こんにちは。自キ温泉ガイドのサリチル酸です。
今回は私の設計した自作キーボードキット『ErgoArrows』の組み立て手順書、ビルドガイドを書きたいと思います。
- はじめに
- 前置き
- 注意事項
- 組み立て動画を確認する
- キットの中身を確認する
- キット外で必要なもの
- 必要工具
- 組み立て
- Pro Microの袋を開ける
- Pro Micro付属のピンヘッダを捨てる
- (オプション)Pro Microの補強
- Pro Microの書き込み
- BMPの書き込み
- LPMEの書き込み
- バックプレートの上部分を切り離す
- バリをヤスリがけする
- プレートの断面をサインペンで塗る
- (オプション)LED(YS-SK6812MINI-E)の取り付け
- 実装プレートにコンスルーを差し込む
- Pro Microにコンスルーをハンダ付けする
- (オプション)LEDのテスト
- Pro Microを抜く
- ダイオードをはんだ付けする(リードタイプの場合)
- ダイオードをはんだ付けする(表面実装タイプの場合)
- (オプション)LEDテープを取り付ける
- TRRSジャックをはんだ付けする
- タクトスイッチをはんだ付けする
- ロープロファイルスイッチをはんだ付けする
- トッププレートの四隅にスイッチをはめる
- 四隅のスイッチをはんだ付けする
- 残りのスイッチをはんだ付けする
- (オプション)電池部品セット組み立て
- スペーサーを六角形の穴に置いてネジ止めする
- バックプレートに4mmのスペーサーをネジ止めする
- Pro Microを挿す
- スペーサー(4mmオスメス)をネジ止めする
- バックプレートの下2つをネジ止めする
- ProMicroカバーをネジ止めする
- 左右をステレオミニケーブルもしくはTRRSケーブルで接続し、USBを接続する
- テストする
- (オプション)電池を挿入する
- ゴム足を貼り付ける
- キーキャップを取り付ける
- キーマップをカスタマイズする
- 完成!
- 動かない時に
- おわりに
はじめに
キットをお買い上げ頂いた方、お買い上げありがとうございます。
拙い部分もあると思いますが一所懸命にガイドしますのでよろしくお願いします。
前置き
本キットはキーが縦にずれたColumnStaggeredオール1uキーの65%分割キーボード(テンキーとファンクションキーが無いコンパクトな配列)です。
ColumnStaggeredのキーボードキットでは珍しく両手にアローキー(カーソルキー、矢印キー)を備え、しかも左右に大きくならないようにロープロファイルキーを手のひらに備えているのが最大の特徴です。
見慣れないと思いますが、左のアローキーはマウスを操作しながらの打鍵に便利です。
本キットはできる限り簡単に作成できるように設計しておりますが、組み立てる前にビルドガイドを熟読するようにしてください。
皆様も分からないところがあったら「やってから考える」のではなく、「先に」私まで問い合わせて、疑問を解消させてから取り組んでください。
製品についてのお問い合わせは私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
注意事項
本キットは自分で自分で組み立てるキットです。
私が組み立ての代行を引き受けることはありませんのでご了承ください。
組み立て動画を確認する
Daihuku Keyboardさんが非常に分かりやすい組み立て動画を作ってくれましたので、組立作業の全体像が分からない方は一度見ておくと流れが掴みやすいと思います。
キットの中身を確認する
内容物一覧
品目 | 数量 |
実装プレート | 2 |
トッププレート | 2 |
バックプレート | 2 |
スペーサー(7mm) | 8 |
スペーサー(4mm) | 4 |
スペーサー(4mm)(オスメス) | 4 |
ネジ(3mm) | 24+ |
ゴム足 | 8 |
