鍵音が安定するのでオススメです。

ゴム足を貼り付ける

ボトムプレートとカバープレートに印刷された円形の部分にゴム足を貼り付けます。

※手前側のクリアランスがかなりギリギリになっています。

 ケースが接地してしまう場合や気になる場合は、下側のゴム足を少しだけ下にオフセットして貼り付けてください。

パームレストを使用する場合、ボトムプレートに貼り付ける4つのゴム足は貼っても貼らなくてもいいです。

 カバープレートまたはカバーケースに貼り付けるゴム足はパームレストに付属するゴム足(小)をお使いください。

キースイッチを取り付ける

向きに注意してキースイッチを取り付けてください。

特に親指キーは上下反転していますし、ロープロファイルキーの部分は上下が揃っていないので注意が必要です。

キーキャップを取り付ける

自分の求めるキーマップに応じた配置でキーキャップを取り付けます。

逆さに取り付けた左右4キーずつは逆さに取り付けると親指への当たりを軽減できます。

パームレストを取り付ける

ボトムプレートのM3ネジを外し、パームレストパームレストに付属するネジで固定します。

パームレスト用のゴム足を貼り付けます。

パームレスト用電池基板を取り付ける

パームレスト用電池基板を両面テープでパームレストの裏に貼り付けて固定します。

上の写真のようにケーブルでつなぎます。

BMPの反対側に黒いケーブルが来るように取り付けます。

ケーブルをマスキングテープなどで止めておくと安全です。

キーマップをカスタマイズする

以下の記事を参考にオリジナルのキーマップを探求してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

salicylic-acid3.hatenablog.com

salicylic-acid3.hatenablog.com

完成!

お疲れ様でした!

達成感とともに、ゆっくりと自作キーボード温泉に浸かってください。 

使用上の注意

  • PCと接続したまま左右間を繋ぐケーブルを抜き差ししないで下さい。
    マイコンが壊れてしまう可能性があります。
  • USBケーブルの抜き差し時にUSBコネクタを剥がさないように、力加減に十分注意して下さい。

動かない時に

以下のサイトがトラブルシューティングについて網羅していますので参考にしてください。

scrapbox.io

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おわりに

ビルドガイドはいかがでしたでしょうか。

分かりやすかったでしょうか。

なるべく組み立てやすい様に設計したつもりですが、なにかわからないことが有れば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

本記事はErgoArrowsProで書きました。