キーキャップの湯のお誘い

自作キーボード温泉街へようこそ。

こんにちは。温泉プレゼンターのサリチル酸です。

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キーボードの華であり、見るのも楽しいのがキーキャップです。

しかし、いざキーキャップを買おうとするとプロファイルがどうのとかダブルショットがどうのとか、値段もバラバラでなかなか買いづらいこともあると思います。

そんな華やかそうだけど、よく分からなくて少しためらってしまうようなキーキャップを楽しく選べるように今回は書きたいと思います。

最初に
プロファイル（形状）について
素材について
- ABS
- PBT
- その他
印字について
Artisanキーキャップについて
- おすすめArtisanキーキャップ
最後に

最初に

次の記事にアップデート版を作りましたので、こちらを参照せずに次の記事を参照してください。

salicylic-acid3.hatenablog.com

プロファイル（形状）について

何はなくともまずはプロファイルです。

プロファイルとはキーキャップの形状のことで、様々な種類があります。

f:id:Salicylic_acid3:20181205213447j:plain — プロファイルの断面図一覧

https://geekhack.org/index.php?topic=94475.0から引用

f:id:Salicylic_acid3:20181205213743j:plain — 並べて横から見てみる

https://geekhack.org/index.php?topic=83853.0から引用

これ以外にもKailhロープロファイルなど、様々な独自のプロファイルが有りますが、とりあえず基本の形状としてよく聞くものに絞って特徴を説明します。

SA

最も高さがあり、もっとも列毎の傾きが強いプロファイルです。

※列ごとに高さ、形状が違うことをステップスカルプチャーともいいます。

キーキャップ表面は球状に指の形にフィットするように抉れています。

キーキャップが大きく重いので打鍵が軽く、音が重く大きくなりがちです。

日本国内ではFilcoの交換用キーキャップが入手しやすいです。

FILCO Majestouch専用 108日本語かななし配列 2色成型カスタムキーキャップセット SPKCS108D

yushakobo.jp

Cherry

いわゆる普通の形状です。

各列で形状が異なりますが、変化量は小さく、低めのキーキャップです。

普通の形状なので、違和感は少ないと思います。

ヨドバシ.com - AS-KCS08PL/BKN [PBTフルキーキャップセット日本語配列 108キーカナ印字なし]のコミュニティ最新情報

OEM

いわゆる普通の形状part2です。

Cherryプロファイルを高く、傾斜をややキツくした形状です。

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DSA

すべての列で同じ形状をしていて、最も高さが低い形状です。

QWERTY以外の配列で刻印ありを希望するならこの形状（またはXDA）のものを組み替えて使うか、自分で昇華プリントするしかないです。

私も使用していますが、最初は使いづらさを感じましたが慣れるとそこまで悪くないと感じます。

全体的に無機質な印象となり、かっこいいです。（個人の感想）

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MDA（MIX1.0）

SAとCherryのいいとこ取りを狙った形状です。

SAのような形状で、OEMのような高さです。

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Cubic

高さはOEMに近いが、角ばっているTaiHao独自形状。

ロープロファイルSA

age_jaco様が開発した形状で、SAのような球状に抉れた表面と強い各段の傾斜が低く実現できている形状です。

これも凄く欲しいのですが、私は印字がないと戸惑ってしまう初心者なので手を出せません。。

DMMでプリントできます。

make.dmm.com

まだまだ他にも有りますが、取りあえず主要なものはこんなところだと思います。

プロファイル考察

SAは各段に強い傾斜が付けられているので、疑似的にではありますが3Dキーボードの用に打ちやすくなりますし、またレトロな外見から愛好者が多い形状です。

東プレでもHi-Pro仕様としてSA形状のキーキャップが採用されたモデルがあります。

