自作キーボード温泉街の歩き方

自作キーボードの世界は温泉に例えられます。自作キーボードの温泉街の楽しい歩き方を紹介します。

設計したキーボードの名付けの解説をするよ!

こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。

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最近Xでキーボードの命名について話題になり、私も過去作を思い返すキッカケになったのでまとめてみたいと思います。

はじめに

私という人間は好きな工程や部分にはメチャクチャ拘りますが、そうでないところはメチャクチャ大雑把です。

名付けは私の好きな工程にはカテゴライズされていないので、一部を除いてかなり適当です。

私が何でも細部に至るまで完璧にこだわっているように思っていただいている方は、その幻想を壊したくないので本記事を読まない方がいいです。

キッカケとなった記事

note.com

この記事のインタビューに返信しようとして、色々下書きしているうちにちゃんと全部描きたくなったので本記事を書きました。

申し訳ない!

温泉シリーズ

自作キーボード温泉街の歩き方

本ブログの名前です。

最初は「自作キーボード入門ログ」みたいな名前で2~3記事書くくらいで終わろうかと思っていました。

ちょうどその時Twitterで「自作キーボードは沼ではなく温泉だよね(健康にもなるからね)」のような話題になっていたので、温泉好きなのも相まってこのような名前にしました。

弟からも「兄にしてはいい名前じゃん」と言われたことを覚えています。

salicylic-acid3.hatenablog.com

Naked48LED + Yukata-Cover

私の初めて作ったキーボードです。

もともとレザークラフトが好きで、車に使った余りのスエード生地をカバーのようにすることを思いつきました。

温泉をテーマにした名前、ということでカバーを浴衣に見立ててYukata-Cover、ベースキーボードをNaked48(48はキー数)としました。

ネイキッドバイクも好きでしたし、これでいいと思ったんですが、Naked48と検索するとなんというか肌色の結果ばかり表示されるので、慌ててLEDを後ろにつけました。