TRRSジャック | 2 |
タクトスイッチ | 2 |
万が一部品が足らない場合、お手数ですが以下の方法でご連絡ください。
購入先が遊舎工房様の場合: Discord、TwitterのDMにメッセージいただけましたらすぐに発送対応いたします。
購入先が私のBoothショップの場合:Boothのメッセージ、Discord、TwitterのDMにメッセージいただけましたらすぐに発送対応いたします。
実装プレート
本ガイド内では『実装プレート』と呼びます。
組み立ての半分は実装プレートへの部品のハンダ付けです。
右と左では別々の基板となっております。
トッププレート
本ガイド内では『トッププレート』と呼びます。
スイッチをはめて実装プレートに重ねてはんだ付けします。
トッププレートは左右同じプレートのリバーシブル構造となっています。
バックプレート
本ガイド内では『バックプレート』と呼びます。
実装プレートの裏側に重ねてネジ止めします。
トッププレートは左右同じプレートのリバーシブル構造となっています。
スペーサー
本ガイド内では『スペーサー』と呼びます。
プレート各種をネジ止めするのに必要です。
スペーサーは7mmが8個、4mmが4個、ネジが飛び出た4mm(オスメス)が4個入っていますので確認してください。
ネジ
スペーサーとともにプレート各種をネジ止めするのに必要です。
3mmのネジが24個以上入っていますので確認してください。
ゴム足
シートについたゴム足が8個入っていますので確認してください。
TRRSジャック
本ガイド内では『TRRSジャック』と呼びます。
ErgoArrowsの左右を接続するケーブルのために必要です。
2個入っていますので確認してください。
タクトスイッチ
本ガイド内では『タクトスイッチ』と呼びます。
ErgoArrowsの頭脳部分、ProMicroのファームウェアを書き込む際に必要です。
2個入っていますので確認してください。
キット外で必要なもの
一覧
品目 | 数量 |
ダイオード | 76 |
キースイッチ(MX互換スイッチ or OutemuLPスイッチ) | 68 |
キーキャップ(MX互換キーキャップ) | 68or76 |
キースイッチ(Choc v1 or Choc v2スイッチ) | 8 |
キーキャップ(Choc v1用キーキャップ) | 8or0 |
Pro Micro もしくは BLE Micro Pro もしくはLPME-IO | 2 |
コンスルー | 4 |
MicroUSBケーブル | 1 |
3.5mmステレオミニケーブル | 1 |
LED(YS-SK6812MINI) | 76 |
LEDテープ(WS2812B) | 2 |
ダイオード
本キットはダイオードを2種類から選べます。
ハンダ付けに不慣れな方、細かい作業が苦手な方はリードタイプを、表面実装部品のハンダ付けに慣れている方はSMDタイプを購入してください。
キースイッチ(MX互換スイッチ or OutemuLPスイッチ)
本ガイド内では『キースイッチ』と呼びます。
ErgoArrowsはCherryMX互換スイッチ、またはOutemuLPスイッチに対応しています。
68個必要です。
※CherryMX互換スイッチとOutemuLPスイッチを同時に使用することは出来ません。
※OutemuLPスイッチを利用する場合、スペーサーの長さが1mm異なるので別売りのOutemuLP用スペーサーセットが必要です。
キーキャップ(MX互換キーキャップ)
本ガイド内では『キーキャップ』と呼びます。
ErgoArrowsはすべてのキーが一番小さい単位の1uというサイズのキーで構成されるため、一般的なキーキャップセットでは印字を一致させることは出来ません。
個人的には以下のキーキャップセットがおすすめです。
Tips:OutemuLPスイッチを用いる場合
遊舎工房様で取り扱っているOutemuLPスイッチを用いる場合、スペーサーを7mmのものから6mmのものへ交換する必要があります。