ただし、キーキャップに高さがあるので色々な弊害が生まれてしまいます。

まずはガタツキ。

スイッチ自体にガタツキが多少有りますので、キーキャップが高くなることによってガタツキを大きく感じます。

次に、パームレストが必要になる可能性が高くなります。

（高さに加えて形状的に打ち下ろす必要があると思われるため）

逆にDSAは各段の高さが揃っているので上段が押しづらくなります。

これは奥側に大きめなゴム足を着けることである程度解消されます。

DSAは全体的に低くできるのでパームレストを使用せずに快適に使える可能性が高くなります。

f:id:Salicylic_acid3:20181206224540j:plain — DSAの高さと付けたゴム足の様子

買ったゴム足はこちら。

戸当りクッション粘着付き 16.0X7.9　(20pcs）

※アマゾンは20個入りなので買うならホームセンターで4個入りを買ったほうがいいと思います。

逆に言えば、何買ってもパームレストやゴム足で後で調整できるので、悩まず好きなの買って良いってことです。

パームレストの要否は人の体格やキーボードの種類によりますので、まずはタオルを置いて必要な高さを確かめてください。

くれぐれも常時手首を浮かせた状態で長時間入力したり、無理な体勢で打ち続けないようにしてください。

無理すると本当に腱鞘炎まっしぐらです。

素材について

キーキャップには様々な素材が使われています。

この項目では主要な素材と特徴について書きたいと思います。

ABS

アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile butadiene styrene)樹脂。

標準的な素材の一つで、日常かなりの頻度で見かける素材です。

廉価なイメージがありますが、発色もよく整形に制約が少ないことからオシャレなキーキャップも多いです。

PBTと比較すると軽いものが多く、打鍵音が高めになります。

PBT

ポリブチレンテレフタレート (polybutyleneterephtalate)樹脂。

標準的な素材の一つで、ABSに比べると高級素材です。

硬く手触りがいいことが多いです。

ABSと比べると比重が重いため、打鍵音が低めになります。

その他

Artisanキーキャップや、鋳造キーキャップなど、様々な素材で作られています。

純銀キーキャップを作った猛者もいます。すごい。

銀装着 pic.twitter.com/FXHbc4qxxL
— 銀鮭⌨ (@sirojake) November 20, 2018

印字について

シルクプリント

キーキャップ表面に塗料を乗せて印字する方式です。

使い込む方は結構すぐに印字が剥がれてしまう事があるようです。

バックライト非対応のノートPCのキーボードに使われることが多いです。

あまりシルクプリントキーキャップが売っているところは見たことが有りません。

レーザー刻印

レーザーによってキーキャップ表面を浅く彫り、その凹凸によって文字を印字する方式です。

レーザーによって彫る深さは浅く、使い込むと消えてしまうことがあります。

昇華印刷が使えない黒いキーキャップに多いです。

f:id:Salicylic_acid3:20181206002136j:plain — Nが少しだけ薄くなっていますが、すぐに消えることは無いと思います。

昇華印刷

熱と圧力によってキーキャップ表面に特殊なインクを染み込ませて印字する方式です。

素材にインクが染み込んでいるので、基本的に消えてしまうことは有りません。

融点が高いPBTのみ採用できます。

昇華インクで印刷したシートが有れば、自分で印刷することもできます。

白の印刷はできないため、濃色のキーキャップでは見づらく不向きです。

ダブルショット

色の違う2種の素材から整形することによって印字、というより金太郎飴のように文字を表現する方式です。

手間とコストがかかりますが、色味の全く異なる2色の色を使用できること、文字の形にバックライトを透過できること、消えてしまうことがないことなどからメリットは多くファンも多いです。

融点が低く成形しやすいABSが主流ですが、PBTのダブルショットも近年増えています。

待つこと1ヶ月！台湾から遂に届いたよー！！！ゆかりキーボードファクトリーのノベルティキーキャップ！！金型から作ってここまで長かった…。これは色見本のサンプルでこれから生産です。ちゃんと2色成形だよ！ pic.twitter.com/5NLBGFWIQj
— ゆかり (@eucalyn_) November 30, 2018