こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。
今回は私の設計した自作キーボードキット『JISplit89』の組み立て手順書、ビルドガイドを書きたいと思います。
2020/11/08 遊舎工房様取り扱いセットに記載を変更
- はじめに
- 前置き
- 注意事項
- 組み立て動画を確認する
- キットの中身を確認する
- キット外で必要なもの
- 無線対応する場合に追加で必要なもの
- 電池部品セット一覧(オプション)
- 必要工具
- 組み立て
- ProMicroの袋を開ける
- ProMicro付属のピンヘッダを捨てる
- (オプション)Pro Micro、BMPの補強
- Pro Microの書き込み
- BMPの書き込み
- 上手く接続できない場合
- 実装プレートの上下のタブ(余白部分)を切り離す
- バックプレートの上部分を切り離す
- (オプション)実装プレートの左右を切り取ります
- バリをヤスリがけする
- プレートの断面をサインペンで塗る
- (オプション)ブロッカーLED(YS-SK6812MINI-E)の取り付け
- (オプション)外周列のLEDを取り付ける
- (オプション)LEDテープを取り付ける
- (オプション)LEDのテスト
- タクトスイッチとTRRSコネクタをマスキングテープで仮止めする
- タクトスイッチとTRRSコネクタをハンダ付けする
- (オプション)スタビライザーを潤滑する
- スタビライザーを取り付ける
- トッププレートにスペーサーをネジ止めする
- スイッチをはめる
- 実装プレートの裏面からスイッチの足を確認する
- 実装プレートにコンスルーを差し込む
- ProMicro、BLE Micro Proをコンスルーに差し込む
- ProMicroにコンスルーをハンダ付けする
- 左右をステレオミニケーブルもしくはTRRSケーブルで接続し、USBを接続する
- テストする
- (オプション)電池部品セット組み立て
- ボトムプレートにスペーサーをネジ止めする
- ボトムプレートを取り付ける
- ゴム足を貼り付ける
- (オプション)電池を挿入する
- キーキャップを取り付ける
- キーマップをカスタマイズする
- 完成!
- 動かない時に
- おわりに
はじめに
キットをお買い上げ頂いた方、お買い上げありがとうございます。
拙い部分もあると思いますが一所懸命にガイドしますのでよろしくお願いします。
前置き
本キットはJIS配列を前提とした配列で表面実装部品をPCBA(工場組立)して組立を簡単にしたキーボードです。
組立はかなり簡単になっていますが、組み立てる前にビルドガイドを熟読してください。
皆様も分からないところがあったら「やってから考える」のではなく、「先に」私まで問い合わせて、疑問を解消させてから取り組んでください。
製品についてのお問い合わせは私のDiscordまでどうぞ。
注意事項
本キットは自分で自分で組み立てるキットです。
私が組み立ての代行を引き受けることはありませんのでご了承ください。
組み立て動画を確認する
Daihuku Keyboardさんが非常に分かりやすい組み立て動画を作ってくれましたので、組立作業の全体像が分からない方は一度見ておくと流れが掴みやすいと思います。
※こちらの動画は7sProですが、作成手順の9割は同じなので是非参考にしてみてください。
キットの中身を確認する
内容物一覧
品目 | 数量 |
部品実装済みプレート | 1 |
トッププレート | 2 |
バックプレート | 2 |
ProMicro | 2 |
コンスルーピン | 2 |
スペーサー(7mm) | 15 |
スペーサー(4mm) | 4 |
スペーサー(4mm)(オスメス) | 5 |
ネジ(3mm) | 38 |
ゴム足 | 8 |
TRRSジャック | 2 |
タクトスイッチ | 2 |
スタビライザー(2U) | 2 |
万が一部品が足らない場合、お手数ですが以下の方法でご連絡ください。
購入先が遊舎工房様の場合:同封のシートに記載の連絡先にご連絡ください。
購入先が私のBoothショップの場合:Boothのメッセージ、TwitterのDM、本記事のコメント欄(公開されません)にメールアドレスをいただけましたらすぐに発送対応いたします。