※交換しないと1mm低く出来ませんし、無線化が出来ません。
スペーサーは遊舎工房様の店頭、もしくはKochiKeyboard様の通販サイトで購入することが出来ます。
※要望が多ければスペーサーのみオプションとして用意するかもしれません。
キースイッチ(Choc v1 or Choc v2スイッチ)
本ガイド内では『Chocスイッチ』と呼びます。
ErgoArrowsのアローキー部分はロープロファイルスイッチであるChoc v1スイッチとChoc v2スイッチに対応しています。
8個必要です。
※Choc v1スイッチは専用キーキャップが必要です。
※Choc v2スイッチはMXキーキャップが使用できますが、Cherryプロファイルなどの一部のキーキャップと干渉する可能性があります。
※取り付けも簡単ですし、基本的にはChoc v1スイッチの使用をオススメします。
キーキャップ(Choc v1用キーキャップ)
本ガイド内では『Choc用キーキャップ』と呼びます。
アローキーにChoc v1スイッチを使用した場合、Choc v1用キーキャップが必要です。
Pro Micro or BLE Micro Pro or LPME-IO
本ガイド内では『Pro Micro』または『BMP』または『LPME』と呼びます。
キーボードの頭脳となるマイコンです。
Pro Microは色々種類は有りますが、遊舎工房実店舗か遊舎工房通販サイトの物を使用してくだされば確実です。
※通販サイトの場合ファーム書き込みなしを選択してください。
BMPとLPMEは無線接続を行う場合に必要です。
また、BMPとLPMEはコンスルーが同梱されておりませんので、別途用意してください。
LPMEはBMPとTRRSケーブルで接続し、部分無線を実現する場合に使用します。
また、本キットには電池基板用の部品が同梱されていません。
BMPを2つ使用した完全無線化には電池部品セットを2つ、BMPとLPMEを使用した部分無線には電池部品セットを1つ購入してください。
Micro USBケーブル
本ガイド内では『USBケーブル』と呼びます。
NKNL7とPCとをつなぐために必要です。
3.5mmステレオミニケーブル
本ガイド内では『ステレオミニケーブル』と呼びます。
3.5mmステレオミニケーブルのオス⇔オスを用意してください。
ステレオミニプラグ オーディオケーブル、RAYWILL 高音質再生 オス/オス無指向性 標準3.5mm AUX接続 (0.5m)
LED(YS-SK6812MINI)(オプション)
別途用意することで全てのキーを裏からフルカラーで光らせることが出来ます。
76個付けることが出来ます。
ハンダ付けする箇所が増えてしまいますが派手なキーボードが好きな方は是非チャレンジして輝かせてください。
LEDテープ(WS2812B)(オプション)
本ガイド内では『LEDテープ』と呼びます。
実装プレートの裏からより光らせるために使用します。
※LEDテープを利用してもあまり光りません。。そのうちアクリルバックプレートを用意するので、その時に実装してもいいと思います。
電池部品セット一覧(オプション)
BMPを2つ使用した完全無線化には電池部品セットを2つ、BMPとLPMEを使用した部分無線には電池部品セットを1つ購入してください。
品目 | 数量 |
ショットキーダイオード | 2 |
コンデンサ | 1 |
スライドスイッチ | 1 |
コイン電池ケース | 2 |
2mm高2pinコンスルー | 1 |
ショットキーダイオード
本ガイド内では『SBダイオード』と呼びます。
ボタン電池の上下指し間違えを防ぎます。
キースイッチ用のダイオードとは違いますので保管する場合は別にして保管してください。
コンデンサ
本ガイド内では『コンデンサ』と呼びます。
ボタン電池の電圧を安定させ、寿命を伸ばします。
スライドスイッチ
本ガイド内では『スライドスイッチ』と呼びます。
電池のオンオフを行うスイッチです。