このあとしばらくはシリーズ名+キー数+キーボードの特徴というネーミングルールでやっていました。

後にソケットをPCBAしてカバーを付属させたバージョンを追加し、Naked48Ezと名付けました。

Setta21

Nakedシリーズと接続するテンキーです。

当時愛用していたテンキーのレイアウトを踏襲しました。

浴衣を着ている時に使う履物を探していましたが、結局草履や下駄ではなく雪駄にしました。

雪駄は雪の上を歩くために裏に革を貼るのですが、裏からグルっと革を貼るオプションがあったら格好いいなと思ったからです。

ちなみに革を貼るオプションは革のレーザーカットが大変すぎて頓挫しました。

しかし、時を経てGoFortyで実現しました。

繋がっているんですねえ。

Naked60BMP

無線接続が可能なBLE Micro Proを使用し、コイン電池を内蔵できるようにするために1行追加したバージョンです。

シリーズ名+キー数+キーボードの特徴というネーミングルールですね。

見た目のバランス的にはNaked48LEDのほうが好きです。

Nafuda

自作キーボードの練習用として設計したマクロパッドです。

LED、ダイオード、ソケット、ProMicro、リセットスイッチ、TRRSジャックという基本パーツを全て使用する構成にしています。

Nafudaはイベントを強く意識していて、組み立てイベントの最後に自分の名前をいれるようにしたかったので、Nafudaという名前にしました。

温泉シリーズとしてもっと適した名前あるやろ、と思いましたが、思いつかなかったんでしょうがない。

実際にこれを使って何回か組み立て会イベントをやりました。

Naked64SF

オーソリニアばかり作っていましたが、その時流行り始めていたAliceレイアウトを試したくて設計しました。

でもどう考えてもAliceレイアウト使いづらいやろって思っていた*1ので、オーソリニアをベースにしてレイアウトしました。

私はロープロファイルスイッチが大好きでしたが、大柄なキーボードになるのでMXスイッチにも対応しようかと考え、両対応にしました。

その結果、MXスイッチの打鍵感の良さに惚れ込み、以後MXスイッチのキーボードを色々作りたくなりました。

ちなみに、SFはサイエンスフィクションではなく、ストリートファイターの略です。

ストリートファイターというとゲームを想像するかもしれませんが、名前の元となったのはバイクのジャンルのストリートファイターです。

フルカウルのスーパースポーツバイクのカウルを剥がしたというバイクで、当時私が乗っていたバイクのジャンルでもあったので、まあこれでいいやと決めました。

はい、考えるのが面倒になりました。

Getta25

Naked64SFに繋ぐためのテンキーパッドです。

MXスイッチ専用にした初めてのマクロパッドです。

Setta21と同じく履物の名前ですが、決定のキッカケはチルト用のプレートを下駄の足に見立てて名付けました。

このチルト用の足の下にコイン電池を仕込む方式は、後の7sKBシリーズに繋がりました。

ちなみに右側のキーが傾いているのは、Naked64SFの傾きと合わせるためと、増えてしまった横幅をごまかすために傾けました。

Naked64SF v3

本来なら新しい名前にするべきキーボードなので、フルフロンタルとかマスクとか色々考えましたが、結局しっくり来なくて面倒くさくなってv3と後に付けました。

コストが高すぎて販売が難しいんですよねこれ。

7sKBシリーズ

7sKB

HH◯Bのロープロファイル版が欲しいよね、という声を聞いたので作りました。

自分はNaked64SFで満足していたので、欲しい人が多そうなキーボードを作ろうかなって思い始めた時期でした。

Nakedという名前はカバーあってこそなので、新しいネーミングルールを考える必要がありました。

7sKBの名前は、◯〇KBという名前で良い感じのものを考えていた際に、すごくハッピーである意味でセブンス・ヘブンという単語があるらしいと聞いたので、7sKBと名付けました。

なのでセブンス・ケービーと読みます。

最初はロープロファイルスイッチとMXスイッチの両対応をしていましたが、MXスイッチ対応版を7sProに分離した後は、7sKBはロープロファイルスイッチ対応のみとなりました。

参考:

salicylic-acid3.hatenablog.com

7sPro

7sKBはChocスイッチ用に開発したんですが、圧倒的にMXスイッチの方が人気だったので7sProとして分離しました。

7sKBと比較してちょっと高価なバージョンとして設定していたため、7sKB Proと名付けて開発し、後に短縮して7sProとしました。

JISplit89

日本語配列のキーボードが欲しいとの声を受けて開発しました。

最初は7sシリーズの派生ということで7sPlus+Jという名前で考えていました(7sPlusという構想がすでにあったが、こっちを先に開発することにしたため)が、もう少しわかりやすくなるようにとJISplit89にしました。

由来は単純にJIS(レイアウト)+Split(分割)+89(キー数)です。

今考えるとJISという名前はちょっとアレなので、今名付けるならJ89Sでしょうかね。

ジスプリという略称は気に入っています。

参考:

salicylic-acid3.hatenablog.com

7sPlus

104キーキャップセット+1.75uシフトキーのみで網羅的に使えるように設計しました。

しかし、当時は1.75uシフトキーのあるキーキャップセットってレアだったんですよね。

7sKBにはカーソルキーもないので、ちょっと拡張して75%レイアウトの分割キーボードとして設計しました。

ちょっと拡張したのでPlusです。

Proとちょっと被っていますが、面倒くさくなったのでそのままPlusにしました。

このあたりで「キーボードにロゴっていらなくない?むしろない方が良くない?」って話が出てきたので、以後ロゴを含めて名付けに関わる優先順位をどんどん下げていくことになりました。

7sProMax

7sProのセルフリメイクとして設計しました。

よくiPhoneのネーミングルールを模倣したと言われますが、当時使っていたZenfone Maxから取っています。

iPhoneよりZenfoneの方がMaxのネーミングは古いんですよ。

7sMaxとしなかったのは語呂が悪いからです。

ErgoArrowsシリーズ

ErgoArrows

7sKBからの派生で、カラムスタッガード(エルゴ)配列のキーボードです。

カラムスタッガード(エルゴ)配列のキーボードは往々にしてカーソルキーが付いていなかったので、当時流行っていた65%サイズのカスタムキーボードにあやかってカーソルキー(アローキー)を両側に付けました。

