こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。
Vialというキーマップ変更ツールを使用するためには専用のファームウェアを書き込む必要があります。
今回はその書き込み方を解説しようと思います。
- はじめに
- 注意:マイコンによってファームウェアの書き込み方は異なる
- Case1.マイコンにATmega32U4を採用している場合
- Case2.マイコンにRP2040を採用している場合
- Case3.マイコンにBLE Micro Pro(以下BMP)を採用している場合
- ランキング参加中
- おわりに
はじめに
私が設計し販売するキーボードは基本的にRemapの使用を前提としているため、Remapに対応するファームウェアを書き込んで出荷しています。
Remapは日本語配列に対応している上、キーマップの共有機能もあり、とても使いやすいと思うからです。
Remapの使い方についてはこちらの記事を参照してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
しかし、Remapの他にVialという選択肢もあります。
VialはRemapと比較して機能が多く、細かく自分に合わせて調整することが出来ます。
代償にファームウェアサイズが大きく、一概にどちらが優れているという状況ではないと思います。
Vialの使い方についてはこちらの記事を参照してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
ということで、この記事ではVialを標準採用していないキーボードに対して、Vialのファームウェアの書き込み方をガイドしたいと思います。
注意:マイコンによってファームウェアの書き込み方は異なる
いきなり難しい言葉が出てきて面食らっている人も多いかも知れません。
キーボードにはマイコンという電子部品が搭載され、その中にファームウェアというソフトを書き込むことでキーボードとして動作します。
マイコンの種類によっては専用のソフトを使わないと書き込めないものや、ドラッグ・アンド・ドロップで書き込めるものがあります。
お使いのキーボードに採用されているマイコンの種類によっては書き込み方が異なるのでご注意ください。
Case1.マイコンにATmega32U4を採用している場合
ATmega32U4は色々便利なのですが、今となっては従来型のマイコンです。
このマイコンが採用されている場合、マイコンに書き込まれているブートローダーによって書き込み方が異なります。
ちょっと面倒くさいですが、ProMicroとそれ以外で分類するといいと思います。
KeebMicro-Cはそれ以外に該当します。
対象キーボード一覧
以下のキーボード名をクリックすることでVial対応ファームウェアをダウンロードすることが出来ます。
O51Go |
O51GoX |
R47Go |
O54GoS |
R49GoS |
O39Be |
R36Be |
ErgoArrows※ |
7sProMax※ |
※ErgoArrowsと7sProMaxは使用するマイコンボードによって異なります。
ブートローダーがCatarinaの場合の書き込み方
いきなりCatarinaと言われてもなんのことかわからないと思いますが、主に以下のマイコンボードを採用している場合のみとなります。
Pro Micro Micro-B版shop.yushakobo.jp
Pro Micro Type-C版shop.yushakobo.jp
KeebMicro-CはブートローダーがDFUなので、この場合に該当しません。
書き込み方は以下の記事を参考にしてください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
ブートローダーがDFUの場合の書き込み方
O51Goなどのマイコンがキーボードに直付けされている場合は、こちらのブートローダーが書き込まれています。
また、KeebMicro-Cもこちらのブートローダーが書き込まれていますので注意が必要です。
基本的に以下の記事のQMK Toolboxを使用することが最も簡単だと思いますので推奨します。
QMK Toolboxの記事にリセットスイッチを押す項目がありますが、O51Goなどの基板直付けされている場合は基板裏側に銀色のボタンがありますので、これを代わりに押してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
Case2.マイコンにRP2040を採用している場合
2025年現在、私は今後RP2040というマイコンを主に使用していく予定です。
このマイコンはATmega32U4と比較して非常に性能が高く、フラッシュメモリを外付けできることでレイヤー数を多く設定する事ができます。
更にファームウェアの書き込み方が非常に簡単なのも特徴です。
対象キーボード一覧
以下のキーボード名をクリックすることでVial対応ファームウェアをダウンロードすることが出来ます。
GoFortyOrtho |
GoFortyJP |
GoFortyUS |
Focus40 Ortho |
Focus40 JP |
InSixtyEN |
InSixtyJP |
Focus60 EN |
書き込み方
キーボードの一番左上のキー(多くの場合はEscキー、分割キーボードの右側では「6」キー)を押しながらUSBケーブルを挿してPCと接続するとRPI-RP2というストレージがPCで認識されるので、ここにダウンロードしたUF2ファイルをドラッグ・アンド・ドロップすることでファームウェアが書き込まれます。
外部ストレージが認識されると情シス担当がすっ飛んでくるような環境では絶対にやらないようにしましょう。
もし該当のキーを押せないような状況だったり、同様の操作をしてもストレージが認識されなかった場合は、基板裏側の銀色のボタンを押しながらPCと接続することでも代用できます。
Case3.マイコンにBLE Micro Pro(以下BMP)を採用している場合
無線接続が可能になるBMPを採用している場合は専用のコンフィギュレーションサイトを使用してファームウェアを書き込んでください。
https://sekigon-gonnoc.github.io/BLE-Micro-Pro-WebConfigurator/
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おわりに
私のDiscordサーバで質問されたので書きました。
こうやって書くとRP2040のファームウェアの書き込み方がいかに簡単かわかりますね。
salicylic-acid3.hatenablog.com
本記事はO51GoX with GoFortyXケースで書きました。