実装プレート
本ガイド内では『実装プレート』と呼びます。
組み立ての半分は実装プレートへの部品のハンダ付けです。
トッププレート
本ガイド内では『トッププレート』と呼びます。
トッププレートの穴にスイッチをはめ込んで実装プレートに合わせます。
バックプレート
本ガイド内では『バックプレート』と呼びます。
このプレートがキーボードの底面になります。
ProMicro
本ガイド内では『ProMicro』と呼びます。
銀色の袋に入ったマイコンボードです。
コンスルーピン
本ガイド内では『コンスルー』と呼びます。
金色の魚の骨のような部品です。
スペーサー
本ガイド内では『スペーサー』と呼びます。
プレート各種をネジ止めするのに必要です。
スペーサーは7mmが15個、4mmが4個、4mm(オスメス)が5個入っていますので確認してください。
ネジ
スペーサーとともにプレート各種をネジ止めするのに必要です。
3mmのネジが36個以上入っていますので確認してください。
ゴム足
シートについたゴム足が8個入っていますので確認してください。
TRRSジャック
本ガイド内では『TRRSジャック』と呼びます。
JISplit89の左右を接続するケーブルのために必要です。
2個入っていますので確認してください。
タクトスイッチ
本ガイド内では『タクトスイッチ』と呼びます。
JISplit89の頭脳部分、ProMicroのファームウェアを書き込む際に必要です。
2個入っていますので確認してください。
スタビライザー(2U)
※写真のスクリューインタイプ(ネジ固定式)とは異なり、スナップオンタイプ(クリップ固定式)の場合がありますが、機能に差はありません。
スナップオンタイプにはネジが付属していません。
本ガイド内では『スタビライザー』と呼びます。
スペースキーやシフトキーなどの長いキーをまっすぐ押せるように安定させる効果があります。
2個入っていますので確認してください。
キット外で必要なもの
一覧
品目 | 数量 |
キースイッチ | 89 |
キーキャップ | 89 |
MicroUSBケーブル |
1 |
3.5mmステレオミニケーブル もしくは TRRSケーブル |
1 |
LED(YS-SK6812MINI) | 20 |
LEDテープ(WS2812B)(オプション) | 2 |
キースイッチ
本ガイド内では『キースイッチ』と呼びます。
JISplit89はCherryMX互換スイッチに対応しています。
89個必要です。
キーキャップ
本ガイド内では『キーキャップ』と呼びます。
JISplit89はCherryMX用のキーキャップのみを使用できます。
JIS対応のキーキャップじゃないと数字列の刻印が一致しないので注意が必要です。
※ISOエンターが入っているだけのキーキャップでは一致しないので、気になる方はよく確認してください。
以下にJIS対応のキーキャップの例を挙げておきます。
FILCO Majestouchシリーズ専用交換用キーキャップセット 日本語108キー(91キー兼用) カナありモデル ブラック FKCS108JB
FILCO Majestouchシリーズ専用交換用カラーキーキャップセット 日本語108キー(91キー兼用) カナありモデル 2トーンB FKCS108JO/D
FILCO Majestouchシリーズ専用交換用キーキャップセット 日本語108キー(91キー兼用) カナなしモデル ブラック FKCS108NB
Micro USBケーブル
本ガイド内では『USBケーブル』と呼びます。
JISplit89とPCとをつなぐために必要です。
3.5mmステレオミニケーブル
本ガイド内では『ステレオミニケーブル』と呼びます。
3.5mmステレオミニケーブルのオス⇔オスを用意してください。
ステレオミニプラグ オーディオケーブル、RAYWILL 高音質再生 オス/オス無指向性 標準3.5mm AUX接続 (0.5m)
LED(オプション)
別途20個用意することでブロッカー部分やファンクションキーなどの外周の列を光らせることができます。
半田付け難易度は高いですが実装数は20個とキー数に比べて少ないので是非チャレンジして輝かせてください。
LEDテープ(WS2812B)(オプション)
