自作キーボード温泉街へようこそ。
こんにちは。駆け出し温泉プレゼンターのサリチル酸です。
2019年の初記事はキーキャップ塗装に続くお手軽シリーズ第二弾、自作パームレストの作り方です。
今回はキーキャップ塗装よりも簡単に作れますのでチャレンジしてみてください。
- パームレストとは
- パームレスト要否の確認
- パームレストの材質
- パームレストをお手軽自作する
- 必要な道具
- 必要な材料
- (オプション)角をヤスリで削り落とす
- 型紙を作る
- 表皮を型紙に合わせて切り取る
- 表皮を木材に貼り付ける
- 角部分の処理をする
- 余白部分を留める
- 角部分の処理をする
- 滑り止めを貼り付ける
- 完成
- おわりに
パームレストとは
パームレストとは、その名の通り手のひら(パーム)を休める(レスト)部分のことを指します。
キーボードの前に置く手のひらを置く場所です。
※人や製品によってはリストレストと呼称したりもしますが、本記事内ではパームレストと統一させていただきます。
私の職場を見渡してもパームレストを使用している人はあまり多くなく、高級キーボードを愛用している方でもパームレストは使用していないことが多いと感じています。
といっても必須ではありませんし、使っていない人を貶めるわけでも勿論有りません。
ただ、使っていない人で手首の痛みを感じている人には以下の順序で確認してからパームレストをおすすめしています。
※以下は医学的見地に基づいた話ではなく、あくまで私の経験則によるものです。
パームレスト要否の確認
椅子が高すぎor机が低すぎないか
手首の痛みは曲げた状態で長時間体重をかけたり力を入れ続けたりする場合に発生します。
椅子が高すぎる場合、もしくは机が低すぎる場合、上から手をついて体重をかける形になりますので手首に負担が集中します。
本項目に該当する場合、パームレストの導入の前に椅子を調整しましょう。
手を浮かして打鍵していないか
手を浮かしてずっと打鍵する方は少ないと思いますが、日本語キーボードではエンターキーを押すときに手を浮かせて中指や人差し指で押す方もいると思います。
癖になっている方が多いと思いますが、当然手首をあまり動かさない方が披露は溜まりにくいです。
ただし、普通の日本語キーボードを使用し続ける限り、このエンターキーの打鍵ポジションの修正は非常に難しいと思います。
このような打ち方をされている方はパームレストの導入を検討してください。
手首を痛める前に、エンターキーが長い英字キーボードに変えるか、自分に最適化した自作キーボードを作るか、手のひらを滑らせて動かしやすいように硬めのパームレストを用意してください。
キーボードの高さが相対的に高くないか
キーボードのキーの高さが相対的に高いとパームレストの効果は高くなります。
相対的に、とは自分の指と比べて、です。
指が短い人と長い人ではキーボードの高さの基準が異なります。
指が短く手の甲に違和感がある人はキートップとの高さとの相対的距離を縮めるためにパームレストは必須です。
逆にキーボードの高さが低い場合と、クラムシェル型ノートPCの様にパームレストが一体になっている場合はパームレストは不要です。
3D形状のキーボードを使用している場合
Colosseumシリーズやチルトテント機構を採用しているキーボードを使用している場合、パームレストは必須です。
できれば自分の体格にあわせて自作をおすすめします。
3Dキーボードは机の面を基準点とせず、リストレストの使用を前提とした上で、手のひらの位置より下にキーを配置している場合が殆どです。
私は以上の順で確認し、パームレストの導入を検討しています。
パームレストの材質
市販のパームレストの材質は大きく分けて2種類です。
それぞれのメリット・デメリットを書きます。
ウレタンなどの柔らかい素材
一般的なパームレストといえばこちらを想像する方も多いと思います。
1,000円以下で購入できます。
エレコム リストレスト 疲労軽減 "COMFY" ロング(ブラック) MOH-012BK
メリットは吸湿性があるファブリックを採用していることです。
デメリットは柔らかいことによるポジション変化(体重をかければ沈むし、ヘタる)と手首を動かしづらくなることです。
※柔らかいことはキーボーを使う場合、デメリットなのでご注意を。
とはいえ安いので、ヘタったら買い換えるという方も多いのではないでしょうか。
木などの硬い素材
3,000円程度から購入できます。
FILCO ウッドパームレスト Mサイズ 幅(360mm) 天然堅木製 オスモカラー仕上げ 日本製 ブラウン FWPR/M
分割型の自作キーボードに最適な分割型もあります。
FILCO ウッドパームレスト Sサイズ 分離型(2分割) 幅(296mm) 天然堅木製 オスモカラー仕上げ 日本製 ブラウン FWPR/S
メリットは硬い故に滑らせて動かしやすいことと、ヘタリなどでポジションが変化しないため長く使えることです。
デメリットは木材では吸湿性に限界があり、夏ベタつくことです。
既成品を買うならこちらのタイプがおすすめです。
パームレストをお手軽自作する