コイン電池(CR1632)ケース
本ガイド内では『電池ケース』と呼びます。
コイン電池(CR1632)を収めるケースです。
2mm高2pinコンスルー
電池基板が実装されているボトムプレートと実装プレートを接続するコンスルーです。
曲がりやすいので、気をつけてお取り扱いください。
※2mmのコンスルーなので、遊舎工房様で販売する通常のコンスルー(2.5mm)を切っても適合しません。
パームレスト一体型プレートセット一覧(オプション)
BMPを2つ使用した完全無線化には電池部品セットを2つ、BMPとLPMEを使用した部分無線には電池部品セットを1つ購入してください。
品目 | 数量 |
パームレスト一体型バックプレート | 2 |
レストプレート | 2 |
スペーサー(7mm) | 8 |
ネジ(3mm) | 16 |
ゴム足 | 4 |
パームレスト一体型バックプレート
通常のバックプレートと置き換えることでパームレスト一体型構造にすることが出来ます。
レストプレート
実際に手のひらを載せるプレートです。
パームレスト一体型バックプレートとスペーサーで連結します。
感触が気に入らない場合はスポンジや革などを貼り付けて利用してください。
スペーサー(7mm)
パームレスト一体型バックプレートとレストプレートを連結するスペーサーです。
高さを調整したい場合、このスペーサーを置き換えることで高さを調整する事ができます。
ネジ(3mm)
プレートとスペーサーを締結するためのネジです。
ゴム足
パームレスト一体型プレートに貼り付けるためのゴム足です。
奥側のProMicroカバープレートは通常のものを流用するため、数が4個となっております。
必要工具
工具それぞれの説明はこちらの記事に書かれていますので、併せて参照してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
不安な人、LEDを実装する人は以下の物を全て揃えてくださると、安い物を使うより各段に実装が楽になります。
※このページで得られたアフィリエイト収益は、全て私の自作キーボードキットの価格維持に使います。
ハンダこて
ハンダこて台
こて先
ハンダ
ハンダ吸い取り線
ドライバー(m2ネジ対応のもの)
ベッセル(VESSEL) メガドラ 細軸 ドライバー +0×75 910
※ケースのネジは「+0×75」を、スタビライザーのネジは「+1×75」がおすすめです。
ニッパー
ヤスリ(あったほうがいい)
NO.1 Direct ダイヤモンド ヤスリ セット 10個入り サンドペーパー6枚付き (140MM)
作業マット
プラス カッターマット 両面 A4 230×320mm グリーン 48-573
フラックス(あったほうがいい)
ホーザン(HOZAN) フラックス 鉛フリーハンダ対応 便利なハケ付きキャップ付 容量30mL H-722
マスキングテープ(テープであればいい)
エーモン 目盛り付きマスキングテープ 幅20mm×長さ約15m 1693
逆作用ピンセット(あったほうがいい)
ホーザン(HOZAN) 逆作用ピンセット ツイーザー サードハンド 全長165mm 先端幅2mm 最大開幅約20mm P-89
虫眼鏡(あったほうがいい)
KRAVAS 拡大鏡 LEDライト付き 手持ちルーペ 大きく 見やすい 軽い 直径140mmで読み物に便利なサイズ
ライト(あったほうがいい)
Ledlenser(レッドレンザー) LED懐中電灯 P7R 強力ライト/定番サイズ 【明るさ約1000ルーメン】 【最長7年保証】 充電式 [日本正規品] 9408-R
テスター(あったほうがいい)
エポキシ樹脂(あったほうがいい)
セメダイン 5分硬化型エポキシ系接着剤 ハイスーパー5 15gセット箱 CA-184
マジックペン(あったほうがいい)
ゼブラ 油性ペン ハイマッキー 黒 3本 P-MO-150-MC-BK3
組み立て
いよいよ組み立てです。
まとまった時間は用意できましたか?