本ガイド内では『LEDテープ』と呼びます。
ミッドプレートの裏からより光らせるために使用します。
※LEDテープを利用してもあまり光りません。。そのうちアクリルバックプレートを用意するので、その時に実装してもいいと思います。
無線対応する場合に追加で必要なもの
JISplit89にはオプションパーツを搭載することでBluetoothによる無線接続が可能です。
無線対応には大きく分けて4種のパーツが必要です。
BLE Micro Pro
本ガイド内では『BMP』と呼びます。
ProMicroの無線対応版、のようなものです。
※LPME-IO(PC間無線、左右間有線)には対応しておりません。
BMPを2つ購入してください。
コンスルー
BMPとLPMEはコンスルーが同梱されておりませんので、別途4本用意してください。
電池部品セット一覧(オプション)
品目 | 数量 |
ショットキーダイオード | 4 |
コンデンサ | 2 |
スライドスイッチ | 2 |
コイン電池ケース | 4 |
2mm高2pinコンスルー | 2 |
ショットキーダイオード
本ガイド内では『SBダイオード』と呼びます。
ボタン電池の上下指し間違えを防ぎます。
キースイッチ用のダイオードとは違いますので保管する場合は別にして保管してください。
コンデンサ
本ガイド内では『コンデンサ』と呼びます。
ボタン電池の電圧を安定させ、寿命を伸ばします。
スライドスイッチ
本ガイド内では『スライドスイッチ』と呼びます。
電池のオンオフを行うスイッチです。
コイン電池(CR1632)ケース
本ガイド内では『電池ケース』と呼びます。
コイン電池(CR1632)を収めるケースです。
2mm高2pinコンスルー
電池基板が実装されているボトムプレートと実装プレートを接続するコンスルーです。
曲がりやすいので、気をつけてお取り扱いください。
必要工具
工具それぞれの説明はこちらの記事に書かれていますので、併せて参照してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
不安な人、LEDを実装する人は以下の物を全て揃えてくださると、安い物を使うより各段に実装が楽になります。
※このページで得られたアフィリエイト収益は、全て私の自作キーボードキットの価格維持に使います。
ハンダこて
ハンダこて台
こて先
ハンダ
ハンダ吸い取り線
ドライバー(m2ネジ対応のもの)
ベッセル(VESSEL) メガドラ 細軸 ドライバー +0×75 910
※ケースのネジは「+0×75」を、スタビライザーのネジは「+1×75」がおすすめです。
ニッパー
ヤスリ(あったほうがいい)
NO.1 Direct ダイヤモンド ヤスリ セット 10個入り サンドペーパー6枚付き (140MM)
作業マット
プラス カッターマット 両面 A4 230×320mm グリーン 48-573
フラックス(あったほうがいい)
ホーザン(HOZAN) フラックス 鉛フリーハンダ対応 便利なハケ付きキャップ付 容量30mL H-722
マスキングテープ(テープであればいい)
エーモン 目盛り付きマスキングテープ 幅20mm×長さ約15m 1693
逆作用ピンセット(あったほうがいい)
ホーザン(HOZAN) 逆作用ピンセット ツイーザー サードハンド 全長165mm 先端幅2mm 最大開幅約20mm P-89
虫眼鏡(あったほうがいい)
KRAVAS 拡大鏡 LEDライト付き 手持ちルーペ 大きく 見やすい 軽い 直径140mmで読み物に便利なサイズ
ライト(あったほうがいい)
Ledlenser(レッドレンザー) LED懐中電灯 P7R 強力ライト/定番サイズ 【明るさ約1000ルーメン】 【最長7年保証】 充電式 [日本正規品] 9408-R
テスター(あったほうがいい)
エポキシ樹脂(あったほうがいい)
セメダイン 5分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー5 15gセット箱 CA-184
マジックペン(あったほうがいい)
ゼブラ 油性ペン ハイマッキー 黒 3本 P-MO-150-MC-BK3
組み立て
いよいよ組み立てです。
まとまった時間は用意できましたか?