長かった前置きも終わり、ようやく本題です。
自分が欲しいパームレストの条件をまとめます。
・硬くヘタらない素材であること
・長いと邪魔なのでジャストサイズであること
・吸湿性があること
・安いこと
・必要な厚みで作れること
以上の条件を満たすパームレストを作っていきます。
必要な道具
はさみ
型紙を切ったり表皮を切ったりするのに必要。
裁ちばさみやデザインナイフがあればモアベター。
ハンドタッカー
表皮をレスト本体に貼り付けるのに必要。
ダイソーの300円のもので十分です。
ダイソーのものは針が付いてないので別途購入してください。
サンドリー(SUNDRY) 2WAY強力ハンドタッカー ステープル(替針)200本付 PHT-2W
両面テープ
表皮を型紙通りに切るときや貼り付けるときにズレないように必要。
折り込めば見えないので無くてもOK。
ニチバン 両面テープ ナイスタック 一般タイプ 15mm×20m NW-15
(オプション)紙やすり
切りっぱなしの角を丸めるために使用。
とはいえ表皮で覆いますし、角は打鍵中に触れないのでなくてもいいOK。
ただし、3Dキーボードの場合、最下段キーを押すために親指の可動域を確保する関係上、角を落とした方がいいです。
ダイソーのもので十分です。
私は併せてハンドサンダーを使用しました。
必要な材料
木材
2×4(ツーバイフォー)材というよくある建材を使用します。
表皮で覆ってしまうので見た目にこだわらず、適当に選んでOKです。
だいたいホームセンターで2m300円から500円くらいで売っていると思います。
幅や硬さなどこだわりがある方はこだわって選んでいいのですが、パルサ材はスカスカでタッカーの針が抜けてしまうので避けてください。
ついでに買うときにホームセンターのカットサービスなどで切ってしまいましょう。
1カットあたりも安いですし、自分でノコギリで切るよりまっすぐに切ってくれるのでおすすめです。
表皮
表皮は好きな布や革を用意してください。
手のひらは汗をかくので吸湿性の有る素材がベターです。
吸湿性のないビニールレザーなどでは夏場ベタついて気持ち悪くなります。
私は椅子の座面の修理や車の内装に使用したウルトラスエード(≒エクセーヌ≒アルカンターラ)の端材を使用しました。
※なお、東京圏にいる場合、浅草橋が革が安いのでおすすめです。
エクセーヌ(パンチング 黒?ダークグレー ※裏貼り グレー)135cmx44cm
滑り止め
パームレストが机の上で動くと凄くストレスになるので必須です。
私はホームセンターで150円位のものを使用しました。
(オプション)角をヤスリで削り落とす
前述の通りやってもやらなくてもいいです。
やる場合、80番の紙やすりでざっくり削ってしまいます。
ハンドサンダー等があればより早く削れます。
型紙を作る
後で足りなくなったりしないためにざっくりでいいので念のため作りましょう。
写真のような十字型の型紙にしなくても後で折り込めばOKです。
ぴったりサイズに作っても生地が伸縮するのでざっくり大きめでいいです。
表皮を型紙に合わせて切り取る
両面テープで生地と型紙を貼り付けて生地を切ります。
写真忘れました。。
表皮を木材に貼り付ける
生地を引っ張りながらタッカーで留めていきます。
たるみが無いか表面を確認しながらやってください。
ダイソーのタッカーを使用する場合、ビビりながらゆっくりやると失敗します。
勢いよく、一気にやりましょう。
角部分の処理をする
角部分を折り込みながら裏面をタッカーで留めます。
余白部分を留める
引っ張りながら、シワやたるみを確認しながらタッカーで留めていきます。
角部分の処理をする
型紙をピッタリサイズで作ると以下写真の様に隙間から木材が見えてしまいます。
その時は瞬間接着剤などで隙間が見えないように貼り付けます。
滑り止めを貼り付ける
滑り止めは四方に貼り付けましょう。
2箇所だとグラつきます。
完成
Colosseumシリーズに使う場合、親指の可動域を確保するために少し外側へオフセットするといい感じです。
おわりに
Colosseum44の動作確認をした時、思いの外打ちづらく感じて凄く焦りました。(その時はスピードスイッチ故かと思いました)
忘年キーでも手のひらの拳キーが押しづらいとの評価でしたが、ゆかりさんのLime40にはパームレスト必須との発言を受けてColosseum44にも試してみたところ、これがドンピシャでした。
今ではKailhのスピード軸も非常に使いやすく感じるほどに変わり、忘年キーで不評だった拳キーとThinkingFaceキーは私の手のひらに無くてはならない物になりました。
Colosseumシリーズを使用している方は是非検討してください。
(これでようやくレビュー記事が書けます。。)
次回はいよいよColosseum44のレビュー記事です。
salicylic-acid3.hatenablog.com
本記事に対して問い合わせ等あれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
この記事はColosseum44で書きました。