本キットには取り付け順序があります。
工程によって、取り付けられなくなるパーツがありますので、十分注意してください。
Pro Microの袋を開ける
ハサミを探したくなかったら下の写真のように斜めに思いっきり行きましょう。
Pro Micro付属のピンヘッダを捨てる
Pro Microを袋から出したらすぐに捨てます。
もったいないと思っても使い道を3秒で思い浮かばなかったら潔く捨てましょう。
だいたい使いません。
下の写真のような、銀色の魚の骨のようなやつです。
(オプション)Pro Microの補強
エポキシ樹脂を使ってPro Microの補強をします。
乾燥に多少時間がかかるので最初にやってしまいましょう。
エポキシ樹脂の乾燥時間や使い方はエポキシ樹脂の説明を読んでください。
樹脂はUSBジャックの中に入らないように周囲を盛っていきます。
多めに盛りすぎてUSB端子が入る穴に流れ込まないよう注意してください。


Pro Microの書き込み
Pro Microの書き込みは3つの方法がありますが、ErgoArrowsはVIAというソフトを使うことを前提としていますのでその方法のみ紹介します。
以下のHEXファイル(ファームウェア)をダウンロードし、Pro Microに書き込みます。
HEXファイルをPro Microに書き込む手順はこちら。
salicylic-acid3.hatenablog.com
※ファームウェアの書き込みでタクトスイッチを押す部分が有りますが、RSTとGND(下写真の赤丸部分)をピンセットで一瞬触れることで代替します。
Pro Microに書き込んだらVIAを起動してJsonを読み込ませてキーボードを接続するとキーマップが書き換え可能になります。
salicylic-acid3.hatenablog.com
BMPの書き込み
以下のページを利用してファームウェアの書き込みを実施してください。
https://sekigon-gonnoc.github.io/BLE-Micro-Pro-WebConfigurator/
※BMPを購入したばかりの方は上から順にアップデートを実施し、「キーボードごとの設定を書き込む」で「ergoarrows」を選択してください。
左手用の場合「Is Left」を、右手用の場合「Is Slave」を、LPMEを使用する場合「Use with LPME-IO」を選択して「Update」をクリックして書き込んでください。
分からない場合、以下のドキュメントページを参照してください。
LPMEの書き込み
必要ありません。
上記のようにBMPの書き込み時に「Use with LPME-IO」を選択して「Update」をクリックして書き込んでください。
バックプレートの上部分を切り離す
左右のボトムプレートの上部分を切り離します。
※上部分は最後にマイコンのカバー兼チルト用の足として使用するので捨てないでください!
バリをヤスリがけする
ニッパーで切り取った部分をヤスリがけします。
100均のヤスリでも十分ですが、いいヤスリは作業性を著しく上げますので、この際に買ってもいいかもしれません。
NO.1 Direct ダイヤモンド ヤスリ セット 10個入り サンドペーパー6枚付き (140MM)
プレートの断面をサインペンで塗る
実装プレート、トッププレート、バックプレートの断面は白っぽくなっていると思います。
その断面をぐるっと一周サインペンで黒く塗ります。
サインペンの太い方でざっと塗り、細かいところを細い方で塗ります。
この一手間が出来上がりの質感を上げますので是非やってください。
(オプション)LED(YS-SK6812MINI-E)の取り付け
LEDは一番最初に実装するのが簡単なので最初に実装しましょう。
このYS-SK6812MINI-EというチップLEDの4つの足は一つだけ斜めに切り欠きがあり、それがGNDです。
切り欠きをGNDに合わせてLED発光部分が裏面に来るように穴に嵌め込みます。
穴は結構ぴったりめに作ってありますので嵌めづらいかもしれませんが、足がパッドにちゃんと付くように嵌めます。


取り付け時にPro Micro用のスルーホールを潰さないように気をつけてください。
例えば下の写真のようにマスキングテープやカプトンテープで塞いでおくと安心です。
LEDの足をはんだ付けします。
従来のLED(SK6812MINI)に比べて熱に耐性がありますが、270℃~320℃で一本ずつゆっくりはんだ付けします。
LED(YS-SK6812MINI-E)はんだ付け動画