本キットには取り付け順序があります。
工程によって、取り付けられなくなるパーツがありますので、十分注意してください。
ProMicroの袋を開ける
ハサミを探したくなかったら下の写真のように斜めに思いっきり行きましょう。
ProMicro付属のピンヘッダを捨てる
ProMicroを袋から出したらすぐに捨てます。
もったいないと思っても使い道を3秒で思い浮かばなかったら潔く捨てましょう。
だいたい使いません。
下の写真のような、銀色の魚の骨のようなやつです。
(オプション)Pro Micro、BMPの補強
エポキシ樹脂を使ってPro Micro、またはBMPの補強をします。
乾燥に多少時間がかかるので最初にやってしまいましょう。
エポキシ樹脂の乾燥時間や使い方はエポキシ樹脂の説明を読んでください。
樹脂はUSBジャックの中に入らないように周囲を盛っていきます。
多めに盛りすぎてUSB端子が入る穴に流れ込まないよう注意してください。


Pro Microの書き込み
Pro Microの書き込みは3つの方法があります。
本ガイドでは簡単な方法から紹介していきます。
1.Remap、またはVIAを使う
RemapというChrome上で動くWebアプリ、またはVIAというソフトを使ってキーマップを簡単に編集することができます。
LEDインジケータをレイヤーに応じて光らせることができますし、何より黒い画面を余り見なくても良いのでとりあえず使ってみるという初心者の方にオススメしています。
以下のHEXファイル(ファームウェア)をダウンロードし、Pro Microに書き込みます。
HEXファイルをPro Microに書き込む手順はこちら。
salicylic-acid3.hatenablog.com
Pro Microに書き込んだらRemapまたはVIAを起動して接続するとキーマップが書き換え可能になります。
salicylic-acid3.hatenablog.com
salicylic-acid3.hatenablog.com
2.QMK Configuratorを使う
WebGUIを使用してファームウェアを作成し、ダウンロードすることができます。
LEDインジケータは光りませんし、出来ることは上記のRemap、VIAと同じ位なので、基本的にはRemap、VIAをおすすめします。
ChromeまたはVIAをPCにインストールできない環境にある場合は本方法を用いるといいと思います。
以下の記事を参照し、使用したいキーマップのHEXファイルを作成します。
salicylic-acid3.hatenablog.com
HEXファイルを作成したらPro Microに書き込みます。
3.QMK環境を構築し自分でコンパイルして書き込む
最も色々なことができます。
Remap、VIAでできないことが出来るようになりますが、コマンドで操作する必要があるため、慣れていない人には非常にハードルが高いです。
QMK環境構築の手順はQMK公式のガイド(日本語)を参照することが一番確実です。
他のブログ記事の手順は古くなっている場合も多いので、必ず公式のガイドを参照しながら作業を行ってください。
JISplit89用にデフォルトで用意したのは以下の2マップです。
マップ名 | 説明 |
default | JISキーボードの標準的な配列を目指しました。 |
salicylic | JISキーボードで、私の使いやすい配列です。私はCorneやColosseum、Nakedシリーズでもこのマップを使用しています。 |
BMPの書き込み
以下のページを利用してファームウェアの書き込みを実施してください。
https://sekigon-gonnoc.github.io/BLE-Micro-Pro-WebConfigurator/
※BMPを購入したばかりの方は上から順にアップデートを実施し、「キーボードごとの設定を書き込む」で「JISplit89」を選択してください。
左手用の場合「Is Left」を、右手用の場合「Is Slave」を選択してください。
分からない場合、以下のドキュメントページを参照してください。
上手く接続できない場合
まずはこちらを確認し、自分の状態と見比べてください。
実装プレートの上下のタブ(余白部分)を切り離す
※ロットにより工場で切り離されている場合があります。その場合は本項目をスキップしてください。
実装プレートの上下のタブを折ります。


バックプレートの上部分を切り離す
左右のボトムプレートの上部分を切り離します。
※上部分は最後にマイコンのカバー兼チルト用の足として使用するので捨てないでください!