エルゴ配列にアローキーを2つ付けたのでErgoArrowsです。

ErgoArrowsPro

ErgoArrowsをソケット対応し、アルミケースを前提とした構成にアップグレードしました。

7sProと同様のネーミングでErgoArrowsProと名付けました。

7sProMaxのネーミングとの齟齬が出てしまいましたが、まあしょうがないっすね。

Bezelシリーズ

Bazelケース

余白を楽しむためのケースシリーズがBezelシリーズです。

私自身は余白が広めのケースは好きではなかったのですが、友人が余白広めのデザインが好きだったので意見を聞いて作りました。

このBezelケースは私のケースの秀作と表面処理のテストのために作りましたが、予想以上に反響が有りました。

Bezelケースはこの他に2種ほど構想があったのですが、GoFortyシリーズや色々なキーボードに吸収されました。

ただ、GL516ケースのBezel2コンセプトはいつかやりたいと思っています。

GL516シリーズ

GL516ケース

Poker互換ケースの自由度の低さと設計のハードルの高さを、私なりに解決する方法として考えました。

汎用(General Layout)5行16列サイズのケースだからGL516ケースです。

今でもこれを使って設計を始めてくれる人もいるので、今後も継続してやっていきたいと思います。

A52GL、N51GL、J73GL

GL516ケースのリファレンスPCBの3種です。

AliceレイアウトのA、Naked64SFレイアウトのN、日本語レイアウトのJの3種です。

つまりレイアウト+キー数+ケース名で、最新作のGoFortyシリーズにも通じるネーミングです。

C48GL、O50GL

GL516リファレンスPCBの2期シリーズです。

1期と同じ命名規則となっています。

カラムスタッガードレイアウトのC、オーソリニアレイアウトのOです。

O50GLは、O51Goと紛らわしすぎて微妙だなって今となっては思います。

NKNLシリーズ

NKNL7EN、NKNL7JP

小説家である榎宮祐先生のために作ったキーボードです。

組み立て難易度が高く歩留まりが低いキーボードですが、私はかなり気に入っています。

榎宮祐先生のノーゲーム・ノーライフから発想し、No Keeb,No Lifeの頭文字からNKNLと名付け、70キー前後であるから7、英語配列であるからENと名付けました。