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年9月27日
※動画ではPro Microのスルーホールをテープで塞いでいませんが、はんだが流れないように止めておくと安心です。 pic.twitter.com/4gHu6P2zH5
実装プレートにコンスルーを差し込む
Bat+とBat-を避けるように差し込みます。
ただし、コンスルーには向きがあります。
写真の赤丸の金色の部分が片方の面から両方見える様に、また金色の部分がPro Micro側に寄っている様に取り付けます。
分かりづらかったら以下のドキュメントも合わせて確認してください。
※Pro Microの裏表は本ビルドガイドの通りに実装してください。
Pro Microにコンスルーをハンダ付けする
コンスルーとPro Microとのハンダ付けはPro MicroのUSB端子やマイコンチップが付いている方からハンダ付けします。
320℃に設定してコンスルーを1秒程度温めてからハンダを送ります。
24のピン全てをハンダ付けします。
Pro Microはんだ付け(7sシリーズ用)
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年9月27日
7sシリーズはチップ面が見える状態ではんだ付けします。
修復は非常に手間なので、裏表に十分注意してください。 pic.twitter.com/h4ITyrOwVM
(オプション)LEDのテスト
Pro Microとパソコンを接続し、LEDのテストをします。
途中で点灯しなくなった場合、点灯順の前のLEDのハンダをチェックしてください。
点灯順は基板裏のL○(○は1~38)の番号の順番です。
Pro Microを抜く
コンスルーピンを曲げないようにPro Microをまっすぐゆっくり抜きます。
ピンを曲げてしまった場合は優しく元に戻します。
ダイオードをはんだ付けする(リードタイプの場合)
ダイオードの足を曲げる
リードタイプのダイオードはダイオードを差し込む間隔に合わせてまず足を曲げます。
台紙がついているタイプの場合は台紙についたまま曲げるとやりやすいです。
ダイオードの向きを揃えて挿入する
足を曲げたら台紙から切り離し、穴に差し込んでいきます。
※ダイオードには向きがあります。逆向きに取り付けるとそのキーは反応しません。
基板に書かれている向き(ダイオードのラインと基板上の記号「▷|」の縦のラインを合わせる)に合わせて差し込んでいきます。


基板をひっくり返しても落ちない用にマスキングテープで止めるか足を広げておきます。
はんだ付けする
はんだ付けの際はダイオードの足をハンダごてで温め、1~2秒置いてからハンダを送るようにしてください。
はんだ付けをしてからダイオードの足をギリギリで切ってください。
マスキングテープを用いる場合はダイオードの足を切ってからはんだ付けするとより綺麗に仕上がります。
送るハンダの量は以下の動画を参考にしてください。
meishi
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2019年5月11日
スルーホールダイオードハンダ付け pic.twitter.com/BRuwv3yYkH
ダイオードをはんだ付けする(表面実装タイプの場合)
ダイオードを並べる
ダイオードは向きがあります。
肉眼では見づらいかもしれませんが、表面に印刷があります。
線が書いてある方を実装プレートの裏の矢印の先に合わせてつけます。
ダイオードの線が見辛いときはライトで照らすか虫眼鏡で確認してください。
※ダイオードには向きがあります。逆向きに取り付けるとそのキーは反応しません。
利き手の逆の手でピンセットを扱うので、右利きの方は左側にダイオードを並べるとやりやすいです。
表面実装ダイオードを剥がすやつ pic.twitter.com/CWTd8VTI48
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年8月20日
予備はんだを行う
ダイオードを取り付けるところにあらかじめはんだを盛っておきます。(予備はんだといいます)
ハンダこての温度は320℃に設定してください。
量は下の写真くらいで大丈夫です。
ハンダの量が多すぎたり、ハンダが尖ってしまったら(ツノがたったといいます)吸い取り線で一回吸い取ってからもう一度盛ります。
吸い取り線は新しい銅色の部分を吸い取りたい部分に当て、上からハンダこてを当てて吸い取ります。