(オプション)実装プレートの左右を切り取ります
左右分離型として使用する場合、実装プレートの左右を切り離します。
一体型として使用する場合はそのまま切り離さずにしておくとTRRSジャックは不要になります。
バリをヤスリがけする
ニッパーで切り取った部分をヤスリがけします。
100均のヤスリでも十分ですが、いいヤスリは作業性を著しく上げますので、この際に買ってもいいかもしれません。
NO.1 Direct ダイヤモンド ヤスリ セット 10個入り サンドペーパー6枚付き (140MM)
プレートの断面をサインペンで塗る
実装プレート、トッププレート、バックプレートの断面は白っぽくなっていると思います。
その断面をぐるっと一周サインペンで黒く塗ります。
サインペンの太い方でざっと塗り、細かいところを細い方で塗ります。
この一手間が出来上がりの質感を上げますので是非やってください。
ゼブラ 油性ペン ハイマッキー 黒 3本 P-MO-150-MC-BK3
(オプション)ブロッカーLED(YS-SK6812MINI-E)の取り付け
LEDは一番最初に実装するのが簡単なので最初に実装しましょう。
このYS-SK6812MINI-EというチップLEDの4つの足は一つだけ斜めに切り欠きがあり、それがGNDです。
切り欠きをGNDに合わせてLED発光部分が裏面に来るように穴に嵌め込みます。
穴は結構ぴったりめに作ってありますので嵌めづらいかもしれませんが、足がパッドにちゃんと付くように嵌めます。
※ブロッカーLEDは以下の位置にあります。
※画像は7sProのものです。
LEDの足をはんだ付けします。
従来のLED(SK6812MINI)に比べて熱に耐性がありますが、270℃~320℃で一本ずつゆっくりはんだ付けします。
LED(YS-SK6812MINI-E)はんだ付け動画
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年9月27日
※動画ではPro Microのスルーホールをテープで塞いでいませんが、はんだが流れないように止めておくと安心です。 pic.twitter.com/4gHu6P2zH5
(オプション)外周列のLEDを取り付ける
※外周列のLEDは以下の場所にあります。
取り付け時にProMicro用のスルーホールを潰さないように気をつけてください。
例えば下の写真のようにマスキングテープやカプトンテープで塞いで置くと安心です。
(オプション)LEDテープを取り付ける
左手側は1個分を切り離しておきます。
(左手側に5個、右手側に7個LEDのチップが来るようにします)
LEDテープの剥離紙を剥がして端の印字が一致する(+5v、Din、GND)ように貼り付けます。
※写真は試作品なので一部キーの向きが異なります。
金色の部分とパッド部分をハンダでブリッジします。
多めに盛ってあげるとうまくいきやすいです。
LEDテープはんだ付け
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年9月27日
JISplit89や7sPlusは右側に7個のテープLEDが搭載できるので、左側のLEDテープから切り取った一個をつなげています。 pic.twitter.com/Ad7TSxcGiS
※右手側はスタビライザーの足部分に干渉しますが、なるべく密着させるように貼り付ければそのままで大丈夫です。
(オプション)LEDのテスト
LEDを取り付ける場合、この段階なら直しやすいので先にLEDのテストをします。
ProMicroにピンヘッダを取り付ける、ファームウェアを書き込むを先に実施してください。
※ファームウェアの書き込みでタクトスイッチを押す部分が有りますが、RSTとGND(下写真の赤丸部分)をピンセットで一瞬触れることで代替できます。
※BMPの場合、この段階でのLEDテストは難しいので、出来ればPro Microでテストしてください。
またBMPの場合、裏表を間違えると一発で使用不可能になるのでくれぐれも注意してください。
裏面側(LED Tapeと書かれている方)に取り付けた時、チップなどの部品類が見えるように取り付けます。
LEDを導通するハンダは衝撃や捻りに弱いので、後の行程で不要な力が掛からないように注意してください。
タクトスイッチとTRRSコネクタをマスキングテープで仮止めする
裏面にタクトスイッチとTRRSジャック(オプション)を実装プレートに差し込みます。
※部品はパチリとハマりますがはんだ付けの途中で浮くことがあります。不安な方はマスキングテープで押さえておくと安心です。
タクトスイッチとTRRSコネクタをハンダ付けする