日本語配列であるNKNL7JPも、そのまんまですね。

AJシリーズ

AJisai74

ANSI配列と日本語配列を融合させる、というコンセプトから命名しました。

ですがコンセプト先行の命名ではなく、スタビライザーが使えないChoc v2スイッチを採用するために考えた苦肉の策でした。

また、命名Twitterで公募して命名しました。

割と気に入っているキーボードと名前ですが、組み立て難易度やChoc v2スイッチの変遷*2などから終売を決めました。

KeyFudaシリーズ

KeyFuda01TenkeyPad

KeyFudaシリーズはSetta21とNafudaのセルフリメイクです。

Nafudaの構造を踏襲しているため、KeyFudaと名付けました。

このマクロパッド自体の名前は01TenkeyPadですが、紛らわしいのでシリーズ名も含めて書くことが多いです。

KeyFuda02MediaPad

メディアを操作する用途のマクロパッドだからメディアパッドと名付けました、以上。

思ったよりもかなり売れたので、後の03StickPadも作る事になりました。

KeyFuda03StickPad

02MediaPadから1列減らしたマクロパッドで、握って使うために作りました。

スティック状だからスティックパッドです。

単純ですね。

KeyFuda04GridPad

01TenkeyPadを基本とし、ソケットをPCBAして組み立てを簡単にしたバージョンです。

グリッド状だからGridPadです。

FudaBako

KeyFudaを収めるための箱だからFudaBakoです。

私のDiscordで名前募集しました。

結構いい名前ですよね。

TeFuda

TwitterでKeyFuda02MediaPad用の良い感じのケースを見てしまったので作りました。

手で握るからTeFudaケースです。

Guideシリーズ

自作キーボード設計ガイド

そのまんまな名前ですね。

自作キーボード設計入門と被らないように、私のアカウント名である温泉ガイドのガイドと組み合わせて命名しました。

Guide68

自キ設計ガイドの作例にしているのでGuide68と命名しました。

これもそのまんまですね。

割と気に入っています。

Ent4Space

エンターとスペースキーのみのキーボードだから名付けましたが、販売できるとは思っていなかったため、あまり深くは考えてなかったかもしれません。

私のデザインはシンプルで退屈であるという自己認識があったため、打破するために色々考えました。

7Nano

Ent4Spaceのケースサイドのデザインが気に入っていたのと、Meishi展に出展するために作りました。

7キーで小さいから名付けましたが、ナナナノという響きが結構気に入っています。

Guide515ケース

Ent4Space、7Nanoとケースデザインを踏襲してきましたが、自キ設計ガイドの作例にしたのでGuide515(5行15列)ケースと命名しました。

逆にこれがGuideシリーズに入ったので、Ent4Spaceと7NanoがGuideシリーズに入っています。

J67G

せっかく作ったGuide515ケースですが、収めるためのPCBがないと寂しいのと、Acid Capsのリファレンスレイアウトのキーボードが欲しかったので設計しました。

日本語配列のJ、キー数の67、GuideシリーズのGから命名しました。

Acid Caps

日本語レイアウトのキーキャップがない、デザインが単調、ペラペラで辟易してきたので、自分で作りました。

Salicylic CapsかAcid Capsで迷いましたが、語呂と響きと書きやすかったのでAcid Capsにしました。

GoFortyシリーズ

GoFortyキーボード(O51Go、R47Go)

LofreeFlowの打鍵感が良すぎたので、自分で設計してみたくなって作りました。

純正スタビライザーがなかったことからスタビライザーが必要ない40%にしようと思い、40%サイズのコンパクトキーボードを盛り上げるためにGoFortyというコンセプトを考えました。

GoFortyコンセプトを考えるにあたって、今まで「いいものを作っていたら自然と受け入れられる」と無邪気に考えていたのを改め、訴求するためのストーリーをメインに据えて商品展開していくことにしました。

というわけでGoFortyという名前は「40%で行こうぜ」というストーリーから命名しました。

オーソリニアのO、キー数の51、GoFortyコンセプトのGoからO51Goで、

ロウスタッガードのR、キー数の47、GoFortyコンセプトのGoからR47Goです。

salicylic-acid3.hatenablog.com

GoFortyケース

と格好いいことを書きましたが、最初はNaked48LEDのセルフリメイクからケース設計を始めました。

Naked48LEDがベースなのでボトムは革張りですし、カバーがあるのです。

最初はNaked51Goという企画名でしたが、ストーリー仕立てにしていくと途中で決めたので、GoFortyケースという名前に改めました。

GoFortySplit

GoFortyキーボードが思ったより需要があったので、分割版も作ることにしました。

分割版だから捻りなくSplitです。

BeThirty

今のところはGoFortyの派生プロジェクトですが、更に一歩進んで「30%になる・至る」という意味で名付けました。

「40%で行こうぜ」からの「30%に至る」ってストーリーとして格好いいかなって思っています。

GoFortyと同じように、BeThirtyガイドブックを作るところまでやりたいですね。

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おわりに

最近ブログっぽいブログを書いてないなあと思ったので一気に書きました。

書くのってやっぱり楽しいですね。

 

本記事に対して問い合わせや要望があれば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。

salicylic-acid3.hatenablog.com

この記事はO51Go + GoFortyケースで書きました。

*1:ピリオドが傾いておらず、ちょっと離れているのがどうしても許せなかった。

*2:打鍵感の悪さ、スイッチプレートが使えない点、良好の打鍵感のLofree FlowスイッチがFixピン廃止したことの3点。