自作キーボード温泉街の歩き方

自作キーボードの世界は温泉に例えられます。自作キーボードの温泉街の楽しい歩き方を紹介します。

「Acid Caps ”Premium"」の紹介をするよ!

こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

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週報やXでは予告していました「Acid Caps "Premium"」がいよいよ届いたので、発売前に改めてどういうものか説明しようかと思います。

Acid Capsって?

私が展開する日本語配列にも対応したキーキャップセットシリーズの名前です。

「Acid Caps」というキーキャップシリーズのキッカケと概要については以下の記事を参照してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

Acid Caps "Premium"について

今までの"Standard"と"Collection"に加えて、"Premium"を今回追加します。

"Premium"は名前の通り高価格高品質ラインです。

"Standard"と"Collection"の倍近い原価と10倍のMOQ*1と引き換えに非常に自由度の高いセット組と高品質さ実現することが出来ました。

"Standard"と"Collection"との具体的な差異点については以下のとおりです。

  • 豊富なコンベックスキー
  • 40%対応キー
  • 英語配列キーボード向け日本語配列キー
  • 色の再現保証
  • 印字ズレ保証

それぞれ解説していきます。

豊富なコンベックスキー

"Premium"は親指で押すキーに使うコンベックス*2キーの種類が非常に豊富です。

"Standard"と"Collection"ラインでは2u~3uまでのコンベックスキーが1つずつ同梱されていましたが、"Premium"ラインは1u~3uまでのコンベックスキーが同梱されています。

1つずつではなく、たくさんです。

1uが8個、1.25uが6個、1.5uが3個、1.75u~3uは各1個です。

短いコンベックスキーが多い理由は、まさに日本の自作キーボードにおける採用例が多いからです。

とはいえ際限なくコンベックスキーを増やしても大多数の人にとって無駄になってしまいますし、価格も上がってしまいます。

そこで、"Premium"は私のキーボードに最適化しています。

ErgoArrowsは1uが8個、Naked64SF v3で1.25uが6個、Guide68で1.5uが3個といった具合です。

他にも7sPro用やJISplit89用にもマッチするように揃えています。

Premiumを作ったことによって、「サリチル酸の設計したキーボードにはとりあえずAcid Caps "Premium"を買っておけば良い」みたいな状況を作ることが出来ました*3

40%対応キー

40%サイズを愛する人にとって、40%サイズ特有のキーキャップの問題が有りました。

それが1.25uTabキーと1.75uエンターキーです。

以下のようなコンパクトなレイアウトのキーボードを作る場合の最大の障壁です。

どうしても揃わないので3Dプリンタ製のキーキャップでなんとかする図

"Standard"と"Collection"の製造工場にはこのキーの金型が無かったのですが、"Premium"の発注先には有ったので入れました。

割と嬉しい人も多い、ような気がしています。

キーキャップセットに入れてしまったからには、私も需要喚起のために何か40%サイズのキーボードを作らないといけませんね、ということで鋭意作っています。

英語配列キーボード向け日本語配列キー

英語配列キーボード向け日本語配列キーと書くとなんか変な日本語ですが、英語配列のキーボードをそのまま日本語配列としてPCに認識させたときに、記号が一致するようなキーキャップが欲しかったんです。

具体的に言うと、このキーキャップです。

メチャクチャ地味ですが、最初期のAcid Caps JPに入れていたくらい、私にとっては欲しいキーでした。

その後Acid Capsに統合する際にHHKB用のDeleteに押されて1.5uのキーが足りなくなり、泣く泣く廃止したキーです。

今回復活できて非常に嬉しく思っています。

地味にGuide68の作例で採用しています。

色の再現保証

"Premium"の発注にはPantoneカラーを用いて行っており、そのPantoneカラーの再現の保証をしてもらっています。

"Standard"と"Collection"も同じくPantoneカラーで発注していますが、テスト回数の問題や色の再現性保証がないことから結構妥協しています。

今回発売するReflex BlueはSeihakujiのリカラーバージョンなのですが、Seihakujiでやりきれなかったレジェンド印字の濃さにかなりこだわっています。

私がSeihakuji(とGray on Black)でやりたかったのは、パッと遠目で見たら無刻印のようにツルっとしているように見えるが、近くで見ると確かに文字が読めるという具合の印字です。

これが結構難しく、Seihakujiは妥協して少し濃くしてました。

Reflex Blueは色再現保証を最大限利用し、私の理想の色を実現しています。

印字ズレ保証

これは書くかかなり迷ったのですが、"Premium"は印字ズレ保証をしてもらっています。

逆にいうと"Standard"と"Collection"に印字ズレ保証がなく、それ故販売前の検品が非常に辛いことになっていました。*4

"Premium"はこの一番の懸念と稼働の元であった印字ズレに保証をつけることが出来ました。

これで私の精神的負荷がメチャクチャ軽減しました。

とはいえ、個人で発注していることから対応には限界があります。

定規等を当てて「◯ミリズレているから交換しろ」などと要求するような方に対しては、「2色整形のキーキャップ買ってください」と回答することになると思います。

どうぞお手柔らかにお願いします。

特にここのキーのズレが気になるんです。

他のスペック等

  • キー数:183キー※
  • 素材:PBT
  • キーの厚み:約1.5mm
  • プロファイル:Cherryプロファイル
  • 製造:Keyreative

※初回のReflex Blueはミスにより1.75uのControlキーがセットに含まれていません。
 後日単品でControlキーが追加される予定なので、必要な人は別途購入をお願いします。(その分セットを安くしておきます。)

キーレイアウトの詳細を確認する場合は以下のKeyboard Layout Editorを確認してください。

www.keyboard-layout-editor.com

購入先

Boothではなく、私のECサイト「Keeb-On!」から購入できるようになる予定です。

ECサイト「Keeb-On!」は7月13日頃オープン予定です。

余談

実はAcid Caps "Premium"は複数の海外ベンダーから取り扱いたいと連絡がありましたが、全て断りました。

取り扱う条件に「キーキャップセットの内容を変更すること」が有ったからです。

Acid Capsは日本の自作キーボードシーンのためのキーキャップなので、セットの変更は到底受け入れがたいのです。

日本語配列セットとかコンベックスセットとか、セットを小分けにしたらいいじゃんと思うかも知れませんが、世界的には需要がない日本語配列セットが+5,000円とかになったら嫌じゃないですか。

というわけで、日本の皆さん、よろしくお願いします。(懇願)

協力

撮影はKS Japan(Masro)さんにお願いして撮影してもらいました。

メチャクチャキレイで感動しています。

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おわりに

キーキャップセットを作ろう!と思ってから、やっと私の理想のキーキャップセットを作ることが出来ました。

私が自作キーボードを始めた時にこのキーキャップセットが有ればなあ、としみじみと思います。

Reflex Blueの他にも構想がありますので、Reflex Blueがある程度捌けた後に着手したいと思います。

 

本記事に対して問い合わせや要望があれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

この記事はO51Go + GoFortyケースで書きました。

*1:最低発注個数。
多いと単純にお金が必要だし、保管の場所の確保が必要になります。
発送拠点を私の家から外出ししていなかったら在庫で生活スペースが圧迫されてしまって家庭内地位が脅かされていました。

*2:凸形状、つまりスペースバーのようなかまぼこ形状。
主に親指で押すキーに使用する。

*3:"Standard"と"Collection"も同じように思っていただけるようにセットを組んでいましたが、発注先に金型がないコンベックスキーはどうにもならなかったです。

*4:だから新色追加や在庫追加が非常に億劫で、かなり気合が必要でした。
お待たせして申し訳有りません。