吸い取り線の吸い取って銀色になった部分はもう使えませんので、ニッパーで切り取ってしまいます。
また、何度やっても尖ってしまう場合、長く温めすぎてフラックス(ハンダの中に入っている流動性を高める成分)が飛んでしまった可能性があります。
一度つけるパッドにフラックスを一塗りしてからやってみてください。
ダイオードの片足をつける
もう一度向きが合っているかを確認します。
※この写真はNKNL7のものです。
ダイオードの白いラインと記号▷|の三角形の先のラインの向きを合わせてハンダ付けます。
逆作用ピンセットでダイオードをつまみ、予備はんだの上に置きながら予備はんだをハンダこてで溶かす事ではんだ付けします。
表面実装ダイオードをつけるやつ pic.twitter.com/vY7nZI4F5O
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2020年8月20日
表面実装ダイオードハンダ付け pic.twitter.com/hKRUXsMba6
— サリチル酸@自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) March 21, 2019
HelixのSMDダイオードはんだ付けワンカット動画
— MCはなふさ (@hdbx) March 9, 2019
基板に予備はんだ後、ダイオードを載せてはんだごてを当ててからの一連の流れです#ONECUTHANDA #カメ止め pic.twitter.com/0SoXj0lTol
ハンダこてを放してから一秒置いてピンセットを放します。
これを全部のダイオードに行います。
ダイオードのはんだ付けを確認する
横から見て、ダイオードが浮いていないか確認します。
一見はんだが付いていても浮いていると、割とすぐに剥がれてしまいます。
浮いている場合、フラックスを塗ってから浮いている側のはんだを暖め直し、ピンセットで位置を調整してください。
ダイオードのもう片足をつける
すべて片足だけ付け終わったら、今度は反対側です。
ハンダこてで一秒暖めてからはんだを送ります。
これを全部のキーに行います。
(オプション)LEDテープを取り付ける
LEDテープには向きがあります。
信号は「Din」から「DO」に流れていきます。
DO側からLED1個分を切り離し、更にコンデンサギリギリまで切り詰めておきます。
LEDテープの剥離紙を剥がして端の印字(+5v、Din、GND)が一致するように貼り付けます。
※初期ロットのみ左側の印字が無いので注意が必要です。


金色の部分とパッド部分をハンダでブリッジします。
多めに盛ってあげるとうまくいきやすいです。
※フラックスを塗ると逆に失敗しますので塗らないでください。
TRRSジャックをはんだ付けする
実装プレートの表面にTRRSジャックを差し込み、裏面からはんだ付けします。


※部品はパチリとハマりますがはんだ付けの途中で浮くことがあります。不安な方はマスキングテープでTRRSジャックを押さえておくと安心です。
表面からTRRSジャックの足にハンダを付けていきます。
足にハンダこてを当ててからハンダを送ります。
ハンダがもっこりするほど送らなくてもいいです。
TRRSジャックハンダ付け pic.twitter.com/JIaM7v2mPo
— サリチル酸@自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) March 21, 2019
タクトスイッチをはんだ付けする
実装プレートの裏側に差し込み表面からはんだ付けします。


足にハンダこてを当ててからハンダを送ります。
もっこりするほど送らなくてもいいです。
タクトスイッチハンダ付け pic.twitter.com/ZoYcqqBNd4
— サリチル酸@自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) March 21, 2019
ロープロファイルスイッチをはんだ付けする
アローキー部分にロープロファイルスイッチ(Choc v1 or v2)を差し込みはんだ付けします。
以下の動画よりハンダの量は少なくていいです。
meishi
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2019年5月13日
スイッチハンダ付け(5ピンスイッチ)
※スイッチを使い回したい人は無理に切らなくてもいいです pic.twitter.com/zwkZJQtgi2