表面からそれぞれの足にハンダを付けていきます。
足にハンダこてを当ててからハンダを送ります。
もっこりするほど送らなくてもいいです。
タクトスイッチハンダ付け pic.twitter.com/ZoYcqqBNd4
— サリチル酸@自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) March 21, 2019
TRRSコネクタハンダ付け pic.twitter.com/JIaM7v2mPo
— サリチル酸@自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) March 21, 2019
(オプション)スタビライザーを潤滑する
スタビライザーの取り付けの前に、ルブの一手間を加えることで静粛で上質なキーボードになります。
ルブの方法は以下の記事を参考にしてください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
スタビライザーを取り付ける
表面(温泉マークがある面)にスタビライザーを取り付けます。
スクリューインタイプのスタビライザーの場合、裏面からネジ止めする必要がありますので忘れずに。
クリップオンタイプのスタビライザーの場合、パチっと最後まで押し込んでください。
また、取り付けの際に、スタビライザーの底に絆創膏のバンド部を貼り付けたり、ルブを塗布するとよりいい感じになります。
ルブの方法は以下の記事を参考にしてください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
トッププレートにスペーサーをネジ止めする
裏表に注意しながら7mmのスペーサーをトッププレートにネジ止めしていきます。
スイッチをはめる
スイッチの足が曲がっていないことを確認してからスイッチプレートに差し込んでいきます。


なお、一度でも足がクシャクシャになってしまったスイッチ、はんだ付けしたことがあるスイッチはスイッチソケットには差し込まないでください。
スイッチソケットの中の金具が変形し、スイッチを押しても反応しなくなる可能性があります。
スイッチの取り付け方は以下の動画を参考にしてください。
kbd67Liteにスイッチをはめるだけの動画
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2021年3月1日
ケースにプレートを取り付けた状態のままスイッチを差し込んでいくとソケットが破損する恐れがあるので、できるだけ分解してソケットを裏から押さえながらスイッチをはめてください。
※ビルドガイドにも注意が記載されていた内容です。 pic.twitter.com/7TyGlx2A64
実装プレートの裏面からスイッチの足を確認する
実装プレートの裏面のソケットの隙間からスイッチの足が間違いなく刺さっていることを確認します。
下の写真のように斜めから見ると分かりやすいです。
実装プレートにコンスルーを差し込む
ProMicroを使用する場合はBat+とBat-を避けるように差し込みます。
BMPを使用する場合は下の写真のように「Bat+」にかかるように差し込みます。
ただし、コンスルーには向きがあります。
写真の赤丸の金色の部分が片方の面から両方見える様に、また金色の部分がProMicro側に寄っている様に取り付けます。
分かりづらかったら以下のドキュメントも合わせて確認してください。
※ProMicroの裏表は本ビルドガイドの通りに実装してください。
ProMicro、BLE Micro Proをコンスルーに差し込む
アンダーミドルプレートを置いてからUSB端子が外側に向くようにProMicro、またはBLE Micro Proを取り付けます。
ProMicroの場合、一番上のBat+、Bat-を避けて差し込んでください。


ProMicroにコンスルーをハンダ付けする
※BMPはハンダ付け不要です。
コンスルーとPro Microとのハンダ付けはPro MicroのUSB端子やマイコンチップが付いている方からハンダ付けします。
320℃に設定してコンスルーを1秒程度温めてからハンダを送ります。
24のピン全てをハンダ付けします。
Pro Microはんだ付け(7sシリーズ用)
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年9月27日
7sシリーズはチップ面が見える状態ではんだ付けします。
修復は非常に手間なので、裏表に十分注意してください。 pic.twitter.com/h4ITyrOwVM
左右をステレオミニケーブルもしくはTRRSケーブルで接続し、USBを接続する
必ず左右間をステレオミニケーブル、もしくはTRRSケーブルで接続してからUSBを差し込んでください。
※USBを差し込んでから左右を接続しようとするとショートが発生し、故障の原因となりますので絶対にしないでください。
テストする
PCに繋ぎ、VIAのテストモードでキーの反応をテストします。
salicylic-acid3.hatenablog.com
電池基板を実装しない方は次のボトムプレートにスペーサーをネジ止めするへ行ってください。
(オプション)電池部品セット組み立て
バックプレートに電池部品セットを取り付ける
バックプレートの模様が無い側にSBダイオードとコンデンサを取り付けます。
SBダイオードとコンデンサは予備ハンダをしてはんだ付けします。
※予備ハンダとはダイオードを取り付けるところにあらかじめはんだを盛っておくことです。
ハンダこての温度は320℃に設定してください。
量は下の写真くらいで大丈夫です。
ハンダの量が多すぎたり、ハンダが尖ってしまったら(ツノがたったといいます)吸い取り線で一回吸い取ってからもう一度盛ります。
吸い取り線は新しい銅色の部分を吸い取りたい部分に当て、上からハンダこてを当てて吸い取ります。
吸い取り線の吸い取って銀色になった部分はもう使えませんので、ニッパーで切り取ってしまいます。
また、何度やっても尖ってしまう場合、長く温めすぎてフラックスが飛んでしまった可能性があります。
一度つけるパッドにフラックスを一塗りしてからやってみてください。
逆作用ピンセットでダイオードをつまみ、予備はんだの上に置きながら予備はんだをハンダこてで溶かす事ではんだ付けします。
表面実装ダイオードハンダ付け pic.twitter.com/hKRUXsMba6
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2019年3月21日
次はコンデンサを同じ要領ではんだ付けします。
※コンデンサには向きは有りません。


電池ケースはマスキングテープで抑えて裏からはんだ付けします。
スライドスイッチもマスキングテープで抑えて、裏からはんだ付けします。
裏返して、スライドスイッチの脚をギリギリで切ってはんだ付けします。
2Pinコンスルーを実装プレートに取り付ける
BMPを用いた無線を利用する場合、電池部品セットの2pinコンスルーを実装してください。
ピンを曲げないようにゆっくり差し込んでください。
ボトムプレートに対応する穴にあわせ、ピンをゆっくり確実に差し込んでください。
ボトムプレートに対応する穴にあわせ、ピンをゆっくり確実に差し込んでください。


ボトムプレートにスペーサーをネジ止めする
ボトムプレートに4mmのスペーサーを底面側(模様がある方)に取り付けます。
ボトムプレートを取り付ける
ボトムプレートの下半分をネジ止めします。
上のネジ穴にはスペーサー(オスメス)をねじ込みます。
※写真は7sKBのものです。
ボトムプレートの蓋をネジ止めします。
ゴム足を貼り付ける
バックプレートの好きな位置にゴム足を貼り付けます。
私のおすすめは下の写真の位置(見づらいですが四隅)です。
ガタツキがある場合は微調整します。
(オプション)電池を挿入する
BMPを使用する場合、CR1632コイン電池を+を底面側にして挿入してください。
※コイン電池は1個でも動きますが、寿命を重視する場合は2個入れてください。
キーキャップを取り付ける
自分の求めるキーマップに応じた配置でキーキャップを取り付けます。
キーマップをカスタマイズする
以下の記事を参考にオリジナルのキーマップを探求してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
salicylic-acid3.hatenablog.com
完成!
お疲れ様でした!
達成感とともに、ゆっくりと自作キーボード温泉に浸かってください。
また、出来上がったキーボードの写真を私に見せていただけると大変嬉しいので、是非私のDiscordにいらっしゃって写真だけでも貼っていってください!
動かない時に
以下のサイトがトラブルシューティングについて網羅していますので参考にしてください。
おわりに
ビルドガイドはいかがでしたでしょうか。
分かりやすかったでしょうか。
なるべく組み立てやすい様に設計したつもりですが、なにかわからないことが有れば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
本記事はNaked64SF v2で書きました。