トッププレートの四隅にスイッチをはめる
トッププレートの四隅(下の写真の位置)にスイッチをはめ、実装プレートに重ねます。
四隅のスイッチをはんだ付けする
スイッチの足を1本はんだ付けし、横からスイッチが浮いていないか確認します。


浮いていたらスイッチを押し付けながら先程はんだ付けしたハンダを温めて最後まではめます。
浮いていないことを確認できたら残りの一本もはんだ付けします。
残りのスイッチをはんだ付けする
残りのスイッチも浮きに気をつけてはんだ付けします。
meishi
— サリチル酸⌨️自キ温泉ガイド (@Salicylic_acid3) 2019年5月13日
スイッチハンダ付け(5ピンスイッチ)
※スイッチを使い回したい人は無理に切らなくてもいいです pic.twitter.com/zwkZJQtgi2
(オプション)電池部品セット組み立て
バックプレートに電池ケースとスライドスイッチをはんだ付けする
※LPME-IOを使用する場合は電池部品は左側にのみ実装します。
バックプレートの底面側(使用するとき机の側、ゴム足を取り付ける側)に電池ケースとスライドスイッチを裏からはんだ付けします。
裏返す時に部品が浮いてしまわないようにマスキングテープで押さえておきます。
また、スライドスイッチは足をニッパーで切ってからはんだ付けします。
SBダイオードとコンデンサをはんだ付けする
実装プレート側(使用するとき上側、スイッチ側)にSBダイオードとコンデンサをはんだ付けします。
SBダイオードとコンデンサは通常のダイオードと同じ要領ではんだ付けします。
※コンデンサには向きは有りません。
2Pinコンスルーを実装プレートに取り付ける
ピンを曲げないようにゆっくり差し込んでください。
上下左右はありません。
ボトムプレートに対応する穴にあわせ、ピンをゆっくり確実に差し込んでください。
スペーサーを六角形の穴に置いてネジ止めする
六角形の穴に長い方(7mm)のスペーサーを差し込み、トッププレートからネジ止めします。
バックプレートに4mmのスペーサーをネジ止めする
バックプレートの以下の写真の位置に4mmのスペーサーを取り付けます。
このスペーサーは後にProMicro保護プレートをネジ止めするため、下側に取り付けます。


Pro Microを挿す
まっすぐPro Microを挿します。
この時Bat+とBat-を避けるように差し込みます。
スペーサー(4mmオスメス)をネジ止めする
スペーサー(4mmオスメス)を下の写真の位置にネジ止めします。
バックプレートの下2つをネジ止めする
ProMicroカバーをネジ止めする
左右をステレオミニケーブルもしくはTRRSケーブルで接続し、USBを接続する
必ず左右間をステレオミニケーブル、もしくはTRRSケーブルで接続してからUSBを差し込んでください。
※USBを差し込んでから左右を接続しようとするとショートが発生し、故障の原因となりますので絶対にしないでください。
テストする
PCに繋ぎ、VIAのテストモードでキーの反応をテストします。
salicylic-acid3.hatenablog.com
(オプション)電池を挿入する
BMPを使用する場合、CR1632コイン電池を+を底面側にして挿入してください。
※コイン電池は1個でも動きますが、寿命を重視する場合は2個入れてください。
ゴム足を貼り付ける
バックプレートの白丸の部分にゴム足を貼り付けます
キーキャップを取り付ける
自分の求めるキーマップに応じた配置でキーキャップを取り付けます。
キーキャップの取り付けは以下画像を参考に取り付けをしてくださると綺麗に収まります。
キーマップをカスタマイズする
以下の記事を参考にオリジナルのキーマップを探求してください。
salicylic-acid3.hatenablog.com
完成!
お疲れ様でした!
達成感とともに、ゆっくりと自作キーボード温泉に浸かってください。
また、出来上がったキーボードの写真を私に見せていただけると大変嬉しいので、是非私のDiscordにいらっしゃって写真だけでも貼っていってください!
動かない時に
以下のサイトがトラブルシューティングについて網羅していますので参考にしてください。
おわりに
ビルドガイドはいかがでしたでしょうか。
分かりやすかったでしょうか。
なるべく組み立てやすい様に設計したつもりですが、なにかわからないことが有れば遠慮なく私のDiscordまでどうぞ。
salicylic-acid3.hatenablog.com
本記事はNaked64SFv3で書きました。